<兜町カタリスト>
「ところ変われば評価も変わる」
週末のNYダウは65ドル高の17500ドルと反発。
S&P500、NASDAQともに反発。
NYダウは4週続落。
S&Pは4週間ぶりの反発、NASDAQは5週間ぶりの反発。
堅調な業績見通しの半導体製造装置大手アプライド・マテリアルズが上昇。
全体をけん引したとの解釈。
FRBによる6月利上げ確率は約30%まで上昇。
「市場はFRBが6月に動く可能性を織り込み始めている」と言う声が高まってきた。
ただ「利上げ可能性の高まりにつれた相場の上昇は良い流れかもしれない」という解釈も聞かれる。
仙台市で開かれていたG7財務相・中央銀行総裁会議。
世界経済の成長確保に向けて各国が金融・財政・構造政策を活用していくことで合意。
しかし「大きな決定はしなかった」という参加者もいる。
またルー米財務長官も「各国によって立場が異なる」とコメント。
財政出動での「協調」は合意できなかった。
今週は27日発表予定の1~3月期実質GDP改定値が待たれている。
市場予想は0.8%。
もし1%を超えるようなら6月利上げの可能性が意識される展開となろうか。
27日にはイエレンFRB議長がハーバード大学で講演予定。
米金利の行方に神経質な展開は続こう。
ただ、規模的市場的には些末なギリシャの財政問題に焦点がすり替えられる市場展開よりは、
本筋を見据えた動きにとなることは当然の動きでもある。
英国の世論調査では英国のEU残留支持が44%となり、先月末の42%から上昇。
一方、離脱支持は1ポイント低下の40%だった。
英ブックメーカー(賭け業者)による残留確率は79%~85%。
1カ月前の66%から上昇している。
週末の日経平均株価は89円高の16736円と続伸。
週間では約324円の上昇。
週足では2週連続で陽線。
先週は4勝1敗、先々週も4勝1敗。
この2週間では8勝2敗とGW明け以降の日経平均は実はしっかりした動き。
25日線(16705円)と不即不離の動きの継続で一目均衡表の雲を抜けてきた。
気になってくるのが機関投資家の株価値洗いの基準ともいえる3月月中平均の16897円。
そして3月28日の終値は17134円。
これは3月期末権利落ち前の終値。
ここを抜けて権利配当落ちを埋めたことになるスタートラインである。
売買代金は2兆円割れ水準と低迷。
だがもうそろそろ三角もちあいから脱却する雰囲気になってこよう。
週末に控えた伊勢志摩サミットを待つモードとその後への期待感のせめぎ合いの時間帯になろうか。
シカゴ225先物終値は16725円。
高値16810円だからシカゴでもまだ膠着感だった流れは引き継ぐのだろう。
5月SQ値16845円が上値を抑えている構図に変わりはない。
仙台でのG7では何も決まらなかったが、何も決まらないのがG7とすれば別に問題はなかろう。
為替に翻弄されなくなりそうな気配は好感。
売買代金の低下は次のステップへのすくみとみたい。
IMFの報告書。
「日銀の金融緩和について、成長率や株価の上昇などアジア新興国に前向きな影響を及ぼした」と指摘。
「大半の(東南アジア)諸国では、生産が拡大。
インフレ率が一時的に上昇した。
資本流入も多くの国で急増した。
日銀の金融緩和はアジア新興国の株価を大幅に押し上げた。
ほぼすべての国の通貨が対円で上昇したが、経済成長への影響は概ね前向き。
株高を背景に信頼感が回復。・
経済成長が加速したことで、自国通貨高の影響が打ち消された」と分析。
中国経済への影響については「人民元相場が対円で上昇したものの、影響はマイナスではなかった。
株式市場の上昇で明らかな信頼感回復や、輸入コストの低下がプラスに働いた」との見方。
国内では不発のマイナス金利もアジアでは人気があるのかも知れない。
先週の安部首相がすこぶる元気な様子。
16日(月)は18時39分から東京・内幸町の日本プレスセンタービル。
「安倍晋太郎氏をしのび安倍晋三総理と語る会」。
20時37分、東京・銀座の中国料理店「飛雁閣」。
大久保好男日本テレビ社長、秋山光人日経映像社長らマスコミ関係者と会食。
で22時23分に自宅。
17日(火)は19時3分、東京・虎ノ門の虎ノ門ヒルズで「ものづくりなでしこ設立パーティー」に出席。
19時34分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。
レストラン「石心亭」でブッシュ米前大統領と食事。
岸信夫自民党衆院議員同席。21時34分に自宅。
18日(水)は18時41分からマハマ大統領と首脳会談。
19時40分から公邸で首相夫妻主催の夕食会。
19日(木)19時5分から東京・芝公園のホテル「ザ・プリンスパークタワー東京」。
日本料理店「芝桜」で加藤勝信1億総活躍担当相、茂木自民党選対委員長、
岡本毅東京ガス会長、冨田哲郎JR東日本社長らと食事。21時47分に自宅。
20日(金)18時27分、東京・赤坂の日本料理店「佐藤」。
森喜朗元首相、萩生田光一官房副長官らと会食。20時44分、公邸。
土曜はスパだけだが22日(日)は大相撲観戦中にアルマーダ・ロペス駐日メキシコ大使。
表彰式で優勝した横綱白鵬関に表彰状と40キロの内閣総理大臣杯を授与。
18時41分、東京・上原のレストラン「セララバアド」。
河野雅治外務省中東和平担当特使、昭恵夫人、母親の洋子さんらと食事。
21時37分自宅。
因みにこの河野氏は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事。
ドトール・日レスホールディングス取締役、三井住友フィナンシャルグループ取締役。
オンコリスバイオファーマ(4588)が週末にプレス。
同社が持つ抗がん剤について。
中国製薬企業江蘇恒瑞医薬(江蘇省)に、中国での開発販売権付与で基本合意。
正式契約は11月までに締結するという。
寄りつきは買い気配。
ストボの岩本デスクの指摘は「サミットの年は転機の年」。
↓
日本でサミット(先進国首脳会議)が開かれたのは過去に5回。
(1)1979年(第5回)6月28日~ 大平政権での「東京サミット」
第二次オイルショック:6250.04→6569.47 △5.1%
(2)1986年(第12回)5月4日~ 中曽根政権での「東京サミット」
「世界一の債権大国」バブル相場始動:15869.57→18701.30 △17.8%
(3)1993年(第19回)7月7日~ 宮沢政権での「東京サミット」
自民党が衆院選で大敗し結党来初の下野:19828.88→17417.24 ▲12.2%
(4)2000年(第26回)7月21日~ 森政権での「沖縄サミット」
ITバブル崩壊:16811.49→13785.69 ▲18.0%
(5)2008年(第34回)7月7日~ 福田政権での「北海道・洞爺湖サミット」
リーマンショック:13360.04→8859.52 ▲33.7%
コメントは「星取りは2勝3敗。
とにかく負け方が半端ではありません(リーマン時が散々でしたが…)。
時の政権がサミットまでにエネルギーを使い尽くしてしまうのか。
サミット開催は年半ばですから、その年後半の相場はこれで決まってしまうことが多いようです」。
来週はいよいよ伊勢志摩サミット。
息切れ、あるいは終焉論がいわれるアベノミクスにとって、その効果たるやどうでしょう。
中曽根政権時の例を踏襲してくれるといいのですが…。
相場的には、1993年以降3回のジンクスに逆らえない、という可能性も。
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ペッパー(3053)・・・動兆
ペッパーフードサービスに注目する。
同社はステーキのファストフード店展開が中核。
「ペッパーランチ」に加え、立ち食い店の「いきなりステーキ」が急成長。
立ち食い店のマイレージ会員は20万人突破、アプリ登録数も7万人超。
業績は好調で中間期通期ともに上方修正。
(兜町カタリスト櫻井)