【オープニングコメント】
23日の東京株式市場は、手掛かり材料難のなか、狭いレンジのもみ合いとなりそう。
日経平均株価予想レンジは、1万6500円-1万6900円を想定する。
引き続き、日経平均先物の5月限SQ(特別清算指数)値の1万6845円67銭が上値として意識されるとみられる。ただ、為替が対ドルで円安方向に進む動きとなった場合には、SQ値を超える場面もありそう。
一方で、底堅さが意識される相場展開になりそうだ。26-27日に伊勢志摩サミットが開かれる。先週は政策期待が相場の底堅さにつながっていたが、今週も政策期待相場が続くことになりそうである。
またサミット後にも安倍首相が決断するとみられている消費増税の実施の有無に向けて、増税延期観測が高まっており、思惑が強まりそうである。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1250万株、買い900万株で、差し引き350万株の売り越し。売り越しは4営業日ぶり。金額も売り越し。
売りセクターに、機械、小売、不動産、精密、薬品、自動車、電機など。買いセクターに、通信、機械、薬品、電機、化学、小売、商社、海運など。
【注目の好材料銘柄】
■フライト <3753>
16年3月期の連結最終損益は1億6200万円の赤字(前の期は8400万円の赤字)に赤字幅が拡大したが、従来予想の2億円の赤字を上回って着地。17年3月期は3000万円の黒字に浮上する見通しとなった。
■トレイダーズ <8704>
提携先のLiquidが同社と共同開発した生体認証を利用した金融機関向けのインターネットログイン管理サービス「Liquid-Trade」の販売を開始。また、トレイダーズ証券で指紋認証によるログインツールの実証実験を始めた。
■アクロディア <3823>
集合住宅用「インターホン向けIoTシステム」を戸建て住宅向けに販売開始。個別玄関対応で民泊ビジネスでの鍵の管理にも活用できる。
■オンコリスバイオファーマ <4588>
中国ハンルイ社と腫瘍溶解ウイルス「OBP-301(テロメライシン)」の同国における導出を前提とした基本合意書を締結。11月末までにライセンス契約締結を目指す。また、血中浮遊がん細胞検査薬「テロメスキャン(OBP-1101)」のライセンス先である韓国ウォニック・キューブ社に対し、新たに製造権を付与。これによりロイヤリティを受領するほか、今後ウォニック・キューブ社が製造するウイルスに関して販売収入を受け取る。
【予定】
23(月)
【国内】
4月貿易統計(8:50)
5月月例経済報告
《決算発表》
タカショーなど
【海外】
EU外相理事会(ブリュッセル)
休場:カナダ
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】NYダウ続落し91ドル安 2カ月ぶり安値、米利上げ警戒で売り優勢

【NY概況】
20日のNYダウ平均は4日ぶりに反発した。終値は前日比65ドル54セント高の1万7500ドル94セントだった。
アジアや欧州の株価指数が上昇し、市場心理が改善。株高の流れを受け、下落基調にあった米株式相場には買い戻しが優勢だった。ダウ平均は上げ幅を136ドルまで広げる場面があった。
次の米利上げ時期が想定より早まるとの見方から、ダウ平均は前日に約2カ月ぶりの安値を付けていた。下げの勢いを強めていた米株式には、週末とあって持ち高調整を目的とした買い戻しが広がった。
米株式相場は取引終了にかけて伸び悩んだ。米利上げの悪影響を受けやすい内需株に売りが出て、相場の重荷となった。相場を方向付ける新たな取引材料に欠き、上値を追う動きも限られた。
ナスダック総合株価指数は大きく反発し、前日比57.025ポイント高の4769.558で終えた。半導体関連株の上げが大きかったほか、バイオ製薬株の上昇したのも指数を押し上げた。
セクター別では、半導体・半導体製造装置やメディアが上昇する一方で食品・飲料・タバコや消費者・サービスが下落した。
個別ではカジュアル衣料のギャップが高い。前日夕に発表した2~4月期決算は減収減益だったが、低価格衣料品店「オールドネイビー」の日本撤退を含む75店舗を閉鎖する計画を示し、経営合理化が進むとの期待から買いが優勢だった。
電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)は約15億ドルの資金調達に成功し、上昇。ガスパイプライン大手のキンダー・モルガン(KMI)はカナダでのパイプライン拡張計画を発表し、堅調推移。半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)は決算内容が好感され、大幅上昇。
AMATの決算を受け、半導体のマイクロン・テクノロジーも大幅高。化学のデュポンやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、IBMなどが買われた。
一方で、農機メーカーのディアが安い。取引開始前に発表した2~4月期決算が減収減益となり、あわせて示した売上高見通しが市場の予想を下回ったのを嫌気した売りが膨らんだ。
四半期決算で売上高が市場の期待に届かなかったスポーツ用品・衣料小売りのフットロッカーが下げた。一部報道で分離を検討している中核事業の売却額が想定より低くなる可能性があると伝わった米ヤフーも下落したほか、米マクドナルドやスポーツ用品のナイキが売られた。
今週の米株式相場は神経質な展開か。市場ではイエレン議長をはじめ米連邦準備理事会(FRB)高官の講演に関心が集まりそう
NYダウ工業株30種(ドル)
17,500.94 +65.54
S&P500種
2,052.32 +12.28
ナスダック
4,769.558 +57.025
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比130円高の1万6725円で引けた。20日の大取終値を15円下回った。欧州とアジアの株高を受け、米株とともに買われた。早期利上げへの警戒感が根強いなか、週末を控えて低調な取引になった。この日の6月物高値は1万6810円、安値は1万6545円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
16725 ( -15 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
16740 ( 0 )
( )は大阪取引所終値比
【16日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6156.32(+102.97)
ロンドン株式相場は大幅反発。FTSE100種総合株価指数は前日終値に比べ102.97ポイント高の6156.32で引けた。指数に占める割合の多い資源株を中心に幅広い銘柄が買われ、ほぼ全面高で引けた。前日に欧州株が軒並み下落したこともあり、週末を控えた買い戻しも入ったようだ。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 9916.02(+120.13)
フランクフルト株式相場は大幅反発し、全面高で引けた。ドイツ株式指数(DAX)の終値は前日比120.13ポイント(1.23%)高の9916.02だった。欧州株全体が上昇した。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4353.90(+71.36)