【オープニングコメント】
20日の東京株式市場は、米株安の流れを受けて利食いが先行しようが、その後は政策期待を背景に底堅い相場展開になろう。
シカゴ225先物は円建てが大証日中終値と比べて45円安の1万6595円取引を終えている。同水準にさや寄せされるだろう。
日経平均予想レンジは、1万6500円-1万6800円を想定する。
政策期待は引き続き一定の支えになり、日経平均の16500円レベルはサポートとして意識されると考える。
ただし、為替相場は、ドル・円が1ドル=109円台の後半とやや円高に振れている。
週末要因も重なり、主力の輸出関連銘柄は軟調な展開となることが想定される。
また、21日まで仙台で開催されるG7(先進7カ国)財務相・中央銀行総裁会議での討議内容を見極めたいとして、模様眺めムードが広がる可能性もありそう。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1220万株、買い1300万株で、差し引き80万株の買い越し。買い越しは3営業日連続。金額も買い越し。
売りセクターに、REIT、化学、機械、自動車、銀行、その他金融、不動産、保険など。買いセクターに、薬品、電機、機械、銀行、情報通信、保険など。
【注目の好材料株】
■ウェルネット <2428>
6月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施する。最低投資金額は現在の2分の1に低下する。
■カヤック <3904>
6月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施する。最低投資金額は現在の2分の1に低下する。
■イード <6038>
ソニーミュージックエンタテインメント(SME)と資本業務提携。デジタルコンテンツマーケティング事業で連携を図る。資本面ではSMEが同社の発行済み株式の2%~5%未満を取得する。
【予定】
20(金)
【国内】
G7財務相・中央銀行総裁会議(仙台、~21日)
《決算発表》
損保JPNK、MS&AD、光通信、東京海上、イチケン、鶴見製、ビルト工、東北新社、ミューチュアル、ラサールロジ、インテアHD、フライトHD、TYK、フリージアマク、ヨシタケ、アジア開発、サハダイヤ、テクノセブン、地盤ネットH、桂川電、東芝テック
【海外】
米4月中古住宅販売件数(23:00)
休場:タイ
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】NYダウ続落し91ドル安 2カ月ぶり安値、米利上げ警戒で売り優勢

【NY概況】
19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落した。終値は前日比91ドル22セント安の1万7435ドル40セントと、3月16日以来およそ2カ月ぶりの安値を付けた。
前日に続いて米連邦準備理事会(FRB)による早期の利上げ懸念からアジア・欧州株がほぼ全面安となり、米国株にも売りが広がった。
新規の取引材料に乏しいなか、市場の関心は引き続きFRBの追加利上げに向かった。NY連銀のダドリー総裁は19日、6月か7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切る可能性に言及した。
市場が想定する時期よりも前倒しで追加利上げを決定する可能性が改めて意識された。
発言を受け、ダウ平均は下げ幅を一時195ドルまで拡大した。採用銘柄ではゴールドマン・サックスやボーイング、IBMの下げが目立った。
売りが一巡すると、米株式相場は取引終了にかけて下げ渋った。
四半期決算が市場予想を上回った米小売り最大手のウォルマート・ストアーズの上昇率は9%を超え、ネットワーク機器のシスコシステムズも買われ、ダウ平均を支えた。
ナスダック総合株価指数は反落し、終値は同26.586ポイント安の4712.533ポイントだった。グーグルの持ち株会社アルファベットなど時価総額の大きいハイテク株の一角やバイオ製薬株が軒並み下落したのが指数を押し下げた。多くの機関投資家が運用の参考指標とするS&P500種株価指数は続落し、昨年末の水準を下回った。
セクター別では、食品・生活必需品小売や公益事業が上昇する一方で自動車・自動車部品や資本財が下落した。
自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は燃費誤表示を巡る販売停止について、スポーツ多目的車(SUV)所有者13万人への補償計画が報じられ、売られた。
自動車部品チェーンのアドバンス・オート・パーツが安い。市場予想を下回った決算を嫌気した売りが出た。建機のキャタピラーや米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズも下げた。
一方で、スポーツ用品販売のディックス・スポーティング・グッズは予想を上回る決算が買い材料視されて上げた。
ネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(CSCO)は決算内容が好感され、上昇。小売最大手のウォルマート(WMT)は減益ながら予想を上回る決算を発表し、大幅上昇。種子メーカーのモンサント(MON)はドイツの化学大手バイエルから買収提案を受け、堅調推移した。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,435.40 -91.22
S&P500種
2,040.04 -7.59
ナスダック
4,712.533 -26.586
【シカゴ日本株先物概況】
シカオ日経平均先物は反落した。6月物は前日比120円安の1万6595円で終え、同日の大阪取引所の終値を45円下回った。NY連銀のダドリー総裁が6月か7月に利上げする可能性を示唆するなど早期の米利上げへの警戒感から米株式相場が下げ、日本株先物にも売りが及んだ。外国為替市場での円安・ドル高の勢いが一服したのも相場の重荷となった。この日の6月物の安値は1万6485円、高値は1万6845円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
16595 ( -45 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
16610 ( -30 )
( )は大阪取引所終値比
【16日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6053.35(-112.45)
ロンドン株式相場は続落。FTSE100種総合株価指数は前日終値に比べ112.45ポイント(1.82%)安の6053.35と3月10日以来の安値で引けた。資源株を中心に構成銘柄の約9割が下落した。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 9795.89(-147.34)
フランクフルト株式相場は反落。ドイツ株式指数(DAX)の終値は前日比147.34ポイント(1.48%)安の9795.89と4月12日以来の安値だった。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4282.54(-36.76)