
【大引け概況】
16日、大引けの日経平均株価は前週末比54円19銭高の1万6466円40銭と反発した。
朝方売り買い交錯で始まった後、外国為替市場で円安・ドル高に振れて輸出企業の採算悪化の懸念が和らいだ。また、政府による政策期待などを背景に徐々に買い戻しが優勢となり、日経平均は一時220円高に買われる場面があった。
14日付の日本経済新聞朝刊が「安倍晋三首相は13日、2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを再び延期する方針を固めた」と報じた。
消費増税による景気悪化懸念は根強かっただけに、景気に配慮した政策への思惑が広がり売り方の買い戻しを誘った。今月末に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を迎えて大胆な財政政策に期待する声も多い。
しかし、その後は買いが続かず1万6,600円近辺は上値が重かった。
後場後半は再び売り物に押され気味で、日経平均は伸び悩む展開に。個別では決算発表に絡み明暗を分ける動きが続いている。
また、需給先行の中小型材料株物色は盛んだったが、一部の銘柄には高値波乱となるものもみられた。東証1部の売買代金は2兆円を下回るなど市場エネルギーは盛り上がりを欠いた。
JPX日経インデックス400も反発した。終値は前日比33.63ポイント高の1万1961.84だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、1.46ポイント高の1321.65で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆9332億円だった。売買高は19億5208万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は742と全体の38%にとどまった。値下がりは1099、変わらずは109銘柄だった。
個別では、トヨタやファナックが上昇した。前週末に決算を発表した日立や資生堂が上げた。包括提携が伝わったパナソニックとダイキンが上昇した。前週末に自社株買いを発表した住友電が大幅高だった。日東電工も堅調。自社株買いを材料に太平電業がストップ高となったほか、enishも一時値幅制限いっぱいに買われた。黒田電気も値を飛ばしている。
一方、ソニーやブリヂストンが下落した。武田や小野薬が下げた。前週末に16年12月期の業績見通しを引き下げ東洋ゴムが大幅安だった。ネクシィーズグループが乱高下、一時ストップ高に買われる人気となった後、後場後半に利益確定売りが集中して結局ストップ安で引けた。ペプチドリームも安く、新日本科学は値幅制限下限まで売り込まれた。日本曹達も大幅下落となった。
東証2部株価指数は続伸した。大引けの2部指数は、前週末比18.17ポイント高の4340.28となった。個別銘柄ではセントラル総、RVH、ぷらっとがストップ高。タカトリ、松尾電機、アートSHDや朝日インテク、スリープロ、日鍛バルが上昇した。一方、まんだらけ、ダイヤモンド電機がストップ安。パルステック、ソマール、トレックスセミ、川澄化工、ラオックスやシステムソフが下落した。
【指標一覧】
終値 |
|
|
日経平均 |
16,466.40 |
54.19 |
日経平均先物 |
16,520.00 |
180.00 |
TOPIX |
1,321.65 |
1.46 |
TOPIX先物 |
1,326.00 |
13.00 |
東証2部指数 |
4,340.28 |
18.17 |
JASDAQ |
2,507.93 |
-17.48 |
マザーズ |
1,125.37 |
-81.65 |
出来高 |
|
|
東証1部 |
1952080 |
1933219 |
東証2部 |
98680 |
31640 |
【市況】ジャスダック平均株価は続落、フォーサイドがストップ安
ジャスダック市場(大引け)=
日経ジャスダック平均株価は小幅に続落した。終値は前週末比17円48銭安の2507円93銭だった。ジャスダック市場の売買代金は概算で837億円、売買高は1億3066万株だった。
マザーズ上場のバイオ関連株が急落し、ジャスダック銘柄にも売りが優勢になった。個別銘柄ではフォーサイドがストップ安。ドーン、アイサンテク、nms、フジタコーポ、アクモスは一時ストップ安と急落し、エフアンドエム、国際計測、イナリサーチ、ミナトHDが下落した。
半面、アルファクスFS、新報国鉄、大崎エンジ、テインがストップ高。チエル、ウィザス、日本コンセプト、システム ディ、アスコット、FVCなどが上昇した。
【市況】東証マザーズ指数は反落、バイオ関連株が急落

東証マザーズ指数が急反落した。終値は前週末比81.65ポイント安い1125.37と4月18日以来、約1カ月ぶりの安値を付けた。下落率は2月12日以来約3カ月ぶりの大きさとなった。そーせいが13日に今期の業績を発表したのをきっかけに、利益確定の売りが膨らみ15%安と急落した。他のバイオ関連株にも売りが広がった。
個別銘柄ではグリンペプ、ブランジスタ、AMBIT、中村超硬、ALBERT、ロックオンなどがストップ安。
IoT(モノのインターネット化)関連のJIGSAWは、2016年1~3月期の収益水準が、単独決算だった前年同期を下回り、売りが膨らんで日中は取引が成立しなかった。
ジェネパ、ソフトMAX、AppBank、インベスターズC、サンワカンパニーも売られた。
一方、アライドアーキ、メドピア、フェニックスバイオがストップ高。グラン、アークン、アカツキ、アクトコール、Trendsは一時ストップ高と値を飛ばし、オークファン、じげんなどが買われた。