<兜町カタリスト>
「消費増税延期が本当なら・・・」
週末のNYダウは185ドル安の17535ドルと3日ぶりの反落。
S&P500、NASDQは続落した。
週間ベースではNYダウが1.2%、S&P500が0.5%下落し3週続落。
NASDAQは0.4%の下落で4週続落。
週末の下落の背景は原油先物価格の下落。
アメリカの石油掘削リグは318基となる09年10月以来の低水準となったが。
でも中小のエネルギー関連企業の倒産は相次いでいる。
小売り売上高は前月比1.3%増と昨年3月以来の大幅なプラス。
市場予想も上回った。
しかしノードストロームやJCペニー株は下落。
一方でアマゾンが堅調展開。
百貨店など伝統的な小売業界はネット通販の攻勢に負けた構図となった。
小売売上高の伸びを受けて「FRB内のタカ派が再び勢いを増す可能性がある」という声も聞かれる。
所詮猫の目のように変わる市場解釈の一環なのだろう。
そもそも小売売上高に注目といいながら良い数字で着地しても株安という流れ。
経済指標は所詮通過するだけにしか過ぎないのだろう。
米大統領選で活躍中のドナルド・トランプ候補はエネルギー政策顧問に、
気候変動懐疑論者で知られる下院議員を起用する方向。
この行方は結構エネルギー関連の世論を変化させる可能性があろうか。
NYのリスクオフ心理の傍証は世界株式ファンドからの資金流出。
過去5週間の流出額は440億ドルで2011年8月以降最大となった。
週末の日経平均株価は5日ぶりの続落。
今年のリズムの「SQまで安くSQ後反発」とは少し違ってきた。
SQ値は16845円を一度も上回ることなかった。
225先物の終値が16340円と500円以上の下の水準だからまさに「幻」。
東証が発表した5月第1週(2~6日)の投資部門別株式売買動向。
外国人は2週連続で売り越し、売越額は3142億円。
連休中の2営業日だったにも関わらずその前週の892億円を大きく上回った。
個人は2週連続で買い越し、買越額は2616億円。
信託銀行は3週ぶりに買い越し、買越額は578億円。
シカゴ225先物終値は16390円。
安値は16310円、高値は16815円。
25日移動平均(16530円)を0.71%下回る水準まで下落した。
一目均衡の雲下限が18385円だからここで踏みとどまれるかどうかが課題だろう。
週末時点で3月決算企業の95.2%が決算発表を通過。
今期売上高は1%減見通しながら、経常利益は2.7%増、純利益は13.8%増。
「今期足踏み」という解釈もあるがむしろ「想定ほど悪くない」だろう。
前期に悪いものを詰め込んだ印象は否めず、今期の発射台の低さが際立ってきた。
因みに日経平均株価のPERは13.77倍と14倍割れ。
採用銘柄のEPSは1191円まで上昇した。
加えて土曜の日経朝刊では「首相、消費増税先送り」の見出し。
サミット後の正式表明に期待が出てきた。
今年の最大の悪材料である来年4月の消費増税が延期されれば市場は歓迎する。
金曜の夜に安倍晋三首相。
日銀の黒田東彦総裁や米コロンビア大学ジェラルド・カーチス教授らとニューオータニで会食。
伊勢志摩サミットの準備なのだろうが、変化の兆しと捉えてみたい。
先週の日経平均は週間約305円の上昇。
週足で3週ぶりに陽線となった。
「4月の日銀緩和見送り以降の下げ基調には歯止めがかかった。
4月8日の安値15471円を割り込むことなく切り返し。
2月12日の15000円割れをボトムとした戻り基調は崩れていない」との声も聞かれる。
今週の課題は18日発表の1~3月GDP速報値。
市場予想は実質0.3%増だがうるう年を考慮すればマイナスになる数字。
GDPは消費増税を延期するかどうかの判断材料の一つ。
良ければ増税、悪ければ増税延期。
変形バージョンの前門の狼、後門の虎だろうか。
もっとも消費増税は延期ならば株高、実施ならば株安のシナリオ。
ニューオータニでのアベクロ会談の中身に期待したい気分は大きい。
気になるのは週末の仙台でのG7。
オバマ米政権が一段のドル高警戒を示し始めたとの観測。
背景は「米国の景気対策、大統領選、TPPの承認に向けた議会対策」。
G7に出席するルー米財務長官は「日本の円売り介入の思惑を改めてけん制。
「通貨安競争の回避を再確認する」がG7での彼の宿題。
オバマ氏の広島訪問へのお土産が何なのかという疑念も去ってはいない。
週末のセミナーで興味深かったのは「2・5・8の法則」。
チャートオンリーでシステム売買をする方からの指摘。
「2・5・8はフィボナッチの数だから理に叶っている」。
1・4・7がなくて3・6・9でもないのは気になっていたが・・・。
敬遠していたフィボナッチを知らず知らす使っていたことになる。
無知と言うかなんというか・・・。
NYダウは185ル安の17535ドルと3日ぶりの反落。
NASDAQは19ポイント安の4717ポイント続落。
S&P500は17ポイント安の2046ポイント。
ダウ輸送株指数は92ポイント安の7507ポイント。
3市場の売買高は約66億株。
CME円建ては大証比50円高の16390円。
ドル建ては大証比75ポイント高の16415ポイント。
ドル円は108.60円。
10年国債利回りは1.702%と低下。
非公式外資系動向は売り1060万株/買い790万株。
金額ベースは62億円の売り買い越し(6日ぶりの売り越し)。
売りは電機・銀行・ゴム・鉄鋼セクターなど。
買いは小売・通信・陸運・建設・その他製品・不動産セクターなど。
売買交錯は自動車セクターなど。
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PCI(3918)・・・動兆
PCIHDに注目する。
同社は自動車・家電など組み込みソフトが中核。
V-LOW放送に期待感が高い。
業績は好調。
今9月期は増収増益見通し。
(兜町カタリスト櫻井)