<兜町カタリスト>
「今年初の5連騰に期待」
MMCとトクヤマの買い気配、SUMCOの売り気配があって推定SQ値発表まで時間がかかる。
いつもはファーストリテが邪魔していたのだが・・・。
NYダウは9ドル高の17720ドルと小幅反発。
NASDAQは4日ぶりの反落。
S&P500は小動きだった。
相場の足を引っ張ったのはアップルで2014年以来初めて90ドルを下回った。
同社に部品を供給する台湾のサプライヤーの下期の受注状況が昨年水準を下回る見通し。
これが伝えられたことを悪材料視。
秋に発表される予定の新アイフォンに対する期待が薄くなった。
百貨店のコールズが大幅安で依然として小売りセクターは軟調。
S&P500はここ2週間ほど上昇パワーが弱まった印象。
市場から聞こえてくる声。
「株の売り方も買い方もトレンドに確信を持ったトレードをしていない」。
WTI原油先物は一時バレル47ドルと半年ぶりの高値まで上昇。
黒田日銀総裁と親しいとされる米コロンビア大学の伊藤隆敏教授のコメント。
「日銀が6月か7月の金融政策決定会合で追加緩和を行う可能性」を指摘。
ドル円は一時109.39円まで売られた。
国連は「世界の経済状況と展望2016」を発表。
今年の世界経済の成長率予想を12月時点の2.9%から2.4%に下方修正した。
特にアフリカや旧ソビエト連邦諸国、ブラジルなどの下振れが要因としている。
「先進国の需要低迷や商品価格安、財政、経常収支の不均衡拡大などが成長の足かせ」との指摘。
運用対象としてのNYと言う姿勢はまだ続く可能性があろうか。
日経平均は骨のない動き。
水曜は一時250円近く上昇し大引けは13円高と失速。
昨日は200円以上下落し大引けは67円高の16646円と強い動き。
連休前の4月28日終値16666円というオーメンみたいだった数字にあと20円まで戻してきた。
「連休明け4日続伸と全勝ペース。
ただ強いのか弱いのかつかみどころのない地合い」という声も聞かれる。
昨日の市場では日経平均のEPSの上昇が話題になった。
火曜1098円→水曜1154円→木曜1140円。
昨日までに3月決算企業の65%が決算を通過。
今期売上高は前期比1%減ながら経常利益は2.2%増、純利益は12.7%増。
今期経常利益は前日ベースは0.3%減だったからプラ転。
意外と頑強な推移だ。
松井証券信用評価損益率は売り方マイナス9.324%、買い方8.345%と逆転。
空売り比率は39.1%と3日ぶりに40%を割れ込んだ。
25日移動平均(16518円)と75日移動平均(16617円)を両方上回った。
これは4月19日以来のこと。
シカゴ225先物終値は16635円。
安値の16360円はほとんど無視しても良いような水準に映る。
高値の19790円を抜けるかどうかが課題だろう。
13日の金曜日はオプションSQ。
2月3月4月とSQ前に下落。
SQでほぼ安値をつけその後月末にかけて株価上昇の展開が続いてきた。
今月はやや様相が異なっている。
SQ通過で春休みの部室みたいな雰囲気になるのかどうかが気にかかる。
ただマインドとしては「今年初の5連騰」に期待したいところ。
日経では「経常黒字5年ぶり高水準」の見出し。
財務省は15年度の国際収支速報を発表。
経常収支は17兆9752億円の黒字だった。
黒字額は前年度から倍増。
年度末に東日本大震災が起きた10年度(18.2兆円)以来の水準に戻ったことになる。
背景は原油安と企業の海外展開、訪日客の増加の3つ。
モノの貿易で稼いできた日本経済は投資やサービスで稼ぐ格好になったきたとの指摘。
日本企業が海外から受け取る配当を含む第一次所得は20.5兆円。
これは1985年度以降で最大となった。
自動車や薬品メーカーの特許料や著作権料も増加しているという。
加えてインバウンド効果の旅行収支は1.2兆円の黒字。
今後は原油安や円安の一服で悪化する見通しが嫌気されるが、去年は悪くなかった。
日経マーケット面では「原油上昇、乗れぬ日本株」の見出し。
世界の主要株式市場では原油高→株高。
背景は投資家のリスク先行姿勢の高まり。
だが日本では原油価格と株価の連動性が薄れている。
「原油高の背景にドル安があり、ドル安の裏返しで進む円高が嫌気される」のも一つの理由。
これは首肯できる。
「原油輸入国の日本は原油高が悪い物価上昇につながる」との分析もある。
これは当たり前のこと。
「投資家は円高や原材料高による収益圧迫を懸念」というもっともらしい声もある。
ここでは円高が悪役になっているが、円安原油高になったらさらに原材料価格は上昇する。
どう考えてもそうなる。
円高と原材料高のどちらがイヤなのかを明確にする必要があろう。
原油安の時に「原油安だから日本株も株安」と言った声は今どうなったのだろうか。
理路整然と間違った解釈がまかり通るから刹那的な解説に流される傾向があるマーケット。
原油が下がればこの国は喜べるという当たり前のことを忘れた市場関係者がどれほど多かったことか。
「財政終始を健全化しなければ国債の格下げにつながるから消費税を上げなくては」。
という愚かしい声と一緒のような気がする。
もしも150円以上の円安になったとき。
「為替は円安でなくてはならない」という市場の常識論が通じるのかどうか。
見てみたい気がする。
市場関係者の常識がしばしば一般社会の非常識であることは今更指摘するまでもない。
活字や映像が理路整然と間違える典型でもあろうか。
連休前の企業研究会でウェブアルゴスのデモを見てびっくりしたDIT(3916)。
昨日今6月期業績の上方修正と増配を発表した。
売上88億→93億、経常利益4.43億→5.43億。
前期配当20円→今期配当24円。
「金融系業務システム開発案件および車載機器組込開発・検証案件の受注が好調に推移。
自社商品につきましても代理店数増・業務提携推進等の施策により売上高が堅調に推移」。
2月29日の日刊ゲンダイでの「倍返し株はコレだ」。
「まずは初値4500円奪還から高値7200円挑戦のステージに上がると見る」。
当時2000円水準だったから約2か月半でダブルバーガーとなった。
昨日のランチは虎ノ門の「いきなりステーキ」。
300グラムのワイルドステーキが1350円。
立ち食いステーキは確かに常識を打ち破った印象だった。
時間の節約にはいいらしく近隣のサラリーマンとOLで大繁盛の様子。
アメリカンビーフは結構美味だったしディナーメニューのヒレステーキにも惹かれる。
調べてみたらこの「いきなりステーキ」はペッパーフードサービス(3053)の傘下。
4月28日に今12月期第2四半期と通期の単体業績予想を上方修正。
第1四半期の営業利益は前年同期比88.9%増の1.99億円で着地。
第2四半期営業利益を2.28億円(前年同期比8.7%増)→3.99億円(同90.2%増)。
通期営業利益を7.66億円(前期比0.6%増)→9.37億円(同23.1%増)。
12年11月から16年3月まで41カ月連続で既存店売上高が前年同月比を上回った。
「いきなり! ステーキ業態」の売上も好調に推移。
立ち食い店のマイレージ会員は20万人突破、アプリ登録数も7万人を超えたという。
<MSCI定期銘柄見直しについて(速報版)>
◎ 日本銘柄ではスタートトゥ(3092)、ツルハHD(3391)、ポーラHD(4927)、
サイバダイン(7779マザーズ)、サンドラッグ(9989)の5銘柄が新規採用
◎CTC(4739)、シチズンHD(7762)、サンリオ(8136)、
群馬銀(8334)、ほくほくFG(8377)の5銘柄が除外
◎5月31日の引け値段階で指数反映
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キャンバス(4575)・・・動兆
キャンバスに注目する。
同社は抗がん剤開発が中核。
静岡県産業振興財団と共同研究契約。
米提携先同社から導入した抗がん剤候補化合物CBS9106の臨床第1相試験を開始。
(兜町カタリスト櫻井)