05月12日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
12日の東京株式市場は、軟調な展開となりそう。
欧州株はまちまちで米国株は下落。ダウ平均は企業決算の軟調が嫌気され217ドル安と、前日の上昇分(222ドル高)をほぼ失った。
11日の米シカゴ市場日経平均先物の円建て清算値(1万6430円:大取所終値比150円安)にサヤ寄せする動きが先行するとみられる。
日経平均株価予想レンジは、1万6300円-1万6600円を想定する。
きのう決算を発表したトヨタがADRでは5%を超える大幅下落となっており、買い材料には乏しい。同社株の動きに注目が集まりそうだ。
一方、原油価格は上昇するなど海外市場はリスクオフ一色というほどではなく、日経平均は今週に入ってからは戻り基調にあることなどから、押し目では買いが入ると考える。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1010万株、買い620万株で、差し引き390万株の売り越し。売り越しは4営業日ぶり。金額は買い越し。
売りセクターに、機械、保険、自動車、不動産、食品、電子機器、紙パなど。買いセクターに、電機、通信、金属、化学、不動産、その他製品、紙パ、陸運など。
【注目の好材料銘柄】
■ディアライフ <3245>
東京都大田区に宿泊対応型マンション開発用地取得を取得。また、オンライン旅行事業を手掛けるエボラブルアジア <6191>と業務提携。民泊市場の拡大を睨み、航空券と宿泊施設のパッケージ提供などを行う。
■KLab <3656>
ブロッコリー <2706>とスマートフォン向けリズムアクションゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」を共同開発する。
■UACJ <5741>
前期経常が上振れ着地・今期は67%増益へ。
■日本エム・ディ・エム <7600>
人口股関節新製品「Alpine セメンテッドヒップステム」の薬事承認を取得。6月から販売を開始する。
■新生銀行 <8303>
発行済み株式数(自社株を除く)の3.76%にあたる1億株(金額で100億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は5月12日から17年5月11日まで。
■カーチスホールディングス <7602>
発行済み株式数(自社株を除く)の5.23%にあたる120万株(金額で5億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は5月12日から9月23日まで。
■ブロッコリー <2706>
KLab <3656> とスマートフォン向けリズムアクションゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」を共同開発する。
■BBタワー <3776>
今期経常を53%上方修正。
【予定】
12(木)
【国内】
3月国際収支(8:50)
4月都心オフィス空室率(11:00)
4月27・28日開催の日銀金融政策決定会合「主な意見」
4月景気ウォッチャー調査
30年国債入札
《決算発表》
国際帝石、大林組、ピーエス三菱、五洋建設、日揮、博報堂DY、マツモトキヨシ、すかいらーく、SUMCO、オルトプラス、ホットリンク、科研製薬、JCRファーマ、沢井製薬、第一三共、楽天、コニカミノルタ、星光PMC、住阪セメ、住友金属鉱山、ソディック、日機装、THK、カルソニックカンセイ、メニコン、AOKI、H2Oリテイル、丸井、三井住友トラスト、アイフル、住友不動産、西武HD、ミスミGなど
【海外】
ユーロ圏3月鉱工業生産(18:00)
BOE金融政策委員会(金利発表、20:00)
インド4月消費者物価指数(21:00)
米4月輸入物価(21:30)
米30年国債入札
《決算発表》
ラルフローレン、シマンテック、コールズ、クレディ・アグリコル
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】NYダウは217ドル安、軟調な企業決算を嫌気

【NY概況】
11日のNYダウ平均は大幅に反落し、前日比217ドル23セント安の1万7711ドル12セントで終えた。
個人消費関連株を中心に売りが広がった。ダウ平均は午後にかけて下げ幅を広げ、この日の安値圏で終えた。
ディズニーが前日夕に発表した決算は増収増益だったが、1株利益が市場予想に届かず株価は4%下落。
決算と同時に17年1月期通期の収益見通しを引き下げたメーシーズのほか、17年1月期通期の1株利益見通しが市場予想を下回った腕時計やハンドバッグなど革製品を扱うフォッシルが急落した。
米個人消費の先行き不透明感が意識され、スポーツ用品のナイキやディスカウントストアのウォルマート・ストアーズなど小売関連株全般に売りが広がった。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、同49.192ポイント安の4760.688で終えた。
セクター別では、公益事業やエネルギーが上昇する一方で耐久消費財・アパレルや不動産が下落した
事務用品小売のステープルズ(SPLS)と同業オフィス・デポは、FTC(連邦取引委員会)が独禁法に抵触するとの判断を示し、合併計画を撤回したことで両社とも大幅下落。決算が市場予想を上回ったハンバーガーチェーンのウェンディーズは買いが先行したが、相場全体の下げにつれて利益確定目的の売りに押された。
S&P500種株価指数の構成銘柄への採用が決まったアラスカ航空の親会社であるアラスカ・エア・グループも下げた。
一方、ネット小売のアマゾン(AMZN)は1-3月期決算が過去最高益を更新し、一部アナリストが目標株価を1000ドルに引き上げた。グーグルの「Youtube」に類似した動画共有サービスの提供を開始したことなども好感され、決算発表以降、株価は連日の最高値更新となっている。電気自動車(EV)のテスラ・モーターズは買われた。ダウ平均の構成銘柄ではマイクロソフトのみが上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,711.12 -217.23
S&P500種
2,064.46
ナスダック
4,760.688 -49.192
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は5営業日ぶりに反落した。6月物は前日比350円安の1万6430円で引け、前夜の大取終値を150円下回った。円相場の反発と米株安を嫌気した。6月物はこの日の午後に入り、一時1万6420円まで下げた。この日の6月物高値は1万6820円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
16430 ( -150 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
16450 ( -130 )
( )は大阪取引所終値比
【11日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6162.49(+5.84)
フランス・パリ株価指数
CAC40 4316.67(-21.54)
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 9975.32(-70.12)