05月10日 相場概況(前引け)

【前引け概況】
10日午前の日経平均株価は大幅続伸、前日比243円89銭高の1万6459円92銭で前場を終えた。外国為替市場で円相場が108円台後半まで円安・ドル高に振れ、採算悪化懸念が後退した自動車など輸出関連株を中心に買いが広がった。
朝高後はやや上値が重くなったが、10時半に中国が発表した4月の工業生産者出荷価格指数(PPI)は前年同月比3.4%減と、市場予想の3.8%減を上回る内容だった。
これを受けて、中国景気後退を背景に売りが先行していた鉄鋼株が上げに転じた。非鉄株や建機株も下げ幅を縮小し、投資家の心理が改善した。
企業の3月決算発表が佳境となるなかで、今期業績見通しの好調な銘柄を中心に物色資金が集まっている。個別では固有の好材料発表に反応する買いも目立ち、物色意欲の高まりを反映している。前場の売買代金は1兆円を上回るなどやや増勢傾向にある。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆822億円、売買高は11億1282万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1626と、全体の約83%を占めた。値下がりは245、変わらずは78銘柄だった。
個別ではトヨタ自動車が堅調、ソフトバンクグループ、ソニーも買いが先行している。投薬新技術で治験を始めると伝わった日東電は大幅高。電機の三菱電とパナソニックが上がり、保険の東京海上とMS&ADの上げも大きかった。ネクシィーズグループ、イーレックスが急騰、イーブックイニシアティブジャパン、スターティアは値幅制限いっぱいに買われた。
一方、今期予想を減益に修正したホトニクスは大幅安。日立と三菱重、住友商の下げも目立った。サンケン電気が急落、浜松ホトニクス、ユナイテッドアローズの下げも目立つ。
東証2部株価指数は続伸した。前引けの2部指数は、前日比15.17ポイント高の4314.13となった。
個別銘柄では、ワールドHDや日本エスコン、スリープロ、ぷらっと、NVCが買われた。半面、フォーシーズが一時ストップ安。ヨシックス、PALTEK、アジア航測、システムソフとアートSHDが下げた。
【市況】日経ジャスダック平均は続伸。シンワアートなどがストップ高

日経ジャスダック平均株価は続伸した。前引けは前日比13円61銭高の2506円94銭だった。新興市場でも運用リスクを取る動きが強まった。
ジャスダック市場の売買代金は概算で278億円、売買高は7285万株。
全国の小・中・高校に無線LANを導入する方針と伝わり、前日急騰したチエルに引き続き買いが集まった。個別銘柄ではシンワアート、アスコット、NICがストップ高。
9日の取引終了後、2016年9月期の業績見通しを上方修正したエスケーエレも買われた。DIT、ハンズマン、ジェイテックも買われた。
半面、16年1~3月期の業績が振るわなかったカルナバイオが売られた。アルファクスFS、YKT、メディアGL、テリロジーなどが売られた。
【市況】マザーズ指数は反落、Hameeなどが売られる

東証マザーズ指数は反落した。個別銘柄ではアクトコール、Hamee、ソフトMAX、アクセルMや指数への影響度が大きいそーせいのほか、グリーンペプなどのバイオ関連株の下げが目立った。一方、PCNET、リアルワールドがストップ高。16年1~3月期の業績が好調だった日本アクアが上昇したほか、ダブルスタンダード、フュートレック、ロックオン、りたりこなどに買いが集まった。