<兜町カタリスト>
「甘言に膨らんだ風船がしぼんだだけのこと」
東京休場中のNYダウは2日117ドル高、3日140ドル安、4日99ドル安、5日9ドル高。
先週末の17773ドル→17660ドルと110ドル余りの下落となった。
同様にNASDAQは58ポイント、S&P500は14ポイントの下落。
ドル円は一時105円台まで約1年半ぶりの円高トレンドとなったが直近は107円台。
「海外は微妙な状況。3連休中にひどい状態でなかったことはホッとするところ」という声が聞かれる。
今夜発表の米雇用統計を待つ姿勢も見られる。
昨日発表されたADP雇用レポートは民間部門雇用数が15.6万人増と3年ぶりの小幅増で着地。
雇用統計は非農業部門雇用者数が20.2万人増と予測されている。
雇用統計通過後はトランプ氏の大統領候補の可能性や英国のEU離脱問題、
ギリシャの財政健全化計画など地雷は多く、どこで薄氷を踏むかは微妙な状況。
3市場の売買高は約73億株と通常ペースだった。
安倍晋三首相はロンドンで記者会見。
「伊勢志摩サミットでは必要に応じて為替についても議論されることになるのではないか。
為替市場については急激で投機的な動きが見られている」とコメント。
3日には麻生財務相がフランクフルト。
「投機的かつ急激な円高を懸念しており、必要なら対応する」とコメント。
円高トレンドについての懸念を示しており多少の決意は感じられたのか円高トレンドは小休止。
それでも107円台だから東京株式市場にとって優しくない状況は継続。
シカゴ225先物は16045円で3連休前の大証先物比95円安。
とりあえずGW後半戦はネガティブサプライズはなかった格好。
あとは米雇用統計を待ち、米利上げの姿勢を探る展開になろうか。
日経平均株価は25移動平均(16595円)からマイナス2.7%のかい離。
騰落レシオは88.98%。
松井証券信用評価損益率は売り方マイナス4.645%、買い方マイナス11.615%。
大きく売り方優勢に変化した
指数は軟調展開が継続しているが、中小型銘柄や新興市場株は個別に物色。
バイオやIoT関連、ゲームなど「森ではなく木を見る」が必要となろう。
今回の急落の背景はGWというスケジュールに乗じた格好で日銀の追加緩和期待という
悪魔のささやきのような途方もない甘言に膨らんだ風船がしぼんだだけのこと。
4月の安値を切っていないところを見るとこの剥落も一過性のもの。
大きく震えることもないだろう。
アノマリー的には6日反発、9日下落となっている。
今月は「ニッポン一億総活躍プラン」の骨格が発表される。
日本再興計画に昨年失望感が漂ったのは記憶に新しいところ。
今回はどうだろうか。
「一億総活躍」のポイントは「少子・高齢化による労働力人口の減少で、日本経済の成長力喪失阻止」。
(1)高齢者の継続雇用や定年延長策
(2)待機児童問題の解消
(3)長時間労働の是正
(4)非正規雇用の待遇改善
社会的要請も背景に感じられるが、選挙的要素が多いような気がする。
どうもマーケット的インパクトには欠けそうな気配。
むしろGDP600兆円計画に期待だろうか。
というか、いっそのこと「マーケット総活躍プラン」でも発表してほしいところ。
GWの225(2001年以降)の推移。
↓
☆GW前からGW後に上昇(9回)
01年、03年、05年、06年、07年、08年、09年、11年、13年。
★GW前からGW後に株価下落
02年、04年、10年、12年、14年、15年。
☆GW後に上昇、その後1カ月上昇(5回)
03年、05年、07年、08年、09年。
★GW後に上昇、その1カ月後下落(4回)。
01年、06年、11年、13年。
☆GW後に下落、その1カ月後上昇(3回)。
02年、14年、15年。
★GW後に下落、その後1カ月後下落(3回)。
04年、10年、12年。
特にトレンドはないが、この2年はGW後に下落、その1カ月後上昇のトレンド。
今年も14年、15年タイプとすればGW後の下落→上昇。
特に「5月17日下げ止まり上昇」は覚えておきたいところだろうか。
4月 3220万株買い越し 買い11日,売り9日
3月 230万株買い越し 買い9日,売り13日
2月 9220万株売り越し 買い7日,売り13日
1月 4740万株売り越し 買い4日,売り15日
2015年 1億1638万株買い越し 買い140日,売り103日
(兜町カタリスト櫻井)