<兜町カタリスト> 「静謐は次の嵐の前触れ」
NYダウは13ドル高の17790ドルと小幅反発。
耐久財受注は前月比プラスだったが
自動車や家電などが市場予想を下回り消費者信頼感も低下。
足もと経済指標は弱い数字が多い。
これを米経済の停滞と見るか、利上げ遠のくと見るかで相場の読みは違ってくる。
自社株買いを好感されたデュポンの上昇でダウはかろうじてプラスとなった印象。
ただNASDAQは5日続落となっており成長株に対する懸念が表現されている。
イーベイの決算は予想を上回ったもののツイッターは市場予想に届かず。
待ちの材料とされていたアップルの第2四半期決算は、
売上高が505.6億ドルと前年同期の580.1億ドルから減少。
予想の519.7億ドルを下回って着地。
iPhoneの販売台数は5120万台。
前年同期の6120万台から減少したが減少は初めて。
予想の約5000万台を上回ったとはいえ、良くない着地。
市場では「アップルの急成長神話は終わった」との声も聞かれる。
明日の朝のNYがどう評価するかが懸念として残る。
ATTの増益が打ち消してくれるかどうかが課題。
特に理由もなく続落して終わった昨日の日経平均株価。
外部材料ではなく、自立反落とでも表現するべきなのだろう。
「やや長い下ヒゲを持つ十字線は典型的な気迷い足」という指摘は絶妙だった。
シカゴ225先物は終値は17485円、為替も111円台で推移。
さすがに今日は3日ぶりの反発期待が漂う。
一目均衡の雲が白くねじれていることも補強材料。
もっとも・・・。
アップルは軟弱な決算。
明日のNYへの懸念があり元気に上値を追う訳にもいかないだろう。
加えてFOMCの結果は明日の早朝。
期待感の高い日銀金融政策決定会合の結果は明日の昼過ぎ。
その後に控える3連休とGW。
このスケジュールで上値を追う期待は薄い。
「明日のランチタイムまであと20時間余りは動けない投資家は多い」
という声も聞かれる。
市場の静謐は次の嵐の前触れでもある。
「先週金曜のヘッドライン勝負系の外資系通信社の配信記事に
市場が振り回されっぱなし」と市場関係者。
25日線のプラスかい離は4.4%まで低下。
騰落レシオは98.7%。
松井証券経由の信用評価損率は売り方マイナス8.3%、
買い方マイナス7.8%と再接近。
空売り比率で36.5%。
30%台が定着してきたことが救いだろうか。
信用買い残が3週連続で減少。
2兆4624億円まで減少してきたことは需給面の好材料。
だたキャノンの9%減益。
そして想定為替レート120円→111円への引き下げを嫌気するかどうか。
これが前場の課題となろうか。
日経では「資源開発、資金枠3兆円」の見出し。
今後5年間で大規模油田や天然ガスの開発を進める資金枠を用意するという
資源分野は投資の急減で数年内の供給不足が懸念。
開発後押しで価格の急反発防ぐ狙い背景だという。
世銀は原油価格の予想をバレル37ドルから41ドルに上方修正。
原油安でウカウカしているといつ油断になるかはわからない。
その意味で備えは必要だろうし、再度資源バブルになる可能性も否定はできない。
不思議な気がするのは特定秘密保護法に関する公務員の身辺審査への拒否の存在。
内閣官房7人、外務省1人、防衛省28人。
対象者は9万6714人だからわずかな数。
それでも拒否というのは理解しがたい。
京急がお台場のグランパシフィックの売却を発表した。
買い手はヒューリック。
昨日日経朝刊でも報道されていたが、売却額600億円程度の観測。
その金額も大きいが京急の譲渡益は発表資料によれば約270億円。
そして売却理由。
「今後大規模投資が予定されている品川駅周辺開発にむけた準備の一環」。
品川拡大に向けての第一歩となるのだろう。
同社はすでに横浜への本社移転も表明している。
となると個人的には・・・。
統合型リゾート(Integrated Resort)は横浜方向が濃厚と読めなくもない
今後の動きが楽しみになってきた。
因みに羽田増便の発着枠は「全日空に傾斜配分」との記事。
羽田ーNY直行便も登場するだろう。
「都心に近い羽田の人気は高く、訪日観光客の増加などで発着枠は足りない」。
今後さらに都心上空ルートの採用などで発着枠はさらに増加の方向。
ここ数年全日空優勢JAL劣勢の展開が続いている。
さらにANAの優勢が続くのだろうか。
いずれにしても羽田ー品川路線を運航している京急にとっては追い風になる。
「相場の行方は神のみぞ知る」とう謙虚で真摯なな姿勢。
あるいは「自分は相場のプロ」と言う自信にあふれ傲慢な姿勢。
どちらが良いのだろうか。
聞く方にしれみれば後者だろうが、話す方にしてみれば前者。
この違いが相場観の違いにもつながる。