<兜町カタリスト> 「4日続伸の権利はあるが」
NYダウは113ドル安の17982ドルと4日ぶりの反落。
S&P500指数もあと1%で昨年5月の最高値に迫る水準まできていた。
過去最高値を前にしての足踏みといったところ。
原油動向よりも決算を気にする傾向になってきたが、5四半期ぶりに増収のアメックスは上昇。
減益のトラベラースや売上高が減少した玩具のマテルなどが下落。
「決算はそこそこアウトパフォームしている。
しかし劇的に下振れした予想を上回っているだけ」という声も聞かれる。
引け後に発表のアルファベット(グーグルの親会社)の第1四半期は17.4%の増収で着地。
背景はモバイル端末の広告の好調。
明日の株価への影響に期待したいところ。
それにしてもS&P500指数採用銘柄の第1四半期予想は7.2%減益、
第2四半期は2.6%減益の見通しながら株価は史上最高値水準。
NY株式は業績動向に神経質に支配されているように見えるが、
実は業績以外のファクターに影響されて動いているということが良くわかる。
来週のFOMCでは利上げなしがコンセンサス。
原油先物価格の堅調やギリシャの財政収支の黒字化などを背景に
10年国債利回りは1.87%水準まで上昇。
リスクオンの傍証ともなろう。
昨日寄り前に書いたのは・・・。
「25日移動平均からプラス5%かい離の17372円程度までの上昇は想定しても良さそう」。
日経平均株価の昨日終値は457円高の17363円。
高値は17381円とほぼその水準まで上昇した。
明けてNY株は反落。
シカゴ225先物終値は大証比175円安の17235円。
大証比はマイナスと見えるが、シカゴ225先物としての終値は昨日と全く一緒。
つまり昨日持ち上げた分の剥落はあろうが、そこから売り崩す動きにはならないとみたい。
安値の17225円割れに注意といったところだろうか。
もっとも「3月14日の終値17233円(ザラバ高値17291円)を上抜いたことで、
相場の風景が一変した」という声も聞かれる。
また「一つ前の谷(2月12日の14865円)を下回ることなく、
一つ前の山(3月14日の17291円を上回ったのは下げ局面が始まってから今回が初めて。
明確な底打ちが示唆された」という指摘もある。
今年の連騰は4日まで。
条件的には4日続伸までは許されている。
ただ17000円台台の定着路線は変わらないものの、さすがに週末は一服というところか。
主力が休憩したときのマザーズに期待したいところ。
先週の個人は3週ぶりの売り越しだったが外国人は3848億円と大幅買い越し。
前々週にわずか326億円の買い越しに転じた数字からはだいぶ飛躍した。
過去3か月売り越しだった外国人、過去3か月買い越しだった個人。
この構図は4月に変化する可能性がある。
もしそうなればオイルマネーの執拗な現物売りが止まった証拠になろう。
日経では「マイナス金利、影響拡大」の見出し。
個人の資金需要が2年ぶりの高水準になったという。
1~3月の個人資金需要DIはマイナス1→プラス9に上昇。
上昇は3四半期ぶり。
プラス9という水準は消費増税の駆け込み需要のあった2014年4月以来。
今回の背景はマイナス金利導入での住宅ローンの急回復。
これはいずれ効いてくるのだろう。
そしてゆうちょ銀は外債や株投資に積極的姿勢に転じた。
リスク資産残高は15年度末で60兆円の目標に達したという。
日本郵政の長門社長のコメント。
「目標額は必然的に増えてくる」。
5月の決算発表時に新たな目標が提示されるというから期待感。
REIT投資も視野に入っており楽しみなこと。
興味深かったのはハウステンボスのロボット王国。
「世界の企業を巻き込んでロボット開発を進める」とHISの澤田社長。
サービス業の生産性の低さや人出不足はロボットが課題を解決してくれるという。
スターウォーズみたいな未来写真が現実のものとなる日は遠くない気がする。
ハウステンボスも企業研究会のターゲットになってきた。
ソニー(6758)が前期連結営業利益を従来予想から300億円下方修正。
前期比4.2倍に回復したがスマホ市場の減速が響いた。
スマホ向けカメラ部品事業で596億円の減損損失計上。
もっとも最終損益は1450億円の黒字(前期1259億円の赤字)。
従来予想を50億円上回ることになる。
そして豊田通商(8015)の前期連結最終損益は440億円の赤字(前期は675億円の黒字)。
従来予想は350億円の黒字だったが16年ぶりの赤字。
背景は資源関連で450億円、関係会社処理で110億円損失。
臭いものは前期に詰め込んでしまえは丸紅や商事、物産だけではないようである。