04月22日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
22日の東京株式は、週末要因もありポジション調整で売り先行の展開が想定される。
ただ、ドル円がそれほど円高に振れてはいないことや、来週の日米中央銀行イベントへの期待感は残ることから、大きな押しにはなりづらいと考える。底堅い動きになると予想する
日経平均株価予想レンジは、1万7100円-1万7400円を想定する。
きのう21日の上昇で、3月中にもみ合いとなっていた上限の水準を上抜けたが、市場では「ここから上を狙うには、新たな材料の後押しが必要」との声も聞かれた。手掛かり材料難のなか、マザーズやジャスダックの銘柄を中心とした小型株物色が続きそうだ。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1250万株、買い550万株で、差し引き700万株の売り越し。売り越しは2営業日連続。金額も売り越し。
売りセクターに、自動車、電機、食品、銀行、電子機器、ゴム、小売、情報通信など。買いセクターに、小売、通信、電機、情報通信、薬品、陸運、不動産、空運など。
【注目の個別銘柄】
■新日本理化 <4406>
前期最終を一転黒字に上方修正。
■サイバーエージェント <4751>
上期経常が13%増益で着地・1-3月期も31%増益。子会社のマイクロアドがソフトバンクグループ <9984> 傘下のソフトバンクと資本業務提携。同社が保有するマイクロアド株式の一部をソフトバンクに譲渡するほか、マイクロアドはソフトバンクを割当先とする第三者割当増資を実施する。異動後の議決権比率はサイバーが68.9%、ソフトバンクが20.0%。業務面ではスマートデバイス向けの新規広告サービスを共同開発する。
■DNAチップ研究所 <2397>
今期最終はトントンに回復へ。
■鶴弥 <5386>
前期経常を74%上方修正、配当も2.5円増額。
■システム情報 <3677>
上期経常を一転17%増益に上方修正、通期も増額、未定だった配当は18円実施。また、22日付で貸借銘柄に選定された。流動性の向上により売買活発化が期待される。
■スペースシャワーネットワーク <4838>
前期経常を2.7倍上方修正。
■免疫生物研究所 <4570>
埼玉医科大学が権利を所有するバイオマーカーを利用した外リンパ瘻(難聴、めまいを発生する病気)の体外診断用キット開発について、コスミックコーポレーションと再実施許諾契約を締結。これにより一時金および販売金額に応じたロイヤリティを受領する。
■データホライゾン <3628>
医薬品・医療機器卸のフォレストホールディングスと業務提携。九州・沖縄でのデータヘルス事業の受注拡大を目指す。
■アプリックスIPホールディングス <3727>
同社開発のIoTソリューションが米アマゾンの人工知能搭載ハンズフリースピーカー「Amazon Echo」に対応。
【予定】
22日(金)
【国内】
4月日経PMI製造業(11:00)
2月第三次産業活動指数(13:30)
《決算発表》
中外薬、富士通ゼ、ジャフコ、モバファク、アクシーズ、ユアテック、サーティワン、ベクター、JIEC、アジュバン、太洋工業、東邦レマック、モーニングスタ
【海外】
ユーロ圏財務相会合(アムステルダム)
EU財務相理事会(アムステルダム、~23日)
仏・独・ユーロ圏4月PMI速報値(16:00~17:00)
米4月製造業PMI(22:45)
《決算発表》
GE、マクドナルド、キャタピラー
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります

【NY概況】
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落した。終値は前日比113ドル75セント安の1万7982ドル52セントだった。
軟調な原油相場を受け、売りが先行した。3月のシカゴ連銀全米活動指数や景気先行指数が予想を下振れたことが嫌気され、下げ幅を拡大した。
欧州中央銀行(ECB)理事会で政策金利が据え置かれたことで、ユーロ高が進むとの懸念から欧州株が弱含む場面もあり、米国株の重しとなった。
1~3月期決算で1株利益が市場予想を下回ったトラベラーズは6%安となった。売上高が市場の期待を下回った通信のベライゾン・コミュニケーションズは3%強下げ、2銘柄だけでダウ平均を59ドル程度押し下げた。
ダウ平均が前日に約9カ月ぶりの高値を更新するなど、株式相場が水準を切り上げる局面で堅調だった通信関連や公益関連株を中心に目先の利益を確定する動きも広がった。相場は午後にかけて下げ幅を広げ、ダウ平均の下げ幅は一時132ドルに達した。
朝方発表された週間の米新規失業保険申請件数は約43年ぶりの水準に減少したが、4月のフィラデルフィア連銀の製造業景況指数はマイナス圏に落ち込んだ。この日発表された米経済指標はまちまちの内容となり、株式相場の反応は目立たなかった。
ナスダック総合株価指数は反落し、同2.244ポイント安の4945.886で終えた。
セクター別では、自動車・自動車部品や医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方で電気通信サービスや公益事業が下落した。
玩具メーカーのマテルは赤字決算となり、軟調推移。四半期決算が大幅減益となった航空会社のユナイテッド・コンチネンタルが売られた。外食のマクドナルドや飲料のコカ・コーラのほか、アップルも下げた。
一方、決算が大幅増益となった自動車のゼネラル・モーターズ(GM)が買われた。増益決算を発表したバイオ製薬のバイオジェンが大きく上昇。衛星テレビのディッシュ・ネットワークとの提携延長を発表したメディアのバイアコムが急伸した。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,982.52 -113.75
S&P500種
2,091.48
ナスダック
4,945.886 -2.244
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は横ばいだった。6月物は前日と同じ1万7235円で終え、同日の大阪取引所の終値を175円下回った。大取で上げた流れを継いで買いが先行したが、米株安を意識した売りも出て相場は膠着感を強めた。前日には中心限月の終値として約2カ月半ぶりの高値を付けており、上値を追う動きも限られた。この日の6月物の高値は1万7415円、安値は1万7175円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
17235 ( -175 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
17280 ( -130 )
( )は大阪取引所終値比
【21日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6381.44(-28.82)
フランス・パリ株価指数
CAC40 4582.83(-9.09)
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10435.73(+14.44)