04月20日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
20日の東京株式市場は、シカゴ市場日経平均先物の円建て清算値(1万7025円:大取終値比155円高)これにさや寄せする格好で買いが先行しよう。フシ目の1万7000円台を回復するだろう。
日経平均株価予想レンジは、1万6800円-1万7200円を想定する。
価格帯別売買高では商いが膨れている1万6900-1万7100円レベルを捉えてくることになり、強弱感が対立する一方で、これをクリアしてくるようだと、トレンドが強まりやすくなる。
為替相場は、ドル・円が1ドル=109円台の前半と円安に振れている。輸出関連銘柄を中心に堅調な展開が期待される。
主要外国証券経由の注文動向は、売り620万株、買い1350万株で、差し引き730万株の買い越し。買い越しは2営業日連続。金額も買い越し。
売りセクターに、銀行、陸運、通信、電機、化学、卸売、空運、機械、食品、精密など。買いセクターに、電機、薬品、自動車部品、機械、化学、銀行、輸送用機器、サービス、REIT、不動産など。
【注目材料銘柄】
■塩水港精糖 <2112>
前期経常を69%上方修正。
■いちごグループホールディングス <2337>
今期経常は18%増益、2円増配へ。中期経営計画を策定。19年2月期に営業利益250億円(16年2月期実績は154億円)を目指す。また、東証が設立したインフラファンド市場上場に向け、太陽光発電を運用資産とした投資法人の設立など準備を開始。
■イソライト工業 <5358>
前期経常を一転52%増益に上方修正、配当も1円増額。
■トライステージ <2178>
双日 <2768> と資本業務提携。双日を割当先とする144万5600株(発行済み株式の18.96%)の第三者割当による自己株処分を実施。調達資金30億円は海外を対象としたM&A資金などに充てる。未定だった今期配当は1円増配。
■じげん <3679>
不動産事業者向けサイト制作や集客支援を手掛けるエリアビジネスマーケティングの全株式を3億円で取得し子会社化する。
【予定】
20日(水)
【国内】
3月貿易統計(8:50)
3月コンビニエンスストア売上高(16:00)
3月訪日外客数
《決算発表》
安川電、日鋳造、エンプラス、KOA
《新規上場》
スターアジア不動産
【海外】
豪3月景気先行指数(9:30)
英3月失業率(17:30)
トルコ中銀金融政策決定会合(金利発表、20:00)
ブラジル3月経常収支(22:30)
米3月中古住宅販売件数(23:00)
《決算発表》
U・S・バンコープ、コカ・コーラ、クアルコム、アメリカン・エキスプレス、ニューモント・マイニング、ヤム・ブランズ
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります

【NY概況】
19日のNYダウ平均は続伸した。前日比49ドル44セント高の1万8053ドル60セントとなり、2015年7月20日以来およそ9カ月ぶりの高値を連日で更新した。
クウェートで石油労働者のストライキが発生し、原油相場が上昇した流れを受けてアジア・欧州株が概ね全面高、米国株にも買いが広がった。しかし、昨夕の軟調決算を受けてハイテク株に売りが広がるなど、午後にかけて上げ幅を縮小し、上値の重い展開となった。
金融大手のゴールドマン・サックスは機関投資家向け事業の不振から大幅減益となった。ただ、1株利益が市場予想を上回ったことが支えとなり、株価は上昇して終えた。上昇率はダウ平均の中で最も大きかった。
半面、IBMが5%超安となった。18日発表の1~3月期決算が16四半期連続の減収となり、業績低迷に反転の兆しがみられなかったことを嫌気した。IBMはダウ平均採用銘柄の中で下落率が最大だった。
決算が市場予想を上回っても減益となる企業も目立ち、米企業の収益に対する投資家の警戒感は根強い。
ナスダック総合株価指数は小反落。終値は同19.687ポイント安の4940.330ポイントとなった。
動画配信のネットフリックスが急落した。決算とあわせて開示した利用者数見通しが市場予想に届かず、先行きの成長期待が剥落。株価は13%安となりナスダック指数を押し下げた。
セクター別では、素材やエネルギーが上昇する一方で小売や半導体・半導体製造装置が下落した。
原油先物相場の反発を受け石油のシェブロンや建機のキャタピラーがしっかり。
医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソンや医療保険のユナイテッドヘルスは、決算内容が好感され、上昇した。
たばこのフィリップ・モリス株は四半期決算で1株利益が市場予想に届かず売られた。大型バイクのハーレー・ダビッドソンは1~3月期の販売台数の伸び悩みを警戒した売りに押された。グーグルを傘下に持つアルファベットのほかアップルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトも安い。
半導体のインテルはマーケット終了後に1-3月期決算を発表、売上高は予想に一致し、一株利益は上振れた。時間外取引で上昇して推移している。
NYダウ工業株30種(ドル)
18,053.60 +49.44
S&P500種
2,100.80
ナスダック
4,940.330 -19.687
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸し、1万7000円台を回復して取引を終えた。6月物の終値は前日比380円高の1万7025円だった。19日の大阪取引所の終値を155円上回った。
原油高やNYダウ平均の上昇を手がかりに買われた。
外国為替市場での円安・ドル高も支援材料になった。6月物は一時1万7150円まで上げた。一方、安値は1万6640円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
17025 ( +155 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
17065 ( +195 )
( )は大阪取引所終値比
【19日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6405.35(+51.83)
フランス・パリ株価指数
CAC40 4566.48(+59.64)
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10349.59(+229.28)