<兜町カタリスト>
「草枕」
「罫線を辿りながら、こう考えた。
株価が上がると人生が変わる人がいる。
投資家、経営者、社員、取引先etc。
企業の成長の裏返しが株価の上昇だからである。
一方で・・・。
株価が下がっても人生が変わる人がいる。
投資家、経営者、社員、取引先etc。
要は株価が動くと、誰もが影響を受ける。
日本の大半の人々が間接的に受ける影響は将来の年金。
株価が下がって年金が増える訳はない。
そういう意味では冷酷な智に働けば金銭に角が立つ。
情に棹させば株価の奔流に流される。
意地を通とおせばとにかく窮屈だの世界。
とかくに人の世は、そして相場は住みにくい。
住みにくさが高じると、良い所へ引き越したくなる。
しかし・・・。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、相場の詩が生れて、株価の画が出来る。
人の世、相場を作って司る者は神でもなければ鬼でもない。
やはりそのほとんどが向う三軒両隣りょうどなりにチラチラするただの人である。
ただの人が作った人の世や相場が住みにくいからとて、越す国はあるまい。
あれば人でなしの国、人でなしの相場に向かうばかりだ。
人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう」。
なんていう「草枕」はなかったが・・・。
激動の相場展開の中で、各企業のIRプレスが多い。
一つはコムチュア(3844)。
「今後さらに成長が期待されるビッグデータ・AIサービスへのシステム開発を含むサービス展開をすべく、
新たな子会社、コムチュアデータサイエンス(株)を設立することを発表しました。
コムチュアデータサイエンスの経験豊富なデータサイエンティストは、
ビッグデータ及びAIの専門家として、お客様の周りにあふれるIotを含めたビッグデータが、
どのようにすれば意思決定につながる情報になるのか、
お客さまと一緒に考え、試行し、新しい価値を創造いたします。
これにより、コムチュアグループは、新たなグループ体制の下で一体となり、
ビッグデータ及びAI事業の推進を図ってまいります」。
そしてナノキャリア(4751)は「新たな美容液発売に関するご案内」。
これまで、当社が持つ最先端医薬品技術と
株式会社アルビオン(以下「アルビオン社」)が持つ化粧品技術をコラボレーションし、
共同開発を進めて参りました。
このたび、製品群を拡大し、アルビオン社から新たな美容液が4月18日に発売になりました。
今回発売された美容液は美白※にフォーカスした美容液です。
アルビオン社が厳選した成分を、当社の化粧品用ミセル化ナノ粒子技術によって
肌の内部の必要な場所に効果的に送り届けることを可能にし、
冴えわたるような透明感に満ちた、キメ細かくハリのある肌へとみちびく薬用美白美容液です。
※美白とは、メラニンの生成を抑えて日やけによるシミ・ソバカスを防ぐことです。
また建機レンタルのカナモト。
「弊社は4月18日16時40分に
『熊本県熊本地方で発生した地震の影響と対応に関するお知らせ』
を発表いたしましたので、お知らせさせていただきます」。
円高トレンドでも原油安でも株安でも企業は動いている。
だから相場の明日に期待ができるとも言えよう。
加えれば・・・。
企業トップやIR担当氏の悩みは「個人向けIRをどうすればよいか」。
これは大方の企業の悩みでもあろう。
移り気な個人に振り向いてもらうための、あるいは腰の重いプレスに気が付いてもらうための手法。
極論すれば地道な努力しかない。
しかし、こまめにIRプレスを継続して実行している会社ほど株価は高くなりやすい傾向はある。
市場とまじめに対峙しているかどうかは株価だけのことではないような気がする。
手を抜け場ば市場からは見放される恐怖感を感じる筈。
このこまめさの必要性が女性のIR担当の増加につながっているような気がする。
(兜町カタリスト櫻井)