<兜町カタリスト> 「現実」
週末のNYダウは28ドル安の17897ドルと4日ぶりに反落。
原油価格下落を背景にエネルギー関連セクターが下落。
減産を理由にアップルが2%下落したことが指数の足を引っ張った。
主要産油国の会合では凍結に応じないイランとサウジの対立が解消せず。
供給過剰で低迷する原油価格の押し上げに向けた増産凍結は見送り。
再び原油がクローズアップされてきた格好。
一方で、決算発表は事前予測が8%程度の減益ともともと悲観的。
むしろバーが低いことに期待する声も聞かれる。
FOMCを控えて売り込みにくい週でもありこの綱引きになろうか。。
先週末の日経平均は反落。
しかし奇妙だったのは松井証券経由の信用評価損率。
売り方マイナス8.814%、買い方マイナス8.566%と逆転。
需給面は好転の兆し。
加えた個人投資家の動向が指数に連動してないことが明確になってきた印象。
日経平均採用銘柄のPERは15.27倍でEPSは1103円。
EPSが底打ちと見れば上値を追うムードも出てくるのだろうが、それはもう少し先のことになろうか。
シカゴ225先物の終値は16605円と大証比マイナス。
週末開催の産油国会合では増産凍結見送り。
G20でルー米財務長官が円売り介入けん制。
これらを背景とした円高トレンドに警戒感。
九州での予期せぬ震災。
宇宙の悠久さから見ると地球は生きている。
またそこに人が棲息していること自体が奇跡というのを改めて考えさせられる。
市場とか政治経済なんて皮相的なものであり、地球に対して発揮できる力は少ない。
しかし現実的には市場は震災関連銘柄なんてものを常に持ち出すもの。
この非条理さというのは拭いようはない。
被災地の現実を乖離して現象面から見るとゼネコンとか復興関連銘柄のプラス。
阪神淡路でも、東日本でもいつもそうだった。
市場の冷徹さという他はない。
あるいは市場は本当に人の役に立っているのかという疑問も生じる。
欲と欲のせめぎあいが市場ではあるが、慎みとか節操なんて思考はたぶんない。
一方で、米軍のオスプレイが支援に参加する方向だという。
期せずしてオスプレイが役に立つことになる。
これはどういう波及効果をもたらすのだろうか。
あるいは、九州がこんな状態であるのに消費税を上げようなんてことができるのかどうか。
フツーに考えれば無理となったとしか思えない。
復興増税、消費増税見送りという大義名分は十分に成立する。
不謹慎な表現ながら・・・。
アベノミクスにとっては奇貨ということなのかも知れない。