<兜町カタリスト> 「下ごしらえは整った」
NYダウは187ドル高の17908ドルと続伸。
昨年11月6日以来の水準を回復。
S&P500指数は昨年12月4日以来の高値水準となった。
NASDAQも75ポイント高の4947ポイントと5000ポイントを視野に入れてきた。
ダウ輸送株平均が2.6%上昇したことも市場心理の強さの裏返しと考えられよう。
背景はJPモルガンが発表した四半期利益が市場予想を上回ったこと。
「低めの市場見通しが奏功した」との声も聞かれる。
中国の輸出が9カ月ぶりに増加したことも一晩かかってNYに届いて好感された。
ベージュブック(地区連銀報告)での「2月下旬から4月上旬にかけて米経済活動が引き続き拡大。
低い失業率が賃金上昇につながっている」とのコメントも好材料視された。
もっとも一部では「企業業績の悪化と株高が一緒に起きている。
これは良い組み合わせではない。
市場は低めのハードルを越えることで活気づいているが、
こうした状況が長期にわたって持続する見込みは低い」というネガな指摘もある。
一方、昨日後場の日経平均の日中値幅は一時225円50銭。
「225GO」という語呂合わせだったのはご愛敬だった。
結局16000円台を回復して終わった。
一夜明けたシカゴ225先物終値は16600円と大幅に上昇幅を拡大。
225現物の25日移動平均(16584円)を抜けてきた。
相関が高いとされるドル円は109円台を回復。
3日続伸への下ごしらえは整った朝。
「今年の主力株は「さぁここから!」という所で動きが鈍り、
その後崩れるというパターンを繰り返している」との声もあるが、
一気に25日線を抜き去る動きには期待できよう。
時折相場に水を差す原因となる裁定取引の買い残は前週末段階で1兆8117億円まで減少。
需給面での足かせにはならなくなった。
一方でマザーズ指数が25日移動平均からプラス10%かい離との指摘もある。
昨日は満開となった主力と中小型株。
どちらかに人気が傾くのがどうかがポイントでもあろうか。
淡いピンクはサクラの色、次がイチョウの緑でその先には濃いピンクのツツジが待っているのは自然界。
市場もそんな感じだろうか。
昨夕取材したロックオン(3690)。
業務の内容は「インターネット広告の運用サポートサービスを提供。
ECサイト構築関連も」と会社四季報。
柱の広告運用サポートは効果測定・活用システム「アドエビス」。
ECサイト構築・運用は中核サービス「EC-CUBE」。
しかしなかなか理解できない。
岩田社長に聞くと「うちはインターネット広告領域の体温計です」。
マーケッティングとか広告の効果というのは従来は計測不能の世界。
これを可視化したことに意味がある。
「体温計であるとともに体重計でもあり血圧計でもあるんです」。
ヒトの購買行動を研究することによって消費拡大を狙うのが存在意義。
またECサイトについては効率から質を重視。
「ECに色を」として単なるECサイトからの進化をねらうのだという。
これも消費行動の拡大につながる。
その先にあるのはデータを活用した人工知能アルゴリズム。
そしてその育成だという。
テックビューロと共同でのブロックチェーン技術を応用した受注エンジンの実証実験も開始。
最終的には「マーケッティングロボットカンパニー」を目指している。
面白かったのは「アナリスト以外の市場関係者が取材に来たことはありますか」。
と伺ったところ「ないですね」とキッパリ。
その割にはアチコチで記事を見るから不思議なもの。
足で稼がない人は結構多いようである。