04月11日 相場概況(前引け)

【前引け概況】
11日午前の日経平均株価は3日ぶりに反落した。前引けは前週末比201円09銭安の1万5620円43銭だった。為替の円高進行を嫌気して寄り後に下げ幅を広げる展開を余儀なくされている。1ドル=107円台後半まで円高・ドル安が進み、企業の輸出採算が悪化するとの懸念から幅広い銘柄に売りが出た。日経平均は下げ幅を300円近くまで拡大する場面があった。
その後はドルがやや買い戻されたことで、日経平均も下げ渋っている。企業の業績予想の修正にも敏感で好業績銘柄の一角には買いが入るものの、今期業績予想の下方修正や2月決算企業で17年2月期業績見通しが冴えない銘柄などに売りがかさんでいる。前引け時点で東証1部売買代金は8800億円と1兆円を下回った。
取引開始前に内閣府が発表した2月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶、電力除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比9.2%減の8487億円だった。QUICKが事前に集計した民間予測の中央値(12.0%)減からは上振れたが、減少には変わりないため、相場全体への影響は限られた。
JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で8813億円、売買高は8億8823万株。東証1部の値下がり銘柄数は全体の75%にあたる1472、値上がりは386、変わらずは89だった。
輸出株の代表格であるトヨタが連日で年初来安値を更新し、富士重やマツダの下げが目立つなど、自動車株の一角が売りに押された。目立った手掛かりに乏しく、当面の日本株は円相場に振られやすい展開が続くとの指摘がある。
今期の業績見通しを下方修正したパソナGや島忠がそろって大幅安。三菱UFJや三井住友FG、みずほFGなどメガバンクが軒並み下げ、地銀株も軟調。2017年3月期の連結業績について営業減益になる公算が大きいと伝わった旭化成も下げた。ファナック、日立製作所、ネクスト、オリンパスなどの下げも目立っている。
半面、原油価格の上昇を受け昭和シェルやJXが小幅に上昇した。8日に主力製品の値上げを発表したヤクルトが大幅に株価水準を切り上げた。ソニーが頑強な動きで目を引く。gumiが急騰、西松屋チェーンなども値を飛ばした。
東証2部指数は3日ぶりに反落した。前引けの2部指数は、前週末比15.82ポイント安の4223.59となった。
個別銘柄ではエスクローAJ、インテリックス、ラオックス、象印、朝日インテクが下げた一方、日シス技術がストップ高。ノダは一時ストップ高と値を飛ばし、アートSHD、アイレップが上げた。

【新興株前引け】
日経ジャスダック平均株価は小幅に続伸した。前引けは前週末に比べ7円46銭高い2387円19銭だった。1ドル=107円台まで円高基調が進行。主力株の買い材料が乏しく日経平均株価が下落する一方で、値動きの良い新興企業銘柄に買いが向かった。なかでも成長期待が高まる投資テーマのある個別株に物色が広がった。
ジャスダック市場の売買代金は概算で318億円、売買高は1億763万株。個別銘柄ではドーン、EAJがストップ高。ドーンやテイツー、アイサンテクが上昇した。半面、三光合成、フジタコーポ、イリソ電子、サン電子やプロパスト、フィスコは下落した。
東証マザーズ指数は4日続伸した。前引けは前週末比13.8ポイント高い1056.05だった。取引時間中としては、2007年3月12日以来、約9年1カ月ぶりの水準に上昇した。個別銘柄ではそーせいやアンジェス、MDV、FFRI、グリンペプが上昇した。一方、シリコンスタジオがストップ安。Fブラザーズ、アウン、インベスCやサイバダイン、ブランジスタは下落した。