04月08日 相場概況(前引け)

【前引け概況】
8日午前の日経平均株価は反落した。午前の終値は前日比88円21銭安の1万5661円63銭だった。
きょう前場の東京株式市場は、外国為替市場での円高進行を嫌気して続落歩調で始まったが、売り一巡後は買い戻しが入り下げ渋った。
日経平均はプラス圏には届かなかったが、日経平均寄与度の高いファーストリテイリングが急落しており、マイナス寄与度は135円で、これを差し引いて考えた場合は、実質的に高く引けたかたちとなる。
売り一巡後は、閣議後の会見で麻生太郎財務・金融相と菅義偉官房長官が円高の急速な進行に対し「場合によっては必要な措置を取る」と相次いで発言し、円が108円台後半に下落、自動車など輸出関連株が下げ渋った。食料品などディフェンシブセクターが買いを集めた。
JPX日経インデックス400も反落し、前日比22.96ポイント安い1万1461.79で終えた。東証株価指数(TOPIX)も反落した。
業種別TOPIXは全33業種中22業種が下落した。「鉱業」や「海運業」、「輸送用機器」の下落が目立った。一方、「食料品」や「水産業」が上げた。
前引けの東証1部の売買代金は1兆1444億円、売買高は11億2663万株、東証1部の値下がり銘柄数は1077、値上がりは709、変わらずは163だった。
個別では自動車株は下げ渋ったが、トヨタや富士重など一部が引き続き安い。メガバンクは三菱UFJが下げる一方、みずほFG、三井住友FGが上げに転じるなどまちまち。ソニーが安く、NTTや菱地所も安い。日本カーバイド工業、トプコン、堀場製作所なども売られた。半面、スズキが上げに転じ日産自も小幅高。ソフトバンクが高くセブン&アイは大幅に上げた。小野薬やファナックも高い。DMG森精機が値を飛ばし、ビックカメラ、五洋建設、ヤフーなども人気を集めた。
東証2部株価指数は反落して始まったが、上昇に転じた。前引けの2部指数は、前日比1.83ポイント高の4199.46となった。
個別銘柄ではSFPダイニング、日本精機、エスクローAJ、象印、朝日インテク、SFPが上げた。半面、インテリクス、アートSHD、アイレップ、ツインバード、C&R社が下げた。

【新興株前引け】
日経ジャスダック平均株価は小反落した。前引けは前日に比べ4円54銭安い2360円26銭となった。ジャスダック市場の売買代金は概算で276億円、売買高は1億4196万株。個別銘柄ではニューテック、三機サービス、エプコ、サン電子やアイサンテク、アパマンショが下落した。半面、デジタルアドベが一時ストップ高。EAJ、カルナバイオや日本ISK、日本ライフLは上昇した。
東証マザーズ指数は3日続伸した。前引けは前日比39.70ポイント高い1034.56だった。一時は1042.27まで上げ、2013年5月15日以来約3年ぶりの高値を付ける場面もあった。
東証1部の主力銘柄を手がけづらい地合いが続くなか、個人投資家に加え国内外の機関投資家の資金が流入した。マザーズ市場の売買代金は概算で1538億円と前日7日の1690億円に迫る水準に膨らんだ。
そーせいの上場来高値更新が東証マザーズ指数をけん引した。同社子会社が製薬大手のアラガンとアルツハイマー病の治療薬の開発・販売をめぐって提携したと7日午前に発表し、好感した買いが続いた。そーせいの前引け時点の売買代金は780億円と、マザーズ市場全体の売買代金の半分をしめた。東証全体の売買代金ランキングではトヨタを抜き、日経レバ(1570)に次ぐ2位にたった。このほか、メドレック、アライドアーキ、アンジェスやジグソーの値上がりも目立った。半面、ファーストコーポ、エクストリーム、グリンペプやモルフォ、FFRIは下げた。