04月08日 相場概況(寄り付き後)
[10時の概況]
日経平均株価は前日比198円89円銭安の1万5550円95銭で推移。
1万5500円台半ばを中心に推移している。
前日の海外市場で円相場が一時1ドル=107円台後半と約1年5カ月ぶりの安値を付け、輸出企業の採算が悪化するとの警戒感が改めて強まった。
前日に2016年8月期の連結純利益(国際会計基準)の見通しを下方修正したファストリが急落し、1銘柄で日経平均を100円あまり押し下げていることも響き一時は1万5471円と節目の1万5500円を下回った。
売り一巡後は麻生太郎財務相の発言を受けて円が前日比で下げに転じたことなどから、下げ足は鈍っている。
麻生財務相は8日午前の閣議後記者会見で、足元の円高進行について「場合によっては必要な措置を取る」と発言。市場では「円買い・日本株先物売りを仕掛けている短期筋の動きが鈍った」との指摘が出ていた。
日経平均先物中心限月の6月物は朝方に1万5460円まで売り込まれたが、その後は1万5600円まで下げ渋る場面があった。
株価指数オプションとミニ日経平均先物4月物の特別清算指数(SQ)算出値は試算で1万5507円だった。日経平均採用銘柄ではファストリが最後に寄り付いた。
JPX日経インデックス400は1万1300台前半を中心に推移している。東証株価指数(TOPIX)も下げが一服している。業種別TOPIXでは33業種中全業種が下落し、「鉱業」や「不動産業」の下げが目立つ。
10時現在の東証1部の売買代金は概算で6824億円、売買高は6億7029万株。値下がり銘柄数は1612、値上がりは229、変わらずは108。
業種別では33業種中32業種が下落し、上昇は水産・農林の1業種のみ。値下がり1位は鉱業で、以下、不動産、その他金融、電気・ガス、空運、証券・商品と並ぶ。
日経平均マイナス寄与度は116.3円の押し下げでファストリがトップ。以下、日産化が5.77円、ダイキンが4.04円、トヨタが3.45円と続いている。
プラス寄与度トップは京セラで、日経平均を4.39円押し上げている。次いでセブン&アイが3.77円、ソフトバンクが2.47円、ファナックが2.35円と続く。
海外市場の金融株安を受け三菱UFJやみずほFGなどメガバンク株が安い。KDDIやソニーにも売りが優勢になっている。住友不や三井不、菱地所など不動産株も安い。半面、ソフトバンクが上昇。セブン&アイやファナックにも買いが優勢になっている。
東証2部株価指数も反落。インテリックス、アートSHD、アイレップが安い。半面、東京衡機、アライドテレシスホールディングス、象印、朝日インテク、サイオスが高い。
デジタルアドベンチャー(4772)やレッド・プラネット・ジャパン(3350)、RISE(8836)などジャスダック市場の低位株が人気化している。東証1部の主力株が軟化するなか、値動きの軽さを求めた短期の退避的資金がこれら新興株市場の低位株に向かっている。