<兜町カタリスト> 「ないないシナリオ」
週末のNYダウは107ドル高の17792ドルと反発。
雇用統計の非農業部門雇用者数は21.5万に増で着地。
失業率は5%と悪化したものの背景は労働参加率の上昇であり懸念なく通過といった印象。
利上げに至る根拠を持てないものの景気の悪化を示すものではない。
この快適な状態が好まれた。
NASDQも5000ポイント目前、S&P500も今年の高値を更新中。
週間ベースはNYダウが1.6%、S&Pは1.8%、NASDAQが3.0%の上昇。
WTI原油先物は4%程度値下がりしバレル36.79ドルとなったが依然視野の外。
またISM製造業景気指数は51.8で着地。
新規受注が好調だったことで前月の49.5から上昇し、予想の50.7も上回った。
決算発表の時期となってきた。
第1四半期の1株利益について。
悪化もしくは市場見通しを下回ると予測している企業は103社。
改善もしくは市場見通しを上回ると予測した企業は26社。
予想PERは17.2倍。
「春の日の釣瓶落とし」なんて言葉はないが、日経平均は金曜まで4日続落。
しかも堅調な欧米株式と比較すると逆行安の展開。
為替の円高傾向による企業業績の悪化と言うのが売り材料との解釈。
悪役は外国人投資家。
年初から3月第4週までの売越額は総額5兆円超と暦年ベースで29年ぶりの規模。
市場は所詮ゼロサムゲームの世界だからどこがが良くなればどこかが悪くなる。
マネーの置き場として現在の東京株式市場は他市場と比較すれば、
消去法的にふさわしくないということになろうか。
4日(月)中国清明節(掃墓節)、5日(火)変化日、6日(水)ECB理事会、7日(木)新月、8日(金)SQ。
スケジュール的には5日の変化で反転というのが望ましい。
5日にトレンド加速、7日の新月で底打ちパターンとも考えられる。
因みに新年度初日に下落したのは4年連続。
「調整のシグナルは連続陰線か大きな陰線。
25日線割れと前日にサインはあった」と市場関係者。
「ただ、2月12日までの相場に比べれば大したことはないだろう」とも。
「週足はもう一段調整の可能性がありますが、月足が今月末に陽線となって終わるようなら、
まだ反発が続く可能性があります」とテクニカルアナリスト。
3日、4日というのが今年のリズムであり、5日連続というのは避けたいところ。
土曜の日経で塩崎恭久厚生労働相。
「80時間超える残業のある事業所に調査対象広げる」と表明。
長時間労働減らすよう監視強める方向を打ち出した。
そして電機大手などが人材不足のために初任給を2割程度引き上げるという方向も報じられた。
長時間労働など問題は多いことは事実。
しかしどうも「働くな」と霞が関が言っているとしか聞こえないのは気のせいだろうか。
日本経済はどうも休日が多くなってから衰退してきたような気がするのも錯覚だろうか。
というより・・・。
大切なのはたぶん今朝の日経朝刊の「経営の視点」。
「スマホアプリなど消費シーンの多くは無料化。
本当に欲しい商品にしか、購買意欲が高まらない構図」というのは当たっている。
ヒットのキーワードは「売れるか売れないかよりは面白いか面白くないかを追求」。
パンの表面がカラッ、中は水分たっぷりというトースターが売れているという。
販売している会社の社長のコメント。
「モノではなく、その先の体験にお金を支払っていることに気がついた」。
アップルが軟調でグーグルが好調という構図が象徴的だろうか。
モノという可視商品ではなくサービスやアプリ、ソフトという不可視商品の優勢。
モノづくりは、発展途上国、ソフト化製品こそ先進国の生きる道。
ここを読み間違えたのがシャープだろう。
いつまでもモノとかつくるにこだわると失敗する気がする。
この大きな構図の変化を株式市場は先取りしているのだろう。
米国訪問中の安倍晋三首相の消費増税見送りについてのコメント。
「延期をするためには法改正が必要となる。
「法改正」に初めて言及した。
言及したということは頭の中にあるということ。
そして衆院解散については「解散の『か』の字もない」。
増税しない、解散しない。
この「ないないシナリオ」がありそうな気がする。
明るいのはサウジアラビアのムハンマド副皇太子。
石油時代の終幕を視野に、2兆ドル規模の公共投資ファンドの設立を計画しているという。
悪いことばかりではない。
NYダウは107ドル高の17792ドルと反発。
NASDAQは4