04月01日 相場概況(前引け)

【前引け概況】
きょう前場の東京株式市場は、1ドル=112円台攻防の様相をみせた為替の円高進行を嫌気するかたちで続急落となった。日本時間今晩に予定される3月の米雇用統計の発表を控え、積極的な買いが入りにくいことに加え、きょう朝方に発表された3月の日銀短観が市場予測を下回ったことや、前日までのドレッシング買いの反動も出たかたちだ。全面安商状で東証1部全体の約94%の銘柄が下げている。
1日午前の日経平均株価は大幅に4日続落した。午前の終値は前日比470円92銭安の1万6287円75銭だった。3月1日以来、約1カ月ぶりに1万6300円台を割り込んだ。
取引開始前に日銀が発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)を受け投資家心理が悪化。投資家がリスクを避ける売りが続き、下げ幅は一時500円に迫った。
3月の短観によると、企業の景況感を示す業況判断指数は大企業製造業がプラス6だった。前回2015年12月調査のプラス12から悪化し、市場予想の平均も下回った。
これまで良好な業況感を示していた非製造業も6四半期ぶりに悪化した。「業況悪化は見込まれていたが、改めて相場に後ろ向きな内容との受け止めが広がった」との指摘があった。先行きについても警戒感が根強い。
日本時間今晩に予定される3月の米雇用統計の発表を控え、積極的な買いが入りにくいことに加え、きょう朝方に発表された3月の日銀短観が市場予測を下回ったことや、前日までのドレッシング買いの反動も出たかたちだ。
10時過ぎに中国国家統計局などが発表した3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は予想を上回り、8カ月ぶりに景気判断の節目となる50台を回復した。
発表直後には地合い好転を見込んで日本株を買い戻す動きもあったが、戻りの鈍さを嫌気して見切り売りも広がった。
JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)もそれぞれ4日続落した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆2136億円、売買高は12億2210万株。東証1部の値下がり銘柄数は全体の93%にあたる1823、値上がりは94、変わらずは29だった。
個別では三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクが売られ、ファーストリテイリングも大幅安。前日に16年度からの事業計画を示したパナソニックの下げも際立つ。前日に16年3月期の業績見通しを引き下げた板硝子も安い。半面、ソフトバンクグループやKDDIがしっかり、マネーパートナーズグループが大幅高、植物由来の次世代繊維「セルロースナノファイバー(CNF)」の商業生産を始めると発表した中越パが高い。
東証2部指数は4日続落した。前引けの2部指数は、前日比61.22ポイント安の4320.20となった。
個別銘柄ではクリヤマHD、サイバーコム、ヨシックス、ラオックス、朝日インテク、アートSHDが下げ、一方、マナック、アイレップ、象印が上昇した。