03月31日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
31日の日経平均株価は1万7000円台を再び回復する展開が予想される。
日経平均株価予想レンジは、1万6700円-1万7100円を想定。
為替相場は、円安に振れている。円高の流れが一服し、輸出関連株に見直しの動きが出ることも想定される。
新年度相場への期待や政策期待などを背景に、後場の取引終了時に株価水準を引き上げる「お化粧買いが入る可能性もある」(中堅証券)との声も聞かれた。
ただ、あす4月1日に、3月調査日銀短観や米3月雇用統計などの発表を控え、模様眺め気分が広がりこともあるだろう。
25日線と75日線の間でモミ合いが続いており、特に今週に入ってからは高値と安値の値幅が小さく煮詰まる状態になっている。
材料次第では上か下かに勢いよく放れていく前兆ではあるが、きょうのところは75日線を上抜くシナリオは期待薄か、チャート上の足型が注目される
主要外国証券経由の注文動向は、売り900万株、買い1880万株で、差し引き980万株の買い越し。買い越しは3営業日ぶり。金額も買い越し。
売りセクターに、金属、輸送用機器、小売、銀行、その他製品、海運、通信、機械など。買いセクターに、銀行、薬品、化学、電機、食品、情報通信、その他金融など。
【注目銘柄】
■ディアライフ <3245>
弁護士COM <6027> [東証M]と業務提携。「税理士ドットコム」に会員登録をしている税理士やその顧客に対し、同社が開発する都市型マンションや収益不動産物件を紹介する。
■エーザイ <4523>
米子会社のエーザイ・インクが保有するAkaRx,Inc.の全株式をPBMキャピタルグループに売却。AkaRxが所有する血小板減少症治療剤に関する開発・販売・製造権をPBMキャピタルグループに譲渡する。また、株式売却の対価として、契約一時金と同治療剤の商業化に応じたマイルストーンを受け取る。今期最終を一転15%増益に上方修正。
■ホッカンHD <5902>
今期経常を23%上方修正。
■アイレップ <2132>
今期最終を2.3倍上方修正・3期ぶり最高益更新へ。
■ラック <3857>
今期経常を一転1%増益に上方修正・最高益、配当も2円増額。
■EAJ <6063>
中国最大級の医療ポータルサイト「就医 160」と業務提携。中国患者を呼び込むため、日本の医療機関の情報発信を行う
■エイティング <3785>
コロプラ <3668> がTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指す。TOBは2回に分けて実施。第1回目の買い付け価格は1株309円で、354万6200株を筆頭株主の藤沢社長らから取得。第2回目は一般株主を対象に30日終値を28%上回る758円で実施、買付期間は5月19日から6月29日まで。
【予定】
【国内】
2月住宅着工件数(14:00)
《決算発表》
タキヒヨー、トライステージ、シベール、ダイユーエイト、パレモ、テクノアルファ、スター・マイカ、クラウディア、JMNC、岡山製紙、ニイタカ、日本エンタ、USEN、ミルボン、宝印刷、キユソー流通、日プロセス、ジャステック、北恵、アルテック、セキチュー
《新規上場》
エボラブルA、PRタイムズ
【海外】
独2月小売売上高(15:00)
仏3月消費者物価(15:45)
トルコ10-12月期GDP(16:00)
独3月失業率(16:55)
英10-12月期GDP確報値(17:30)
ユーロ圏3月消費者物価(18:00)
米3月シカゴ購買部協会景気指数(22:45)
核安全保障サミット(~4/1ワシントン)
日韓首脳会談(ワシントン)
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります

【NY概況】
30日のNYダウ平均は4日続伸した。終値は前日比83ドル55セント高の1万7716ドル66セントと、2015年12月29日以来ほぼ3カ月ぶりの高値を付けた。
昨日のイエレン議長の発言を受けた利上げ観測の後退を受け、アジア・欧州株が概ね全面高となり、米国株にも買いが先行した。午前にはダウ平均が上げ幅を157ドルまで広げた。
ドル高が一服し、米企業業績への悪影響が和らぐとの見方も米株式の買い安心感につながった。
米民間雇用サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した3月の全米雇用リポートでは雇用者数が20万人増えた。市場予想に沿った結果で、米雇用情勢の改善が続いているとの見方も相場を支えた。
NY原油先物相場が伸び悩む場面でエネルギー関連株には売りが増え、相場の重荷となった。週末には米金融政策の先行きを占う3月の米雇用統計が発表になる。結果を見極めたいとして上昇が続いてきた米株式相場には目先の利益確定を目的とした売りも出やすく、上値を抑えた。
ナスダック総合株価指数は続伸。前日比22.671ポイント高の4869.294で終え、1月5日以来の高値を付けた。
セクター別では、消費者・サービスや保険が上昇する一方で不動産や公益事業が下落した
個別ではゼネラル・エレクトリック(GE)が高い。傘下の投資運用会社GEアセットマネジメントを資産運用大手ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズに4.85億ドルで売却することで合意したと発表し、買い材料視された。
2015年11月~16年1月期決算が市場予想を上回ったスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカが急伸。四半期決算が好感されたクルーズ大手のカーニバルも買われた。クレジットカードのビザ、アップルなども上昇した。
一方で、航空機のボーイングが安い。4500人を超える人員削減を計画していると伝わり、業績の先行き不透明感を警戒した売りが広がった。IBMやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなども下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,716.66 +83.55
S&P500種
2,063.95 +8.94
ナスダック
4,869.294 +22.671
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小反落した。6月物は前日比35円安い1万6985円で取引を終えた。30日の大阪取引所終値は45円上回った。米早期利上げの観測が薄れて外国為替市場でドル売り・円買いが進み、売りが優勢になった。一方で米株高が相場を支え、下げ幅は限られた。
この日の6月物の安値は1万6850円、高値は1万7100円だった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
16985 ( +45 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
17035 ( +95 )
( )は大阪取引所終値比