03月30日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
30日の東京株式市場は、1万7000円を意識してもみ合いの展開となりそう。
日経平均株価予想レンジは、1万6800円-1万7200円を想定。
寄り付き前に2月鉱工業生が発表されるが、影響は限定的だろう。
円安に振れている。対ドルでの円高を警戒して、輸出関連株は重しとなりそう。
昨日市場関係者からは「3月期末の権利落ち日に当たり、配当権利落ち分は市場推計で130円弱だった。したがって、即日埋めは叶わなかったものの、実質は前日比ほぼ100円高となり、市場参加者には底堅い印象を与えたようだ」との見方が出ている。
日経平均が3月14日につけた高値1万7291円を上回ることができるかどうかに注目しておきたい。
29日に成立した16年度予算について安倍晋三首相は、景気テコ入れのため早期に執行することを表明しており、建設株を中心とした内需関連株に関心が向かう可能性もある。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1720万株、買い1290万株で、差し引き430万株の売り越し。売り越しは2営業日連続。金額も売り越し。
売りセクターに、通信、金属、建設、銀行、小売、海運、保険、その他製品、証券、電機など。
買いセクターに、鉱業、銀行、サービス、情報通信、電機、食品、小売など。
【個別材料銘柄】
■MV東北 <2655>
前期経常を31%上方修正。
■MV九州 <3171>
前期経常を33%上方修正。
■アクロディア <3823>
健康コーポ <2928> 子会社のXioが運営するゲーム関連事業の一部を1.8億円で譲り受ける。
■アクアライン <6173>
前期経常を20%上方修正・最高益予想を上乗せ。
■BS11 <9414>
上期経常を一転8%増益に上方修正。
【予定】
30日(水)
【国内】
2月鉱工業生産(8:50)
《決算発表》
NJS、夢の街
【海外】
ミャンマー新大統領就任式
独3月消費者物価(21:00)
米3月ADP雇用統計(21:15)
米7年国債入札
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります

【NY概況】
29日のNYダウ工業平均が3日続伸し、前日比97ドル72セント高の1万7633ドル11セントと2015年12月29日以来、3カ月ぶりの高値で終えた。
朝方は、原油相場の下落を受けて、ダウ工業平均は101ドル安まで下げ売りが先行したものの、3月消費者信頼感指数が予想を上振れたほか、イエレンFRB議長の講演を午後に控えて買い戻しも入り、下げ幅をやや縮小した。
イエレン議長は講演で「政策金利の調整を慎重に進めるのが適切だ」などと述べた。
最近のインフレ率上昇についても懐疑的な姿勢を崩さず、利上げに慎重な見方を示した。追加利上げ観測が後退したことが好感され、引けにかけて上げ幅を拡大した
アップルやマイクソロフトといったIT(情報技術)銘柄などに買いが広がった。ダウ平均は午後に107ドル高まで上げ幅を広げる場面があった。
ナスダック総合株価指数は反発し、同79.836ポイント高の4846.623と1月5日以来の高値で終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は15年12月30日以来、3カ月ぶりの高値で終えた。
セクター別では銀行を除いて全面高となり、不動産やテクノロジー・ハード・機器の上昇が目立った。
四半期決算が大幅増収増益だった住宅建設のレナーが上昇し、住宅株やホーム・デポなどのホームセンター株がつれ高した。一部の資産売却に際して、買収側の提案期限を設けたと報じられたインターネット検索のヤフーが高い。ダウ平均ではアップルなどが上げた。
中期の経営戦略や16年12月期通期の利益見通しの据え置きを発表した化学のスリーエム(3M)は下落。ダウ平均の採用銘柄で下落率が最大だった。化学のデュポンや金融のJPモルガン・チェースなども下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,633.11 +97.72
S&P500種
2,055.01 +17.96
ナスダック
4,846.623 +79.836
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。6月物は前日比70円高の1万7020円で取引を終えた。29日の大阪取引所の終値は80円下回った。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受け、市場ではFRBは利上げを慎重に進めるとの見方が広がり米株とともに買われた。ただ、円相場が上げたのを受け、上値は重かった。6月物高値は1万7130円、安値は1万6935円だった。