03月28日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
28日は、16年3月期末配当などの権利つき最終売買日で、比較的配当利回りの高い銘柄や株主優待の厚い銘柄などに関心が向かいそうだ。一方で、短期的な値幅取りを狙った中小型株への売買が活発化する可能性もある。
今週(28~4月1日)の日経平均は1万7000円を意識してもみ合いが続く展開か。
株価の下方で推移する25日移動平均線(1万6650円)は上昇が続いており、先高期待が依然として残るチャートパターンである。
逆に、株価の上方で下落基調にある75日移動平均線(1万7372円)が上値抵抗になりえるため、短期的には両線の間でもみ合い相場が続く可能性は高い。
日経平均株価の想定レンジは1万6600~1万7400円とする。
外国為替市場で円高進行が一服したことが追い風となる。ただ、3月末の権利落ち日以降は需給悪化が懸念される。週後半にかけて重要統計指標の発表が相次ぐことから、様子見姿勢も強まりやすくなる。
米利上げペースが鈍るとの見方が強まり、円高が進んでいたが、前週末の外国為替市場で円相場は一時1ドル=113円台まで下落し、円高への警戒感は薄れてきた。企業の業績を押し下げる円高・ドル安進行が一服したことは、相場の支えとなりそう。
日経平均の価格帯別出来高では、1万6900-1万7100円辺りで商いが膨れており、同水準での攻防が続いている。今週は配当落ちが日経平均で130円程度あるとみられている。この落ち分の再投資といった需給要因もあるが、まずは配当落ちの前段階で1万6900-1万7100円水準を突破しておきたいところ。
4月1日には、3月の日銀の企業短期経済観測調査(短観)や米雇用統計の発表が予定されている。企業の景況感や米利上げの動向を探る上で市場の注目が集まるため、週後半にかけて様子見姿勢が強まりそうだ。
主要外国証券経由の注文動向は、売り350万株、買い700万株で、差し引き350万株の買い越し。買い越しは5営業日ぶり。金額も買い越し。売りセクターに、小売、サービス、情報通信、精密、医薬品など。買いセクターに、電気機器、金属、自動車、小売など。
【材料銘柄】
■テクノスJ <3666>
4月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施する。最低投資金額は現在の2分の1に低下する。
■壱番屋 <7630>
6-2月期(3Q累計)経常が8%増益で着地・12-2月期も12%増益。
■アイエスビー <9702>
IoTに関する企画からシステム構築までを支援するサービス「IoTトータルコーディネート」の提供を開始。
【予定】
28(月)
【国内】
3月末権利付き最終日
《決算発表》
ニトリHD、ヒマラヤ、山下医、大光
《株式分割》※権利取最終日
ワークマン、エンJPN、システムリサーチ、パピレス、あん保証、MRT、PCIHD、ショーケースTV、ハウスドゥ、AMBITION、コニシ、コタ、EMシステムズ、TDCソフト、日本空調、小野薬、アミューズ、寿スピリッツ、トラスト・テック、アルプス物、土木管理
【海外】
米2月個人所得・個人支出(21:30)
米2月中古住宅販売仮契約(23:00)
米3月ダラス連銀製造業活動(23:30)
米2年国債入札
休場:欧州各国、豪、香港、NZ、南アなど(イースター)
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります
25日の欧米市場は、聖金曜日の祝日で休場
【米国見通し】
今週は3月の米雇用統計が4月1日に発表されるなど、注目度の高い米景気指標の発表が相次ぐ。統計をにらみながら米国株式相場も上値を試す展開か。
雇用統計では賃金の増加ペースが焦点だ。事前予想では前月比0.2%増が見込まれている。3月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数も4月1日に公表。原油安とドル高の一巡がどこまで寄与するかが焦点。3月29日のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演も注目度が高い。