03月24日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
24日の東京株式市場は、引き続き手掛かり材料難が続くなか、ベルギーでの連続爆破テロ事件発生に伴う地政学リスク懸念もあり、リスク回避の売りで弱含みの展開となりそうだ。
日経平均予想レンジは、1万6800円-1万7200円。
手掛かり材料難のなか、きのう23日の東証1部の出来高・売買代金が今年最低を記録。引き続き、3月期末接近で国内機関投資家が動きづらい面もあり模様眺め気分が広がる可能性もありそう。
消去法的に、上値圧迫が比較的少ないとみられる直近IPO(新規上場)銘柄や、値動きの軽い小型株などに物色の矛先が向かいそうだ。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1760万株、買い1300万株で、差し引き460万株の売り越し。売り越しは3営業日連続。金額も売り越し。
売りセクターに、小売、金属、不動産、化学、銀行、電機、その他製品、自動車など。
買いセクターに、電機、銀行、機械、サービス、自動車、情報通信、薬品、ゴムなど。
【個別材料株】
■ザイン<6769>
中国自動車メーカーの智車優行科技のスマート電気自動車開発計画で、同社製高速インターフェース製品が採用される
■JALUX<2729>
前田道<1883>と資本・業務提携、常温路面補修材製品「アクアパッチ」を協業により全世界で販売へ
■ファンクリG <3266>
連結対象会社のHMP合同会社が福島二本松太陽光発電所を譲渡した。譲渡先は非公表。譲渡価格は売上高が前期の10%以上、純利益で30%以上の増加が見込まれる。
■マイネット <3928>
スクエニHD <9684> と業務提携。スマホゲーム「三国志乱舞」の運営・開発の移管を受ける。
【予定】
24日(木)
【国内】
3月14・15日開催の日銀金融政策決定会合「主な意見」
《決算発表》
サッポロDGS、オプトエレクト
《新規上場》
ベネフィトJ、ウイルプラス
【海外】
仏・独・ユーロ圏3月PMI速報値(17:00~18:00)
英2月小売売上高(18:30)
トルコ中銀金融政策決定会合(政策金利発表、21:00)
米2月耐久財受注(21:30)
休場:フィリピン、メキシコ、インド
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります

【NY概況】
23日のNYダウ平均は続落した。終値は前日比79ドル98セント安の1万7502ドル59セントで終えた。
NY原油先物相場が1バレル39ドル台後半に大きく下げてエネルギー、素材など資源関連株に売りが膨らんで相場を下押しした。ダウ平均は週初に約2カ月半ぶりの高値を付けるなど短期的な高値警戒感も出ており、原油安をきっかけに利益確定の売りが広がった。
2月の新築住宅販売件数が予想を上振れ、下げ幅をやや縮小したものの、昨日のテロの影響から投資家のリスク回避姿勢が鮮明となっており、終日軟調推移となった。
前日夕に発表した2015年12月~16年2月期決算で売上高などが市場予想を下回ったスポーツ用品のナイキが大幅安となった。下落率は4%に迫り、ダウ平均を構成する30銘柄で最も大きく、指数を押し下げた。
ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落し、前日比52.798ポイント安の4768.861で終えた。
セクター別では、公益事業や食品・飲料・タバコが上昇する一方でエネルギーや耐久消費財・アパレルが下落した。
個別ではバイオ製薬のギリアド・サイエンシズが安い。C型肝炎治療薬の特許使用料の請求を巡る裁判で製薬のメルクに敗訴し、業績への悪影響を警戒した売りが優勢だった、逆にメルクは、買われた。
バイオ製薬のパッドロック・セラピューティクスを買収すると発表した製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブも買収負担を嫌気した売りが出た。建機のキャタピラーや石油のシェブロンなども下げた。
一方で、食品大手のゼネラル・ミルズが高い。朝方発表した四半期決算で、コスト削減により1株利益などが市場予想を上回ったのを好感した買いが優勢だった。
医療保険のユナイテッドヘルス・グループやクレジットカードのビザも買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,502.59 -79.98
S&P500種
2,036.71 -13.09
ナスダック
4,768.861 -52.798
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は3営業日ぶりに反落した。6月物は前日比135円安の1万6790円で取引を終えた。23日の大阪取引所の終値を20円下回った。
原油安で投資家心理がやや悪化し、米株とともに売られた。この日の6月物安値は1万6750円、高値は1万7000円だった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
16790 ( -20 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
16850 ( +40 )
( )は大阪取引所終値比