<兜町カタリスト>
「Tech」
世界株高の傾向の中で日本だけが取り残された格好。
円高のせいとしてしまえばそれまでだが・・・。
「どうしてウチの株だけが」という声も聞かれる。
NYは今年の最高値水準をキープ。
NYダウは先週毎日上げて6日続伸。
週間ベースでもNYダウは1.8%、S&Pは1.3%、NASDAQは1.0%のプラス。
「全人代終了後はPKOがなくなる」と言われた上海株も6日続伸。
一方の東京。
週間ベースでは、日経平均株価は1.3%安で2週続落。
TOPIXは1.0%安でこれも2週続落。
かろうじて東証マザーズ指数は0.5%高で5週続伸(41.7%上昇)。
日経ジャスダック平均は0.2%高で5週続伸(10.5%上昇)。
日経平均は「ダメ押し」という声も聞こえないではないが・・・。
考えておきたいのは、日本は世界と違うというころ。
原油がバレル40ドルになれば株価は下落。
他の国と同じように原油安株安で一緒に踊る愚かしさは何だったのだろう。
アメリカの金利上昇観測が緩めば円高。
そしてどういう訳は円高を嫌う。
いずれ円安が激しくなった時にエコノミストはどう言い訳するのだろう。
消費増税株高を唱えたエコにミストも今は何もなかったかのように「増税反対」。
市場は何が正しく何が間違っているかの判断ではなく、大きな声に反応しがちだから間違えやすい。
安倍首相のコメントに多少変化が出てきた。
「世界経済が大変、不透明感を増している」。
これだけ見ると消費増税延期の布石と読めなくもない。
しかも金曜の夜は赤坂の日本料理屋「佐藤」で加計学園の理事長と食事。
ゴーイング・マイ・ウェイ路線に変わりはない。
興味深いフィンテックの話を先週の佐賀のインフォテリアのIRで伺った。
まずはブロックチェーンの連携。
同社はプライベートブロックェーン「mijin」の開発元テックビューロと提携。
mijinアダプタを開発し同社のアステリアとつなぐ連携を目指している。
すると既存システムにおいてノンプログラミングでブロックチェーン技術を使えるようになる。
ブロックチェーンの特長はデータ改ざん不可能、ダウンタイムなし、劇的コストダウン。
そして様々なフィンテックをカバーできることになる。
例えば決済・信用・融資・送金のサービス等が視野に入る。
またブロックチェーンは単に金融のフィンテックだけではない。
これは結構ミソ。
FinTech(金融)、TransTech(流通)、ManuTech(製造)、
MediTech(医療)、GovTech(公共)など。
さまざまな領域での応用の可能性が視野に入っている。
背景は改ざん許されないデータがあらゆる業界の存在していること。
流通はトレーサビリティ、製造は検査・検証データ、医療は治験データ、公共は登記・試験データなど。
管理者権限での書き換え不可能なmijinの領域は広い。
そしてそれらをつなぐインフォテリアのアステリアがあってこそ両輪になる。
この可能性は大きい。
言葉だけが先行して「わかったようでわからない」のがフィンテク。
ようやく現実の未来が見えた気がする。
(兜町カタリスト櫻井)