<兜町カタリスト>
「賢くない」
NYダウは22ドル高の17251ドルと3日続伸。
NASDAQとS&P500指数は反落でマチマチの動き。
FOMCの結果待ちで方向感のない様子見モード。
モルガン・スタンレーが3月のiPhone需要が予想を上回るペースで推移していると指摘したアップルが2%上昇。
これがダウのプラスにつながった格好。
2月の小売売上高は前月比0.1%減で市場予想ほど減少しなかった。
ただ1月分が0.2%増から0.4%減に下方修正されたことは悪材料視。
WTI原油先物価格がバレル36ドル台まで下落したが材料視はされず。
VIX(恐怖)指数は16.84%まで低下した。
毎年3月のNY株式は上昇基調の傾向。
明朝のFOMCそして今週末の先物決済を通過すれば月末に向けて強い動きと見たい。
4日続落できず日銀金融政策決定会合をノーサプライズで通過した昨日後場は下落幅拡大。
「火曜後場は下落傾向」の通常アノマリーが戻ってきた印象。
騰落レシオは114%→109%、
25日移動平均からのかい離率はプラス5.5%→プラス4.7%まで低下した。
松井証券信用評価損益率速報で売り方はマイナス9.768%、買い方はマイナス8.662%。
依然買い方優勢の状態。
3月11日現在の信用買い残は5週間ぶりに1183億円増加し2兆5680億円となったが重荷ではない。
売り残は4週ぶりの減少。
「木・金連騰が過去3週間続いており水曜下落なら好タイミング」という声と
「火曜後場の下落→水曜後場の上昇アノマリーの復活」という声が交錯して聞こえてくる。
懸念されていたのは中国の国営中央テレビのこの時期恒例の特番。
例年3月15日の世界消費者権利デー」に合わせて放送されてきた。
過去米アップルや独フォルクスワーゲン、日産自などが標的となり対応に迫られた経緯がある。
今年は外資叩きではなく、中国の出前代行サイトの虚偽情報がターゲット。
すこしおとなしくなったというか、見向きされなくなったというか。
少しの変化が感じられる出来事だった。
昨日の日経朝刊で際立ったのはインタビュー。
一つは投機家のジム・ロジャース氏。
「肝心なのは問題を直視すること。
競争力の衰えた企業をつぶし、負債を削減することだ。
だが政治家や当局はこうした痛みを避けたがる。
負債の増加がそもそも景気の重荷なのに、景気下支えを狙ってさらに負債を増やそうというから驚きだ。
アベノミクスは間違ったことをしている。
政府の債務はさらに増え、通貨安にもなっている、
歴史的に通貨安によって経済を中長期的に回復させた国はない」。
ロシアの短期国債やカザフスタンへの投資などどうでもいいが「通貨安で経済は回復しない」。
これは正論である。
そして浜田内閣参与のインタビューは「消費増税は賢くない」。
「消費税の再引き上げは見直した方が日本経済にとって安全と思う、
3党合意は前の船長が決めた話。
荒波がひどくなって日本経済が難破しそうになったらやっぱりやめた方がいい。
ここで無理に消費税を上げて日本経済が揺らぐと世界経済全体が怪しげになる。
IMFや世銀に出向しているのは財務省や日銀の人が多い。
省益のために日本経済は大変と宣伝している」。
これも正論。
そしてなぜかスイス大使になった本田内閣参与。
「消費増税を凍結する以外に道はない。
消費税率を現行の8%から7%に下げて国民に対スるメッセージを明確にする選択肢もある」。
どうも外堀は埋まってきた格好だが・・・。
止めるなら早くやめてというのが市場の声。
先週のメジャーSQはSQ値16586円で通過。
2月のSQ値15156円よりも1430円の上方かい離での決着。
過去2回は前回比1500円超の下方かい離だったから大変化だ。
因みに・・・。
3月プラス1430円。
2月マイナス2263円。
1月マイナス1523円。
それ以前は11月1359円。
9月マイナス2420円。
7月マイナス1014円。
6月プラス1203円。
結構大きく開いていた。
面白いのは「16000円台での決着は07年1月以来」との声。
確かにアベノミクススタート以来13000円台、14000円台があり
15000円台から17000円台にワープした。
だからと言って昨年4月20008円、6月20473円、8月20540円。
これより上なら理解できるがただ「16000円台は初」と言われても変。
市場と言うのは枝葉末節にこだわる癖がある。
因みに・・・。
日経平均株価はSQを通過して6月限での売買。
3月期末の権利配当分をおとしたプライス。
一方現物は28日まで3月権利配当月のプライス。
29日に権利配当落ちで一緒になる。
3月の日経平均の管理配当落ち予想は112.80円。
80~90円程度だったが増配などで増えてきた。
(兜町カタリスト櫻井)