03月11日 相場概況(前引け)

【前引け概況】
11日午前の日経平均株価は反落し、前日比146円80銭安の1万6705円55銭だった。
ECBは10日の定例理事会で追加の金融緩和を決めた一方、ドラギ総裁が今後の緩和に慎重な姿勢をみせたことで、さらなる利下げには慎重との受け止めから、欧米株式相場が下落。日本株にも売りが波及した。
ただ、朝方に取引が一巡した後は下げ渋った。ECBは10日にマイナス金利幅の拡大だけでなく量的緩和を拡充する政策も決めた。市場予想を上回る内容と評価する雰囲気も一部でじわりと広がり、下値での買い戻しにつながった。
朝方発表の法人企業景気予測調査によると、1~3月期の大企業全産業の景況判断指数はマイナス3.2だった。3四半期ぶりのマイナスとなったが円高に伴う輸出採算の悪化が警戒されているため、「材料視するムードは乏しかった」という。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反落した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆7750億円、売買高は15億1444万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は983と、全体の半分強を占めた。値上がりは793、変わらずは166銘柄だった。
外国為替市場で円相場が円高・ドル安方向に振れ、輸出株のトヨタや富士重が下落した。高浜原子力発電所3号機の運転を止めた関西電は続落。
個別では、日経平均への影響が大きい値がさのファストリやソフトバンク、ファナックが下げた。ダイキン工業、JT、高島屋、ラウンドワンが安い。一方、金融の三菱UFJや三井住友FG、みずほFGなどメガバンクがしっかり。今期が最終増益になるとの見通しを示した積ハウスが上げた。ペプチドリームが急騰、ディップ、市光工業なども買われた。
3月限SQ概算値は16586.95円 -265.40円(暫定値)
3月限SQ概算値は16586.95円(暫定値)
前日比 -265.40円
東証2部指数は反落した。前引けの2部指数は、前日比8.23ポイント安の4287.05となった。個別銘柄では、イーグランド、インタートレ、カーチスHD、アートSHDと朝日インテクが下げた、一方、サイオスがストップ高。日カン、インテリックス、ラオックスが上げた。

【新興株前引け】
日経ジャスダック平均株価は小幅続伸した。前引けは前日比5円50銭高の2421円58銭だった。投資家の関心が新興企業向け市場に向かった。朝方は欧米株安による投資家心理の悪化で売りが優勢だったが、上昇に転じた。
中小型株に個人などの買いが集まった。バイオ関連や人工知能(AI)関連の上昇が目立った。
ジャスダック市場の売買代金は概算で434億円、売買高は1億4510万株。個別銘柄ではJCコムサ、シンデンハイテク、フィスコ、サン電子、Tホライゾン、岡本硝子が上昇した。一方、トレイダーズHD、日邦産業、アドアーズやシンワアート、アイサンテクは下げた。
東証マザーズ指数は続伸。前引けは前日比15.98ポイント安い936.09だった。個別銘柄ではアクセルM、サイジニアがストップ高。そーせいやサイバダイン、ロゼッタが買われた。半面、マーケットエンタ、REMIX、パス、インベスCやミクシィ、トランスGは売られた。
きょう新規上場したフィットは、9時12分に公開価格(1890円)を149円(7.9%)下回る1741円で初値を付けた。午前の終値は1673円だった。