03月08日 相場概況(前引け)

【前引け概況】
8日午前の日経平均株価は続落し、前日比276円06銭安の1万6635円26銭で前場を終えた。
寄り付き、小幅安で始まったものの、その後は一貫して下値模索の展開を強いられ、一時300円を超える下げで1万6500円台まで水準を切り下げる場面があった。
外国為替市場で円相場は1ドル=112円台後半を付ける円高・ドル安方向に推移した。海外事業の円建て収益の目減りや輸出採算の悪化による影響が懸念され、自動車株や精密株など売られた。円高は投資家心理の悪化につながり、徐々に幅広い業種にも売りが広がった。
前引け際に日経平均は若干下げ渋った。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続落した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆1897億円、売買高は12億6498万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1766と、全体の約9割を占めた。値上がりは119、変わらずは56銘柄だった。業種別TOPIXは33業種すべてが下落した。
個別では、新株予約権付社債(転換社債=CB)の発行を発表したスズキは大幅安。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが安く、住友鉱と三菱ケミHDが下げ、医薬品の小野薬とエーザイも下落。マネーパートナーズグループも利益確定売りに大幅安、東芝と住友電の下げも大きかった。一方、組織再編を発表したソフトバンクは上昇。ファナックとコマツは上げた。ピジョン、デンカも買いが優勢。ダブル・スコープが値を飛ばし、サンデンホールディングスも買われた。
東証2部株価指数は5営業日ぶりに反落。個別銘柄では、ぷらっと、くろがね工作所、ウインテスト、ラオックスやアートSHDが下げた、一方、インタートレがストップ高。郷鉄工所、オリチエン工業、ダイナパック、象印は上げた。

【新興株前引け】
日経ジャスダック平均株価は9日ぶりに反落した。前引けは前日比16円32銭安の2403円08銭だった。円相場の円高・ドル安を背景に日経平均株価が大きく下げ、投資家心理が弱気に傾いた。新興市場にもリスク資産を敬遠する売りが波及した。
このところ新興市場には資金流入が続いていたため、目先の利益を確定する売りも出たようだ。ジャスダック市場の売買代金は概算で357億円、売買高は1億1272万株。
個別銘柄ではフォーサイド、クレオ、日本ラッド、トレイダーズやFVC、アイサンテクが下落した。一方、はがきや住所録作成ソフトを開発する筆まめ(東京・港)の買収を発表したソフトフロンが大幅に上昇。アクモス、コスモバイオ、アクサスHD、GMOペパボも買いを集めた。
東証マザーズ指数は7日ぶりに反落した。前引けは前日比28.54ポイント安い907.45だった。主力のそーせいやミクシィが下げ、前日発表の決算が振るわなかったBガレージの下げが目立った。INSPEC、Bガレジ、アンジェス、REMIXが売られた。半面、アイビーシーがストップ高。株式分割を発表したアンビションが大幅に上昇し、ネットイヤーやアドウェイズ、メディア工房、オンコリスバイオも買われた。