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03月07日 個別銘柄情報 [2492]インフォマート

[3月07日更新]

インフォマートは16年12月期増収増益基調、グローバルなBtoBインフラ企業目指す

 インフォマート<2492>(東1)はフード業界向け中心に、企業間電子商取引プラットフォーム「BtoBプラットフォーム」各種システムを提供している。ストック型ビジネスモデルで16年12月期も増収増益基調が予想される。また2月15日発表の中期経営計画では2020年までに、あらゆる業界にBtoBプラットフォームを提供し、グローバルなBtoBインフラ企業を目指すとしている。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが調整一巡して切り返しの動きを強めている。中期成長シナリオに変化はなく出直り展開だろう。

■企業間ECプラットフォームを運営

 企業間で行われている世界共通の商行為を電子化する企業間電子商取引プラットフォーム「BtoBプラットフォーム」を運営している。16年1月、従来の商行為ごとに特化した個別ASPシステム(ASP受発注システム、ASP規格書システム、BtoB電子請求書プラットフォーム、ASP商談システム)から発展させて、サービスブランドを現「BtoBプラットフォーム」に変更した。

 新サービス名は、企業間の受発注業務をWeb上で行うBtoBプラットフォーム受発注、食の安全・安心の商品仕様書DBであるBtoBプラットフォーム規格書、企業間の請求書発行・受取業務をWeb上で行うBtoBプラットフォーム請求書、BtoB専用の販売・購買システムであるBtoBプラットフォーム商談とした。

 現在はフード業界向け「FOODS info Mart」で、外食チェーンと食材卸の間の受発注をWeb上で行うBtoBプラットフォーム受発注が主力サービスである。なお16年1月には食品卸会社のデータ受注拡大を支援する新サービス「BtoBプラットフォーム受発注ライト機能」をリリースした。

 サービス拡充の一環として、フード業界企業向け総合マーケティングサービス「BtoB F-Marketing」や、フード業界向け情報発信の総合ポータルサイト「フーズチャネル」も運営している。

 子会社はインフォライズがクラウドサービス事業、インフォマートインターナショナル(香港)が海外「BtoBプラットフォーム」事業を展開している。なお15年3月に日立システムズとの合弁事業契約を解消し、インフォライズに対する日立システムズ出資分49%を譲り受けてインフォライズを完全子会社化した。

■事業セグメント区分を変更

 なお15年12月期から事業セグメント区分を変更し、ASP受発注事業(ASP受発注システム)、ASP規格書事業(ASP規格書システム)、ES事業(BtoB電子請求書プラットフォームおよびASP商談システム)、その他(海外・メディア事業など)とした。

 そして16年1月にサービスブランドを変更したことに伴い、16年12月期から事業セグメント区分を変更した。新セグメントは受発注事業(BtoBプラットフォーム受発注)、規格書事業(BtoBプラットフォーム規格書)、ES事業(BtoBプラットフォーム請求書およびBtoBプラットフォーム商談)、その他(海外・メディア事業など)とした。

■利用企業数、取引高、そして月額システム使用料収入は増加基調

 15年12月期末時点の「FOODS info Mart」利用企業数(海外事業を除く)は、14年12月末比1868社増加の3万9028社(売り手企業が同1917社増加の3万1836社、買い手企業が同49社減少の7192社)となった。また15年12月期末の利用事業所数は22万7243事業所で、フード業界全体の118万6312事業所(総務省「平成24年度経済センサス-活動調査」14年2月26日公表)に対するシェアは19.1%となった。

 そして「FOODS info Mart」における15年の年間システム取引高は14年比20.0%増の1兆1768億円となった。外食産業の仕入金額(13年の外食産業市場規模23兆9046億円の30%を前提として算出した7兆1713億円)に占める割合は、13年の12.4%、14年の13.6%から、15年には16.4%に上昇した。

 BtoB電子請求書プラットフォーム(14年11月開始)は15年12月末時点の契約社数(有料ID・PW発行ベース)が884社(受取モデル657社、発行モデル227社)となり、16年2月時点では1050社(受取モデル764社、発行モデル286社)に拡大した。また利用企業数は15年12月末時点で4万8478社となり、2月19日には利用企業数5万社、利用者数5万6543ID、16年1月の月間流通金額が370億円を突破したと発表している。

■業界標準化に向けたシステム連携を強化

 中期成長戦略として、業界標準化に向けたシステム連携によるフード業界向けBtoBビジネスの強化、ASP受発注システムの業態およびエリアの拡大、他業界BtoB展開としての美容業界向け「BEAUTY info Mart」や医療業界向け「MEDICAL info Mart」による事業領域拡大、次世代BtoB&クラウドプラットフォームの拡販、顧客ニーズに対応した新機能・サービスのリリース、そして海外事業などを推進している。

 アライアンス戦略では13年5月にJFEシステムズ<4832>、13年6月に東芝テック<6588>、13年11月に東京システムハウス、14年10月にヤマトホールディングス<9064>傘下のヤマトシステム開発とデータ連携した。

 15年1月には全国の商工会議所・商工会等が運営する「ザ・ビジネスモール(B-MALL)」の事務局を務める大阪商工会議所と、全国の企業へ電子請求を推進することを目的として業務提携した。BtoB電子請求書プラットフォームによる企業のコスト削減・効率化で企業の利益アップを応援する。

 15年4月には企業の受発注・請求業務の生産性向上を提供するため、内田洋行<8057>やミロク情報サービス<9928>など19社24ソリューションが提供する販売管理・会計・店舗管理システムとのデータ連携を強化した。そして15年末現在で「BtoBプラットフォーム受発注」は約66社が提供する販売管理・会計・店舗管理など79システムとデータ連携している。

 また16年1月にはトヨシマビジネスシステム(名古屋市)の「Apparel-ZONE3」とシステム連携、16年2月にはビコシステム(岡山市)の「はんなり匠」とシステム連携した。

 企業の受発注業務、請求業務、会計処理などにおける生産性向上を提供し、BtoB標準のプラットフォームを実現するため、他社とのシステム連携戦略を強化し、今後3年間で利用企業数100万社への普及を目指すとしている。

■ストック型ビジネスモデル

 顧客企業はネット環境さえあれば月々低料金で最新サービスを利用できるため、大手の食材卸売企業や外食・中食チェーンも利用し、電話やFAXからWebに切り替えて受発注する企業・店舗が増加基調だ。そして利用企業数の増加に伴って月額課金のシステム使用料収入が増加するストック型収益構造である。

 なお14年12月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月~3月)11億57百万円、第2四半期(4月~6月)12億06百万円、第3四半期(7月~9月)12億66百万円、第4四半期(10月~12月)13億48百万円、営業利益は第1四半期4億23百万円、第2四半期4億17百万円、第3四半期5億46百万円、第4四半期5億57百万円だった。

 売上高、利益とも拡大基調である。14年12月期の売上総利益率は77.0%で13年12月期比11.3ポイント上昇、販管費比率は38.0%で同2.4ポイント低下した。既存プラットフォームの期間短縮による償却が13年12月期に完了したことも寄与した。ROEは32.3%で同11.7ポイント上昇、自己資本比率は70.8%で同5.5ポイント上昇した。配当性向は49.1%だった。

■15年12月期は計画をやや下回ったが増収増益

 2月15日発表した前期(15年12月期)の連結業績は、売上高が前々期(13年12月期)比13.1%増の56億32百万円、営業利益が同7.7%増の20億94百万円、経常利益が同4.0%増の20億40百万円、純利益が同11.1%増の13億08百万円だった。売上高、利益とも計画をやや下回ったが、増収増益だった。

 利用企業数増加や利用拡大によって月額課金のシステム使用料が順調に伸長した。セグメント別売上高はASP受発注事業が同14.0%増の33億57百万円、ASP規格書事業が同29.3%増の9億59百万円、ES事業が同1.7%増の12億21百万円、その他が同0.3%増の1億35百万円だった。

 ASP受発注システムは、買い手企業が前期末比248社増加の1706社、店舗数が同5010店舗増加の3万5314店舗、売り手企業が同1884社増加の2万8240社、システム取引高が同22.4%増の1兆1419億円となった。14年11月開始のBtoB電子請求書プラットフォームは、契約社数が前期末比588社増加の884社(受取モデルが同458社増加の657社、発行モデルが同130社増加の227社)となった。

 コスト面では、システム開発に伴うソフトウェア償却費の増加、今後の利用拡大に向けたサーバー増強に伴うデータセンター費の増加、事業成長に向けた営業部門の人員増に伴う人件費の増加があり、営業外費用で東証1部上場関連費用を計上したが、増収効果で吸収した。

 なお売上総利益率は72.9%で同4.1ポイント低下(14年12月期は既存プラットフォームの期間短縮による償却が13年12月期に完了したことも寄与)し、販管費比率は35.7%で同2.3ポイント低下した。営業外収益では為替差益が減少(前々期21百万円計上、前期1百万円計上)し、営業外費用では株式交付費25百万円、上場関連費用25百万円を計上した。特別損失では減損損失32百万円が一巡した。ROEは19.5%で同12.8ポイント低下、自己資本比率は85.2%で同14.4ポイント上昇した。

 配当予想は年間11円76銭(第2四半期末5円88銭、期末5円88銭)としている。15年1月1日付の株式2分割を考慮して前々期実績の年間19円38銭を9円69銭に換算すると、実質的に2円07銭増配となる。配当性向は56.3%である。配当政策については個別業績に応じた配当性向50%を基本方針としている。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(1月~3月)13億10百万円、第2四半期(4月~6月)14億04百万円、第3四半期(7月~9月)14億32百万円、第4四半期(10月~12月)14億86百万円、営業利益は第1四半期5億11百万円、第2四半期4億77百万円、第3四半期5億44百万円、第4四半期5億62百万円だった。

■16年12月期も増収増益基調

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(2月15日公表)は、売上高が前期(15年12月期)比18.1%増の66億49百万円、営業利益が同9.4%増の22億92百万円、経常利益が同12.2%増の22億89百万円、そして純利益が同13.2%増の14億81百万円としている。

 各システムの利用企業数増加や利用拡大によって、月額課金のシステム使用料が順調に伸長する。既存システムのバージョンアップや全業界向けBtoBプラットフォーム開発に伴うソフトウェア償却費の増加、事業成長に向けた人員増に伴う人件費の増加、テレビCMによる販促費の増加などを増収効果で吸収する。売上総利益率は同1.3ポイント低下の71.6%、販管費比率は1.5ポイント上昇の37.2%の想定としている。

 セグメント別売上高は、受発注が同14.3%増の38億38百万円、規格書が同28.0%増の12億28百万円、ESが同20.7%増の14億73百万円、その他が同7.8%増の1億45百万円の計画としている。

 配当予想は同4銭増配の年間11円80銭(第2四半期末5円90銭、期末5円90銭)としている。予想配当性向は51.7%である。配当政策については個別業績に応じた配当性向50%を基本方針としている。

 なお商品ブランド変更および事業セグメント変更に伴って、利用社数などの表記も変更する。変更後の表記によると、業界は全業界(従来はフード業界中心)で、社数は無料利用を含む社数(従来は有料利用社数)で15年12月期実績は6万2039社、事業所は本社・支店・営業所・店舗(従来は無料利用社数を含む本社・支店・営業所・店舗)で15年12月期実績は28万167事業所、流通金額は全業界の受発注金額と請求書金額(従来はフード業界の受発注金額)で15年12月期実績は1兆3678億円となる。

■中期経営計画を策定

 2月15日に16年12月期~18年12月期の中期経営計画を発表した。中期経営方針を、フード業界の徹底的なシェア拡大(BtoBプラットフォーム受発注の利用拡大)、電子請求プラットフォームのデファクト化(BtoBプラットフォーム請求書の全業界展開、BtoB電子商取引プラットフォームの構築(15年12月期の調達資金をシステム開発へ重点投資)とした。

 フード業界の徹底的なシェア拡大では、18年12月期までの目標として利用企業数5万社(15年12月期実績3.9万社)およびシステム取引高・外食シェア2兆円・30%(同1.2兆円・16%)を目指す。電子請求プラットフォームデファクト化では、18年12月期までの目標として利用企業数100万社(同4.8万社)およびシステム取引高3兆円(同1261億円)を目指す。BtoB電子商取引プラットフォームの構築では、システムコンセプトとして全業界対応BtoBプラットフォーム(同フード業界ASPシステム)を目指す。

 経営目標値には18年12月期の売上高95億円(受発注47億28百万円、規格書15億44百万円、ES28億39百万円、その他4億29百万円)、営業利益36億03百万円、経常利益36億円、純利益24億23百万円を掲げた。中期の配当計画については、個別業績に基づく基本配当性向50%を継続し、17年12月期の年間配当13円08銭、18年12月期の年間配当17円48銭を計画している。

 そして2020年までに、あらゆる業界にBtoBプラットフォームを提供し、グローバルなBtoBインフラ企業を目指すとしている。積極的な事業展開で中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株価は調整一巡して切り返し

 株価の動きを見ると、地合い悪化も影響して2月中旬に900円台半ばまで調整したが、1月21日の933円を割り込むことなく切り返しの動きを強めている。3月2日には1149円まで上伸する場面があった。調整が一巡したようだ。

 3月4日の終値1062円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円34銭で算出)は46倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円80銭で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS145円16銭で算出)は7.3倍近辺である。時価総額は約689億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえ、大勢としては950円~1300円のレンジでボックス展開の形だが、下値固め完了感を強めている。中期成長シナリオに変化はなく、調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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