03月07日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
7日の東京株式市場は、日経平均で1万7000円を挟んだもみ合いとなりそう。
日経平均の予想レンジは1万6900円-1万7200円を想定する。
前週末の欧米株式が堅調に推移したことを受け、買い先行でスタートしそう。ただ、フシ目の1万7000円を回復したことから、戻り待ちの売りも控えているとみられ、上値が重くなることも考えられるが、目先の底打ちへの期待が一段と強まり、買いが優勢の地合いが続くと予想する。
主要外国証券経由の注文動向は、売り710万株、買い2030万株で、差し引き1320万株の大幅買い越し。買い越しは3営業日連続。金額も買い越し。売りセクターに、薬品、金属、食品、自動車、REIT、空運など。買いセクターに、通信、サービス、銀行、化学、機械、運輸、海運、情報通信など。
【注目材料銘柄】
■小野薬<4528>
同社株の流動性を高め投資家層の拡大を図るため、3月31日を基準日、4月1日を効力発生日に1株を5株に分割
■常磐開発<1782>16年3月期の連結利益予想を上方修正、株式上場20周年の記念配当2円を実施し期末一括配当15円と合わせ17円(前期実績15円)に増額へ
■コスモバイオ <3386>
がん研究用抗体「抗 LAT1-CD98 抗体」を販売開始。同抗体と専用装置を用いることで、これまで困難だった「LAT1-CD98 複合体」を発現しているがん細胞の単離・濃縮を容易に行うことができる。新たながん治療薬の開発につなげる。
■アルプス物流 <9055>
3月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施する。最低投資金額は現在の2分の1に低下する。
■7(月)
【国内】
1月景気動向指数(14:00)
《決算発表》
ピジョン、日ハウスHD、学情、アスカネット、Bガレージ、萩原工業
【海外】
ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
独1月製造業受注(16:00)
フィッシャーFRB副議長講演(8日3:00)
米1月消費者信用残高(8日5:00)
《決算発表》
アーバン アウトフィッターズ
休場:インド
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります

【NY概況】
4日のNYダウ平均は4日続伸した。終値は前日比62ドル87セント高の1万7006ドル77セントだった。
1月5日以来およそ2カ月ぶりの高値を付け1万7000ドル台を回復した。米雇用情勢の改善が好感されたほか、原油先物相場の上げが米株式への買いを後押しした。
2月雇用統計で非農業部門雇用者数が24万2000人増と予想を大幅に上回ったほか、失業率も前月比横ばいの4.9%と好調な内容となった。
堅調な米国の雇用情勢が好感される一方で、追加利上げへの警戒感から、朝方は揉み合う展開となった。
ダウ平均は週間では3週続けて上昇し、この間の上げ幅は1000ドルを超えた。米株式には短期的な高値警戒感も浮上しやすく、目先の利益確定を目的とした売りが出て相場の重荷となった。
しかしながら、雇用統計では賃金の伸びは鈍化し、インフレ圧力が強まりにくい環境が改めて意識された。米連邦準備理事会(FRB)による早期の利上げ観測も高まりにくく、緩和的な金融政策が長引くとの思惑も米株式の買い安心感につながった。
ナスダック総合株価指数は小幅に4日続伸した。前日比9.598ポイント(0.2%)高の4717.021で終え、1月6日以来およそ2カ月ぶりの高値を付けた。セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や素材が上昇する一方で耐久消費財・アパレルや医薬品・バイオ
テクノロジーが下落した。
個別では銃器製造大手のスミス・アンド・ウェッソンが高い。前日夕に発表した2015年11月~16年1月期決算が大幅な増収増益で市場予想を上回ったため、買いが集まった。
中国の商業不動産大手、大連万達集団の傘下で同業のAMCエンターテインメントが買収を発表した米映画館チェーンのカーマイク・シネマズが急伸。化学のデュポンや建機のキャタピラー、アップルが上昇した。
一方で、事務用品販売のステープルズが安い。発表した四半期決算で業績が市場予想を下回ったことを嫌気した売りが出た。ホーム・デポや製薬のファイザー、マイクロソフトが下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,006.77 +62.87
S&P500種
1,999.99
ナスダック
4,717.021 +9.598
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は4日続伸し、約1カ月ぶりに1万7000円を回復して引けた。
3月物は前日比185円高の1万7030円で引けた。4日の大取終値を30円上回った。2月の米雇用統計や原油高を受け景気先行き見通しが改善し、米株とともに買われた。この日の3月物高値は1万7175円、安値は1万6855円。