03月03日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
3日の東京株式市場は、もみ合いながらもしかりした展開。きのう2日に大幅反発した反動から、売りが先行することも想定される。
日経平均株価予想レンジは、1万6700円-1万6900円を想定する。
昨日の大幅高で25日線を上に抜けており、下は同水準がサポートになると考え押し目買いに下げ渋りの動きを示す可能性もありそう。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1270万株、買い2360万株で、差し引き1090万株の大幅買い越し。買い越しは5営業日ぶり。金額も買い越し。売りセクターに、ゴム、電機、化学、陸運、情報通信、食品など。買いセクターに、通信、電力、鉱業、電機、銀行、自動車、食品、運輸など。
【注目の材料銘柄】
■菱洋エレク<8068>
在庫評価損の一部戻入れが生じたことに加え、販売管理費の削減が奏功、16年1月期の連結利益予想を上方修正
■ABCマート<2670>
平日が1日多かったことやインバウンド(訪日外国人観光客)需要を取り込み、2月既存店売上高は前年同月比9.0%増と2カ月連続で前年同月を上回る
■Rフィールド <2910>
16年4月期第3四半期累計(15年5月-16年1月)の連結経常利益は前年同期比28.8%増の19.5億円に伸びて着地。
■アプリックス <3727>
中国の大手製造メーカー Dynasty Home Appliance & Technolgy が同社のIoTソリューション搭載製品を米国展示会に出展。OEMメーカーとの協業でIoT製品の販路拡大を図る。
■メドレックス <4586>
米国で開発中の消炎鎮痛貼付剤「ETOREAT」の臨床試験を開始。承認申請は17年前半を予定。
【予定】
■3(木)
【国内】
2月日経PMIサービス業(11:00)
《決算発表》
くらコーポ、ダイサン、アルチザ、泉州電
《新規上場》
中本パックス
【海外】
NZで国旗変更の是非を問う国民投票(~24日まで)
豪1月貿易収支(9:30)
中国2月財新PMIサービス業(10:45)
ユーロ圏1月小売売上高(19:00)
米2月ISM非製造業景況指数(4日0:00)
米1月製造業受注(4日0:00)
ブラジル10-12月期GDP(21:00)
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります

【NY概況】
2日のNYダウ平均は小幅に続伸した。終値は前日比34ドル24セント高の1万6899ドル32セントだった。軟調な原油先物相場につれて米株式には売りが先行した。
午前にダウ平均は下げ幅を100ドル近くまで広げる場面があった。
だが原油価格が値を戻すと買い戻しが増え、午後に入るとダウ平均は前日の終値を挟んだ水準で膠着感を強めた。
地区連銀経済報告(ベージュブック)で大半の地区で経済活動が拡大したとの認識が示されると、追加利上げへの警戒感から上値の重い展開となった。
米民間雇用サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が朝方発表した2月の全米雇用リポートでは雇用者数の伸びが市場予想を上回った。低迷していた米製造業の景況感に改善の兆しがみられることもあり、米景気の先行きへの過度の警戒が和らぎ、相場を支えた。
4日の雇用統計への期待感から、引けにかけて緩やかに上昇した。
米大統領選の予備選と党員集会が集中した1日の「スーパーチューズデー」では民主党でヒラリー・クリントン前米国務長官、共和党では不動産王ドナルド・トランプ氏が支持を集めた。ただ、結果に対する市場の受け止めは分かれ、今後の動向を見極めたいとして相場を方向付ける材料とはならなかった。
ナスダック総合株価指数も小幅に続伸し、前日比13.827ポイント高の4703.422で終えた。
セクター別では、エネルギーや銀行が上昇する一方で素材や消費者・サービスが下落した。
個別ではアバクロンビー・アンド・フィッチが高い。朝方発表した2015年11月~16年1月期決算で1株利益などが市場予想を上回ったことを好感した買いが入った。
四半期決算で最終損益が赤字となったトリビューンも買われた。エクソンモービルのほか、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やIBMが上げた。
一方、モンサントが安い。取引開始前にアルゼンチンの通貨切り下げなどの悪影響を踏まえて収益見通しを下方修正したのを嫌気した売りが膨らんだ。デュポンやナイキ、ウォルト・ディズニーなども下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
16,899.32 +34.24
S&P500種
1,986.45
ナスダック
4,703.422 +13.827
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。3月物は前日比185円高の1万6700円で取引を終えた。2日の大阪取引所の終値は40円下回った。原油相場の上昇や堅調な雇用指標を手掛かりに米景気の先行き懸念が和らぎ、米株とともに買われた。
この日の3月物高値は1万6830円、安値は1万6475円だった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
16700 ( -40 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
16710 ( -30 )
( )は大阪取引所終値比