<兜町カタリスト> 「罫線は暗く」
NYダウは348ドル高の16865ドルと大幅反発。
NASDAQとS&P500指数は高値引け。
背景は経済指標の好調との解釈。
ISM製造業景気指数は前月の48.2→48.5へ上昇。
市場予想の48.5を上回って着地。
1月建設支出は2007年以来の高水準。
2月の自動車販売台数は前年同月比6.9%増の134万台。
季節調整済みの年率換算では1754万台と最高水準。
こうなると「景気良好で利上げ懸念」などという声が聞こえてこなくなる。
WTI原油先物価格はバレル34ドル台まで約2%上昇。
面白かったのはその解釈。
「原油供給過剰をめぐる懸念から下落していたものの、米株価上昇に追随し上げに転じた」。
株は原油価格を変動要因とし、為替も株を変動要因とする。
そして株は原油と為替を変動要因とする世界。
誰も自分が原因になりたくないのは市場ではなく市場関係者に過ぎないのだろう。
バンカメ・メリルはS&P500の構成銘柄の2016年の1株利益見通しを120ドルに下方修正。
これは見えないフリ。
3月第1週あるいはスーパーチューズデーは株高のアノマリーに沿った大幅高とも言える。
日米ともに3月初日は明るく引けた。
昨日の日経平均は58円高の16085円と反発したが、空売り比率は41.0%と再び40%台。
東証1部の単純平均株価は5円安の2568円と今年最低水準で日経平均だけが頑張った印象だった。
「2月も1日は348円高と高かった。ここから逆に叩き込まれた経緯がある」という声も聞こえた。
シカゴ225先物終値は16515円。
節目の16340円を一気に抜いてきた。
2016年度予算は月内成立の見通しとなり次に期待されるのは経済対策。
そして消費税の是非。
日経1面でも「増税凍結」や「衆参同時選」などの活字が躍り始めたから市場テーマとなってきた。
25日移動平均線は16458円。
先週末はココで跳ね返されたが今回は越えて欲しいところ。
25日と75日のレンジとなれば次は75日線の18019円を奪還出来るシナリオが欲しいところ。
「欧州銀、収益に懸念残る」としながらも欧州株は4日続伸。
結局、株は材料は刺身のツマで、上がりたいときに上がり下がりたいときに下がる。
小手先の経済指標論議よりも大きなうねりを感じることの方が大切な世界だろう。
それでも局地的きらめき材料にこだわるから相場観が姑息且つ貧相になるような気がする。
パリバショックからリーマンショックの時の罫線に今は似ている。
そう言われる一方で今朝は「95年の罫線に似ている」と日経スクランブル。
日経平均の年初が今年は6日続落で95年は4日続落。
夏に参院選挙を控えているのも同じ。
「同じ値動きになる可能性もある」とテクニカルアナリストの声。
しかし株価は本当に過去の値動きを反芻して生きているのかどうかは不明。
過去にしか例を求めないのはテクニカルアナリスト。
もしも本当に過去の値動きを今の株価が踏襲するものなら苦労はない。
何か目印が欲しいのはテクニカルもファンダメンタルも一緒でもある。
でも過去にこだわり過ぎると未来は過去の範囲でしか類推できないもの。
未来志向の相場観が必要なのに過去にこだわるから相場が萎縮するのかも知れない。
全世界の人類の経済活動が1枚の罫線の左側に集約されては欲しくないもの。
この呪縛がある限り、罫線は暗く、明るい未来は描きにくくなる。
金曜・月曜に上値を阻まれたのは「勝手雲の先行2」の16385円。
つまり勝手雲の上限が16385円ということ。
ここを抜ければ短期的には青空になる。
そして下限は転換線の16052円。
昨日はここを終値でキープしたかったと紙芝居的解釈。
今は黒の勝手雲は3月11日に白くねじれそうな気配だが・・・。
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《兜町ポエム》
「WINDING ROAD」
曲がりくねった相場の先に
待っているいくつもの小さな光
まだ遠くて見えなくても
一歩ずつただそれだけを信じて行こう
全てを利食えなくてもありのままの心で
何かをただ一つだけ
持ち続けている限りその誇らしげな株価には
何にも負けないほど大きなやさしさがあふれだしてる
曲がりくねった相場の先に
待っているいくつもの小さな光
まだ遠くて見えなくても
一歩ずつただそれだけを信じて行こう
負け犬みたいな相場観じゃ何にもつかめやしないと
開いたチャートのすきまから
いつか手にしたままの夢や憬れの種が
チョットだけ気づいて欲しそうに明日へと芽を出してる
逃げ出していた昨日よりも
ぶつかりあった今日に感じた勇気
立ち止まった株価を連れて
夢見てたコイツの未来に会いに行こうか