03月02日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
2日の東京株式市場はシカゴ市場日経平均先物の清算値(1万6515円)で、同清算値にサヤ寄せするスタートになるとみられる。寄り付きから大幅高が想定される。
日経平均株価予想レンジは、1万6100円-1万6700円を想定。
その後は、日経平均株価の25日線(1日時点:1万6458円)を意識する場面もありそう。同線を終値ベースで上回れるかどうかに、注目が集まりそうだ。
25日線を一気に上に抜ければ、テクニカル面からも買いが入りやすくなるだろう。
為替相場も円安に振れている。円安の流れを受け、主力の輸出関連株には見直し買いが入るとみられ、相場を支えそうだ。
主要外国証券経由の注文動向は、売り2540万株、買い1890万株で、差し引き650万株の売り越し。売り越しは4営業日連続。金額は買い越し。
売りセクターに、ゴム、金属、化学、小売、電機、商社、銀行、建設、薬品など。
買いセクターに、電力、自動車、電機、銀行、情報通信、小売、食品、証券、不動産、REIT、サービスなど。
【注目の材料】
■トランスG<2342>
同社GANPマウス技術を用いて開発された肝臓がんマーカーの体外診断薬が上市され、開発先の米アボット社からマイルストーンフィーを受領
■サムコ<6387>
主に電子部品分野の高周波フィルター用途やMEMS用途などが順調に推移、16年1月中間期の単体業績予想を上方修正
■UBIC<2158>
インターネット上の“犯罪の予兆”を発見する「Lit i View SNSMONITORING」を官公庁向けに提供開始。独自開発の人工知能「KIBIT」を用いて重大な犯罪に発展し得るメッセージを検知する。
■ドーン<2303>
警視庁犯罪抑制対策本部の委託を受けて開発した防犯アプリ「Digi Police」をリリース。
【信用関連データ】
松井証券が毎営業日公表する自社オンライントレード上の信用評価損益率はこの日、買い方がマイナス15.375%(2月29日はマイナス16.029%)と改善し、売り方はマイナス6.502%(同マイナス5.899%)と悪化。
双方のカイ離は8.873ポイント(同10.130ポイント)に縮小したが、含み損率の点で買い方は依然マイナス2ケタ%で、売り方との差も2倍超の水準にあり、買い方劣勢の構図に変わりはない。
一方、売買代金に占めるカラ売り(信用取引を含む)の割合を示すカラ売り比率は、41.0%(2月29日は42.5%)。3営業日ぶりに低下したが、40%台という高水準に変わりはない。
今年に入り、40%以上は3月1日時点で40営業日中31営業日と8割近くを占め、異常な状態にある。為替・原油動向、中国経済など外部要因の不透明感から、下落リスクがつきまとい、カラ売りがたまりやすいとも言える。
【予定】
■2(水)
【国内】
2月マネタリーベース(8:50)
《決算発表》
ロックフィール
《新規上場》
バリュゴルフ
【海外】
豪10-12月期GDP(9:30)
米2月ADP雇用統計(22:15)
ブラジル中銀政策金利発表
ベージュブック
《決算発表》
アバークロンビーアンドフィッチ、コストコホールセール
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります

【NY概況】
1日のNYダウ平均は3営業日ぶりに大幅反発し、前日比348ドル58セント高の1万6865ドル08セントと1月6日以来ほぼ2カ月ぶりの高値となった。
アジア・欧州株が概ね全面高となった流れを受け、米国株も買いが先行した。
原油先物相場の戻りが続いていることから、素材関連株も上げダウは一時350ドルに迫る上昇となった。
2月ISM製造業景況感指数が市場予想を上回り、1月の建設支出も高い伸びとなった。前週までに発表された米指標にも改善が目立ち、米景気の減速懸念が後退した。
また、原油先物相場が戻りを試していることで市場心理が好転し、投資家のリスク回避姿勢が後退している。エネルギーや素材に加えて、下げが目立っていた金融、IT(情報技術)などにも買い戻しが膨らんだ。
ナスダック総合株価指数は反発し、131.645ポイント高の4689.595と、ダウ平均と同じ1月6日以来の高値で終えた。S&P500種株価指数は1978.35も1月6日以来の高水準だった。
セクター別では公益事業を除いて全面高となり、銀行や自動車・自動車部品の上昇が目立った。
2月の新車販売台数が前年同月比20%増えたフォード・モーターが高い。ゼネラル・モーターズ(GM)も上げた。ユナイテッド・テクノロジーズへの合併提案を取りやめたと発表した機械のハネウェル・インターナショナルは大幅高。金融のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスの上げが目立った。アップルも高い。
一方、ロンドン証券取引所への買収提案を検討していると報じられた米インターコンチネンタル取引所(ICE)は安い。ダウ平均ではユナイテッド・テクが下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
16,865.08 +348.58
S&P500種
1,978.35
ナスダック
4,689.595 +131.645
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は大幅反発した。3月物は前日比515円高の1万6515円で取引を終え、期近物の終値として2月5日以来、約4週間ぶりの高値をつけた。1日の大阪取引所の終値を415円上回った。
堅調な米景気指標や原油高を手掛かりに、米株とともに買われた。円安も支援材料になり、3月物は一時1万6585円まで上げた。この日の3月物安値は1万5850円だった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
16515 ( +415 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
16530 ( +430 )
( )は大阪取引所終値比