03月01日 相場概況(前引け)

【前引け概況】
名実ともに3月相場入りとなった前場の東京株式市場は続落した。
前引けの日経平均株価は、前日比109円92銭安の1万5916円84銭だった。
売り買い交錯で始まった後は次第に水準を切り下げる展開。2月29日に中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率を0.5%引き下げる追加の金融緩和を決め、景気の下支えをはかる当局の姿勢を前向きにとらえる見方があった。しかし円高・ドル安の動きが続いたうえ、総務省が取引開始前に発表した1月の家計調査も市場予想以上に悪かったため、次第に売りが強まった。
日経平均は節目の1万6000円を下回り、下げ幅は一時170円に迫った。
前場は終盤に下げ渋ったが、買い手控え感は強く前場を終了した。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で9800億円、売買高は10億6589万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1196、値上がりは610、変わらずは136だった。
今期の業績予想の下方修正を発表したNECが13%安と大きく下げ、任天堂も大幅に続落した。オークマや牧野フはじめ工作機械株も下げが目立った。ファナック、ソニーなどにも売りが先行している。トヨタ自動車が軟調、日産自も安い。
一方で自社株買いを発表した日東電が高い。塩野義や第一三共、小野薬も買いが入った。
JTも高い。マネーパートナーズグループがストップ高、TAC、サニックスも値を飛ばした。
東証2部株価指数は4営業日ぶりに反落した。前引けの2部指数は、前日比24.82ポイント安の4191.33となった。
個別銘柄ではフォーカス、サイバーコム、Gダイニング、アサヒインテック、アルチザやヨネックスが下げ、三浦印、日インター、システクアイ、アートSHD、ラオックスが上げた

【新興株前引け】
日経ジャスダック平均株価は小反落した。前引けは前日比14銭安の2345円08銭だった。日経平均株価が軟調に推移し、投資家心理が弱気に傾いた。
大型株は外部要因に振られやすい半面、新興市場では比較的影響を受けにくい銘柄が多い。自動運転や仮想通貨、「フィンテック」などのテーマをはやした買いが一部でみられ、「情報・通信」や「医薬品」株の上昇が目立った。
ジャスダック市場の売買代金は概算で161億円、売買高は5522万株だった。個別銘柄ではULSグループ、新報国鉄、ロジコム、イリソ電子やDガレージ、平田機工が売られ、J・エスコムHD、テクノホライゾン、カルナバイオやFVC、クルーズが買われた。
東証マザーズ指数は小幅続伸した。前引けは前日比4.81ポイント高い843.48だった。個別銘柄ではREMIXがストップ高。ジグソー、セレス、ALBERTPCIHD、GMOメディアが大幅高となった。半面、ミクシィやサイバダイン、サイジニア、アクトコール、ソネットメディア、モルフォが下落した。