02月29日 相場概況(前引け)

【前引け概況】
29日前場の日経平均株価は3日続伸した。前引けは前週末比66円82銭高の1万6255円23銭だった。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、市場の安定に向け政策を協調して実施する方針が打ち出されたことで、安心感から買いが先行のスタートとなった。
また、外国為替市場で円相場が円安・ドル高に進み、投資家心理が改善。運用リスクを取る動きにつながり、輸出関連株を中心に買いが広がった。
前週末発表の2015年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)改定値をきっかけに円相場は一時1ドル=114円台まで円安・ドル高が進んだ。週明けの東京市場では円相場が下げ渋ったものの、企業の輸出採算が改善するとの期待から買いが優勢だった。
しかし、日経平均は前引けにかけてじりじりと上げ幅を縮めた。積極的に上値を追う雰囲気に乏しく、中国・上海株式相場が一時昨年来安値を下回り、投資家心理の重荷になった。
JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)も3日続伸した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆2億円、売買高は10億5074万株。東証1部の値上がり銘柄数は全体の7割弱にあたる1327、値下がりは499、変わらずは114だった。
個別銘柄では、大規模な自社株買いを実施すると発表した日産自が大幅高。トヨタや富士重、ミニバンの開発・生産からの撤退方針が伝えられたマツダなど自動車株が高い。三菱UFJ、三井住友も上昇した。今期の業績見通しを下方修正した任天堂は朝安後に上げに転じた。
半面、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業による買収提案を巡る交渉の期限を延長すると発表したシャープが安い。横浜市西区のマンションで、基礎部分の強度を保つために必要な鉄筋が不適切な施工によって切断された可能性があると伝わった熊谷組が売りに押された。
このほか、サッポロホールディングス、日本ハムも安い。
東証2部指数は3日続伸した。2部指数は、前週末比31.89ポイント高の4230.55となった。個別銘柄ではサイバーコムがストップ高。アートSHD、朝日インテク、象印が上げ、ヨネックス、宮入バルSFJが下げた。

【新興株前引け】
日経ジャスダック平均株価は続伸した。新興企業株も買いが優勢となった。好材料の出た値動きの軽い銘柄が買われた。
午前の中ごろからジャスダック平均はやや伸び悩んだ。中国・上海株の下落などを受けて日経平均株価の上昇が一服した流れが波及した。
ジャスダック市場の売買代金は概算で170億円、売買高は5551万株。個別銘柄では平山、日本テレホンがストップ高。フォーサイドやアイサンテク、クルーズが上昇した。一方でFVCやメディシノバ、夢の街創造、ヤマウが下げた。
東証マザーズ指数は反発。前引けは前週末比13.48ポイント高い839.97だった。個別銘柄ではサイジニア、ソーシャルワイヤ、REMIX、そーせいやミクシィ、サイバダインが買われた。半面、はてなやジグソー、マイネット、ラクーン、ネオジャパンが売られた。