<兜町カタリスト> 「あのときが・・・」
NYダウは213ドル高の16697ドルと続伸。
1月の米耐久財受注が10カ月ぶりの高い伸びだったことを好感。
原油先物の落ち着きも奏功した。
ただ10年債利回りは1.707%と低下しており景気への懸念との綱引き。
関心は26日発表の第4四半期の米国GDP改定値に向けられているとの解釈。
ただ前日の上海株価総合指数の6%超の下落は全く見えないフリで月末株高のリズムは踏襲されている。
VIX(恐怖)指数は再度19%台まで低下しており波乱のない週末を迎えそうな気配。
シカゴ225先物の終値は16230円。
高値は16250円だったからほぼ高値圏だった。
課題としては16340円の壁を一気に抜けるかどうかにかかる。
25日移動平均16529円も捉えたいところ。
昨日の空売り比率が38.9%と40%を割れたことも好材料。
しかも上海株の下落に見えないフリでの反発は悪くなかった。
先週末の日経平均終値は15967円でこのまま行けば今年初の週間ベースで続伸となる。
ホンハイの傘下入りは決定したものの契約一時延期となったシャープがぶれなければよいのだが・・・。
そのシャープ問題。
契約の一時延期の理由は「24日午前に受け取った文書にはっきりさせなければいけない内容がある」。
内容は約3500億円になる財務リスクの関連情報らしいが、「知っていたはず」の声も。
5000億円規模の金融機関の融資枠の返済期限は3月。
今回はシャープが異様に強い立場に見えたが最後はやはりウッチャリがあるのかどうか。
ビジネスの交渉において、変更・遅延は良くない印。
百戦錬磨のホンハイは一筋縄ではいかないだろうし、結局2012年の前回交渉時よりも結局株価は半値以下。
また液晶工場は個人で保有なんてことにはならないことを祈りたいところ。
翻弄されるのはもうヤメにする方が筋は通っているかも知れない。
「米シェール赤字4兆円」、「上海株急落6%安」などの活字が並んでいる。
ギリシャの滞留難民も課題だし英国のEU離脱問題も全く解決していない。
行天元財務官のコメントも「不安増幅、世界脅かす」と暗い。
一方で「REIT時価総額最大」というのが市場的には明るい話題。
REIT53銘柄の時価総額は11.57兆円と過去最大になったという。
背景はマイナス金利での運用難。
アベノミクススタートの2012年末からは3倍になったという。
株が約2倍に落ち込んだからREITの拡大は目立っている。
因みに年初来REITは8%の上昇、日経平均は15%の下落。
先週の東証の「REITファン」に多くの投資家さんが来られたのも当然のタイミングであった。
株式の投資部門別需給では信託銀行が4999億円の買い越しで過去最大。
13週連続の買い越しの背景は自社株買いとの解釈。
一方で海外投資家は7週連続の売り越しで今年に入って計2.6兆円の売り越し。
個人は前々週が2283億円、前週が430億円の買い越し。
いわゆる逆張り押し目買いの動きは変わっていない。
しかし・・・。
個人も海外投資家も儲かっていないのは一緒の構図。
海外投資家はうまく立ち回って儲け、国内個人はその被害者なんて構図は夢物語。
株が下がると儲かる人より損する人が多いのは古今東西変わらない。
昨夜の安部首相。
18時52分から銀座のステーキ「かわむら」で麻生財務相、加藤一億層活躍相、二階総務会長とディナー。
その後21時23分から私邸で麻生財務相と懇談。
首相の自宅は渋谷区の富ヶ谷。
麻生さんの自宅は渋谷の神山町。
近くはあるが銀座から帰るには神山町の方が近い。
それで富ヶ谷で密談ということは何があるのだろうか。
首相と財務相が会うのは予算か税の問題。
補正予算なのか、消費税延期なのか。
朝の9時10分に官邸で財務次官と財務官と会っていたから為替問題なのだろうか。
後日「あのときが」なんてドキュメンタリーになる日だったかも知れない。