<兜町カタリスト> 「2勝目を」
NYダウは53ドル高の16484ドルと反発で終了。
序盤は原油先物価格の下落を嫌気し260ドル以上の下落場面もあったが、午後にプラス転換。
S&P500も一時1900ポイント割れから引けは1929ポイント。
金融や自動車セクターは軟調ながらようやく売り方と買い方のパワーが拮抗してきた。
個別では年初から20%近く下落していたアップルが上昇。
時価総額最大の銘柄だけにこの効果は大きい。
著名投資家らが唱える「3月8日~10日の急落観測」も聞かれるが通過することが重要だろう。
シカゴ225先物は一時15525円まで売り込まれたあと15900円台まで戻して首の皮一枚つないだ格好。
高値は16075円止まりだったがNYダウの引け際の戻り方は好感したい。
先物16340円突破への挑戦権は確保した格好。
長期金利のマイナス効果はジワジワと出てくるのだろうが、待てない市場心理の方が強そう。
日経平均のPERは13.77倍でEPSは1155円。
少なくともPER14倍の16142円があっても不思議ではない。
需給面では先週の裁定買い残は1468億円減少し1兆8380億円と3年4カ月ぶりの水準まで低下。
信用買い残の減少と合わせて需給は悪くない。
因みに・・・。
今年に入って昨日まで日経平均は12勝24敗。
内訳は月曜5勝2敗。
火曜2勝6敗。
水曜2勝6敗。
木曜1勝5敗。
金曜2勝5敗。
木曜が一番勝率が悪いのだが・・・。
興味深かったのは日経「ポジション」の「マイナス金利でも運用益」の話。
通貨スワップを使った日本国債への投資利回りは年1.5~2.5%ほどのプラス。
「隠れた高利回り債券」が日本国債だという。
1月の海外投資家による日本国債の買い越しは1兆4272億円。
昨年7月以来7カ月連続の買い越し。
海外勢がドルを円に5年換える取引の上乗せ金利は年1%程度。
昨年12月の米金利引き上げでドル需要が高まりスワップ金利が上昇したことも背景だ。
今の時点で海外勢が日本国債買いを止めるにはマイナス1%程度の金利になる計算。
マイナス金利の許容範囲が拡大することになるし、ドル売り円買いの動きの背景にもなる。
だから円高というのも許せないが、間違いなくあるに違いない。
そして将来への懸念は短期筋の海外ファンドの日本国債保有比率の上昇。
国内機関投資家という甘い所有者が大半であったので政府債務懸念などないに等しかった国債。
外圧の嵐にさらされれば、それこそ蹂躙されるのは間違いない。
ここへの歯止めがないと思わぬ投資家に足をすくわれかねない。
副作用は「将来の債券市場の金利乱高下」なんて甘いものでは決してない。
単にマイナス金利で運用益が出るというような表面的な話よりもよほど根本的な問題が起きている。
紅毛碧眼の鬼のように迫りくる投資家との対峙ができるかどうかの覚悟が求めれられてくる。
加えれば、なぜ日本株だけがいじめられているのかの理由の一つはここにあるのだろう。
因みに昨日の10年国債利回りはマイナス0.055と過去最低を記録。
これがマイナス1%まで行くのだとしたらリバウンドが怖い。
怖いもの見たさが少しあるのは3月8日~10日の株価急落論。
唱えているのは著名投資家ジム・ロジャース氏。
そして日本のバブル崩壊、アメリカITバブルを的中させた天才予測家ハリー・デント。
「リーマンショックなみの急落の可能性」という説が妙に幅を利かせている。
しかしこの手の話はいつも楽に通過し、たまたま当たれば鬼の首を取ったようなことになる。
因みにハリーデント氏は14年5月株価急落説を唱えていたこともあった。
売り方は好材料を適宜持ち出しその動きを止めないものでもあるが・・・。
日経平均の25日移動平均は16540円で3.78%のマイナスかい離。
75日線は18186円で12.48%のマイナスかい離。
200日線は19019円で16.32%のマイナスかい離。
騰落レシオは80.47%。
サイコロは5勝7敗で41.7%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方はマイナス4.716%。
買い方はマイナス17.000%。
Quick調査の信用評価損率(2月19日現在)はマイナス17.90%。
3週ぶりに改善した。
裁定買い残は1468億円減少し1兆8380億円。
3年4カ月ぶりの水準まで低下した。
空売り比率は41.9%と依然高水準。
日経VIは36.19。
日経平均採用銘柄のPERは13.77倍でEPSは1155円。