<兜町カタリスト>「16340円」
NYダウは今年初の3日続伸。
ロンドンFT100はすでに4日続伸となった。
欧州株式は続伸し、原油・米金融動向は正回転に転換しておりひとまず市場は落ち着きを取り戻した格好。
海の向こうではジェットコースターがメリーゴーランドになる日も近いかも知れない。
そんな中で、妙に警戒して右顧左眄を繰り返し、東京市場はストレートの四球で押し出しのような展開。
自己主張することもなく、ふと気が付いてみれば取り残された格好。
今度は「連騰のあとの海外株の反落警戒」とでも言うのだろうか。
勝ちグセから見放され、ジャパンアズナンバーワンと主張する根性を骨抜きにされ20余年。
さらに言えば被占領国家となってから70余年。
もともと他人の目を気にする習性を帯びた国民性は投資の世界でも消えることはない。
もしも自己主張が正当に出来る市場ならばこんな体たらくはないのだろう。
海の向こうは続伸モード。
海のこちらは続伸へのリセット。
そして、懸念視された中国上海株式市場は春節になにもなかったのように続伸。
一歩放れてみれば・・・。
妙に賢げな警戒論が愚かしく聞こえなくもない。
付和雷同右往左往のばかばかしさでもあろうか。
そして・・・。
スポーツでもゲームでも弱いところを突くのは定石。
どの市場だって弱さを内包しているものだが、小さな綻びでさえ拡大解釈する市場はなかろう。
シカゴ225先物の終値は16050円とかろうじて16000円台に乗せた。
為替の113円台は気にかかるところだが、16000円での推移にきたいしたいところ。
ポイントは月曜の大幅高の時に上でのサーキットブレーカー発動基準だった16340円を抜けるかどうか。
空売り比率が42.6%と高水準であり、この低下も望まれるところ。
面白かったのは場況。
「円高・ドル安や地政学リスクの高まりを背景に外国人投資家に先物売りが活発化。
現物株にも売りが波及した」。
外国人は日本株は売るけれど、それ以外を買っているというのが今朝の状況。
なぜ外国人が日本株を買わないのか。
というよりもなぜ日本株だけを売っているのか。
この「日本株だけを」が問題だろう。
答えはたぶん場況に示されている「悪材料に敏感に反応する地合いは変わっておらず」。
結局見えない影におびえる習性を逆手に取られているだけのこと。
ほえない犬みたいなものだから、翻弄される。
それは「自家薬籠」というか「獅子身中の虫」のなせる業というか。
自身が変化すれば世界も変わる筈。
そして視点も視野も広がろう。
同じ風景も違って見えるはず。
しかし勝ちグセのない市場では、「夢のまた夢」なのだろう。
「負け犬根性」と「他力本願」こそ日本株安の最大の悪魔のような気がする。
「大機小機」は「マネー波乱と増税先送り論」。
消費増税は「リーマンショックのような事態が起きない限り実行する」との約束。
しかし現実は10日間に10円の円高はリーマン以来。
株価チャートさえリーマンショックと似ているという指摘もある。
これだけを見れば外堀は埋まった格好。
シナリオ的にはG7やG20でグローバルな要請を受けての増税延期。
仕上げは伊勢志摩サミットだという。
増税環境を整えられなかったという野党の攻撃には解散総選挙。
悪くはないように思える。
確かに、郵便ポストに今までは見えなかった現役野党議員の政策パンフが入るようになった。
永田町もそれなりに考えているのだろう。
問題はエコノミストたちの思考法。
一流エコノミストでさえ「消費税を上げないと社会保障費が上がって大変なことになる」。
エコノミストが「大変なことになる」と言ってもなったことは少ない。
財務省的思考法ではなく、現場の思考法を少しはもったらどうなのか。
こういうエコノミストが映像などで「消費増税」と説き回るから景気は悪くなるのではなかろうか。
まさに悪循環。
エコノミストは景気を良くするためにいるのであり自分自身のためにいる訳ではなかろう。
「経済学者は間違った予測をするために税金を使う」というジョークも間違いには聞こえなくなってきた。
「全く反対のことを言っている2人の学者が、ノーベル賞を取れる唯一の分野」でもある。
そして「ひどい不況がおこっているときに、こんな不況はおこるはずがないと言い出す人」。
「昨日予測したことが、今日起こらなかった事を、明日になって気づく人」というジョークもある。