02月15日 相場概況(前引け)

【前引け概況】
15日午前の日経平均株価は4営業日ぶりに大幅反発した。前週末比765円81銭高の1万5718円42銭で前場を終えた。
終始買いの勢いが目立った。前週末の欧米株市場が大きく切り返したことや、WTI原油先物価格が前週末時点で1バレル=29ドル台半ばと3ドル以上の上昇をみせるなど急反転、為替相場も足もと1ドル=113円台後半の推移と円安方向に振れており、リスクオフの巻き戻しが一気に進んだ。
金融機関に対する世界的な信用不安がひとまず和らぎ、金融株が大幅高となった。
ドイツ銀行は12日、自らが発行した6000億円規模の債券を買い戻すと発表。ドイツ銀を起点として、世界的に金融機関への信用不安が広がっていただけに、財務体質改善につながる同発表は銀行株などの買い戻しのきっかけとなった。三井住友FGは12営業日ぶり、みずほFGは8営業日ぶりに反発した。
日経平均は前週に1866円下落し、約1年4カ月ぶりの安値水準を付けた。
朝方に発表された2015年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は前期比年率1.4%減だった。市場予想の1.3%減とほぼ同水準で、材料視する動きは限定的だった。
春節明けとなった中国・上海株市場も売り優勢で始まったが、下げ幅は想定よりも小さく、投資家の不安心理が後退し、逆に売り方の買い戻しを誘発する格好となっている。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も4営業日ぶりに反発した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆3248億円だった。売買高は15億1653万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1861と、全体の96%を占めた。値下がりは61、変わらずは13銘柄だった。
個別では、主力のトヨタ自動車が大商いで急反発、ソフトバンクやファナックが上昇した。前週末に4~12月期の純利益が過去最高だったと発表した三井不も高い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも買いを集めている。日本郵政やゆうちょ銀、かんぽ生命も上げた。
このほかリブセンスがストップ高、アルバック、フルキャストホールディングス、サンセイランディック、関東電化工業など値幅制限いっぱいに買われるものも目立った。
一方、16年2月期の業績予想を下方修正したイオンが下げた。15年12月期の純利益が37%減と発表した楽天も下落した。他では、ダブル・スコープがストップ安に売られたほか、山崎製パン、サントリー食品インターナショナル、楽天などが大きく値を下げた。
東証2部株価指数も4営業日ぶりに反発した。前引けの2部指数は、前週末比56.52ポイント高の3937.33となった。個別銘柄では滝上工、日本エスコン、FESCOがストップ高。ビケンテクノ、Oak、象印やぷらっとが上げた。一方、前週末に16年12月期の営業減益見通しを発表したラオックスが下げた。トレックスセミ、クリヤマHDなど売られた。

【新興株前引け】
日経ジャスダック平均株価は4営業日ぶりに大幅反発した。午前の終値は前週末に比べ51円95銭高い2251円57銭だった。
日経平均株価が大幅高となったことを支援材料に新興株市場でも物色意欲が高まった。
ジャスダック市場の売買代金は概算で252億円、売買高は9250万株だった。
個別銘柄ではMAGネットHD、菊池製作所、レカム、ユニマットRC、アイサンテクノ、アパマンショップなどがストップ高。FVC、クルーズが上昇。
半面、3Dマトリックスがストップ安。ウェッジHD、リリカラ、協立エアテク、メッセージなどが下落した。
東証マザーズ指数も4営業日ぶりに大幅反発。前引けは前週末比31.18ポイント高い698.67だった。個別銘柄ではNVC、ジグソーがストップ高。セレス、中村超硬、そーせいやミクシィ、FFRIなど主力銘柄の値上がりが目立った。一方、sMedio、ビジョン、オープンドアやフリークアウなどが下げた。