02月12日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
12日の東京株式市場は続落後、フシ目となる日経平均株価の1万5000円を意識する場面もありそう。シカゴ日経平均先物の清算値(1万5195円)にサヤ寄せする動きが先行するとみられる。
日経平均株価予想レンジは、1万5000円-1万5500円を想定。
為替市場ではドル円が一時110円台を記録。注目されたイエレンFRB議長の議会証言では足元の経済環境に配慮した発言も見られたが、そのことが逆に景気減速への警戒を強める格好となり、米国株は連日の下落となった。
主要外国証券経由の注文動向は、売り2810万株、買い1700万株で、差し引き1110万株の大幅売り越し。売り越しは7営業日連続。金額も売り越し。
売りセクターに、電機、銀行、小売、食品、保険、通信、自動車、情報通信など。
買いセクターに、化学、保険、自動車、ガス、サービス、電機、海運、REITなど。
○好材料銘柄
■システムリサーチ<3771>
3月31日を基準日、4月1日を効力発生日として1株を2株に分割
■朝日工<1975>
16年3月期の連結利益予想を上方修正、期末配当予想を従来の7.5円から9.5円(前期実績9.5円)に増額
■すかいらーく <3197>
今期税引き前は16%増で5期連続最高益、前期配当を3円増額・今期は5円増配へ。また、株主優待制度を拡充。現行、100株以上保有の株主に一律で2000円の食事券を贈呈しているが、これを保有株式数に応じた優待に変更。新制度では100株以上300株未満で2000円分、300株以上500株未満で6500円分、500株以上1000株未満で1万1000円分、1000株以上で2万3000円分の食事券を贈呈する。
■イントランス <3237>
今期経常を一転11%増益に上方修正。株主優待制度を新設。毎年3月31日時点で300株以上を保有する株主を対象に、子会社の大多喜ハーブガーデン取扱商品2000円相当を贈呈する。
■システムリサ <3771>
16年3月期の期末一括配当を従来計画の50円→60円(前期は50円)に増額修正 。3月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施する。
■マイネット <3928>
今期経常は2.2倍増で2期連続最高益更新へ。
【予定】
■12(金)
【国内】
オプションSQ
《決算発表》
日本郵政、ゆうちょ、東京海上、三井不、大塚HD、サントリーBF、楽 天、第一生命、ユニチャーム、かんぽ、損保JPNK、日本ビルF、T&DHD、ソニーFH、飯田GHD、山崎パン、東ゼネ石、ラオックス、マブチ、アシックス、テンプHD、ユーグレナ、住友ゴム、光通信、アサヒインテック、マツモトキヨシ、浜ゴム、DIC、ナブテスコ、コカ・コーラEJ、サイバダイン、シチズンHDなど
《イベント》
JAXAがH-2Aロケット30号機によるX線天文衛星の打上げ予定
【海外】
インド1月消費者物価指数・12月鉱工業生産(11:30)
EU財務相理事会
独10-12月期GDP(16:00)
ユーロ圏10-12月期GDP・12月鉱工業生産(19:00)
米1月小売売上高(22:30)
米1月輸入物価(22:30)
米12月企業在庫(13日0:00)
米2月ミシガン大学消費者信頼感指数(13日0:00)
休場:中国、台湾、ベトナム
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります

【NY概況】
11日のNYダウ平均は5日続落した。終値は前日比254ドル56セント安の1万5660ドル18セントだった。最近の安値だった昨年8月の水準を下回り、2014年2月6日以来およそ2年ぶりの安値を付けた。
銀行株が主導して欧州株式相場が大幅安となった。米市場でも運用リスクを避ける動きが強まり、相場を下押しした。
原油安などを背景に財務悪化への警戒が強まっている欧州の主要銀行株が軒並み大幅安となった。米市場でもゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融関連株を中心に売りが膨らんだ。
NY原油先物相場は約12年9カ月ぶりの安値を更新。世界経済の成長が減速する可能性が改めて意識され、投資家心理を冷やした。ダウ平均は下げ幅を411ドルまで広げる場面があった。取引終了にかけて米株式相場は下げ渋った。
産油国による協調減産などの思惑を背景に原油先物相場が時間外取引で下げ幅を縮小したため、シェブロンなどエネルギー株の一角に買い戻しが入った。
米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が前日の米下院に続き、11日は米上院で証言した。だが、証言内容は前日とほぼ同じと受け止められたため、株式相場の反応は限られた。
S&P500種株価指数も5日続落し、同22.78ポイント安の1829.08で終え、14年4月11日以来の安値を付けた。
ナスダック総合株価指数は反落。同16.755ポイント安の4266.837と14年10月17日以来の安値で終えた。
前日に自社株買いを発表したインターネット小売りのアマゾン・ドット・コムなどネット関連株の一角が買われた。指数は上昇する場面もあったが、投資家のリスク回避姿勢は強く売りが優勢だった。
業種別S&P500種株価指数は全10種が下落した。「金融」や「素材」のほか「資本財・サービス」が大きく下げた。
15,660.18 -254.56
S&P500種
1,829.08
ナスダック
4,266.837 -16.755
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は9日続落した。3月物は前日比350円安の1万5195円と2014年10月以来およそ約1年4カ月ぶりの安値で終えた。10日の大阪取引所の終値を475円下回った。欧州株や原油相場の下げを受け、米株式相場とともに売られた。外国為替市場での円高も売り材料視され、3月物は一時1万5015円まで下げた。この日の3月物の高値は1万5610円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
15195 ( -475 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
15240 ( -430 )
( )は大阪取引所終値比
■NY原油:続落で26.21ドル、米受け渡し拠点の在庫増再注目で売りの見方
NY原油は続落(NYMEX原油3月限終値:26.21↓1.24)。27.48ドルまで上昇した後、26.13ドルまで下落した。「石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国が増産凍結で合意を目指している」との報道がみられた。
いったん原油の買い戻しが強まった。
しかし、その後は、前日発表の米エネルギー情報局(EIA)の週報(週次石油在庫統計)で、原油先物の受け渡し拠点オクラホマ州クッシングの在庫増加が改めて注目されたといわれ、売り再開となったもよう。