<兜町カタリスト>「宴のあと」
首の皮一枚。
板子一枚下は地獄。
そんな言葉に象徴されるのは16017円という1月21日安値。
昨日の日経平均は918円安と今年一番の下落幅であったが、16015円でとどまった。
16017円が三寸の船板ということになるのだろうか。
夜が明けてみれば続落記録ばかり。
NYダウとFT100指数は3日続落。
ドイツDAXは7日続落。
バルチック海運指数は変わらずを挟んで26日続落。
原油はバレル27ドル台まで下がった。
でもシカゴの225先物終値は16115円と大証比プラス。
昨日114円台まで沈んだ円も115円026円まで戻してきた。
そろそろ日本株も売り飽きたと考えたいところ。
最近は忘れられているが数年前から「グレートローテーション」という言葉が出てきた。
低金利で債券運用ができなくなった資金が株に移動するだろうという読みを表現した言葉。
それが日本国債が史上初のマイナス金利になっても日経平均は1000円近くの下落。
どう考えても不自然と言うか変。
金利が上昇して崩壊する国家はあっても金利が下落して崩壊する国はなかろう。
これは通貨が売られて崩壊する国はあっても通貨が買われて崩壊しない国がないのと同じ。
「グレートローテーション」はマイナス金利という「パラダイムシフト」を伴って復活しようか。
一番怖いのはマイナス金利のトレンドが反転して弾みがつきリバウンドでの異常な高金利がくること。
その方がよほど怖い。
リスク回避で安全資産の円とか債券が買われるという解釈が横行するが、パラダイムは変わろう。
まともに考えれば債券がマイナス金利まで買われているのは異常な世界。
「安全資産を保有するためには多少の保険料を払ってもいい」との不安心理なんてどこかおかしい。
異常はどこかで元に戻る筈。
「世界経済の先行きに対する市場からの警戒シグナル」という活字が見られる。
あるいは「弱い鎖がどこで切れるのだろうか」という指摘もある。
みんなが揃って進む方向はたいていは時間がたてば誤ちに気がつくもの。
殺到はピークでいずれ離合集散するのがアメーバのような市場マネーの性格。
もし、今100兆円の運用資産のファンドマネージャーだとしたら・・・。
日本国債売りと配当利回り3~5%の現物株買いのポジションを取りたいものである。
分配金利回り3%台のREITは中途半端な利回りだがそれでもマイナス金利よりはマトモな運用になろう。
いよいよ債券市場に「宴のあとの悪魔」が来てもよいだろう。
以下はバンカメ・メリルの日本株投資戦略。
この解釈が正しいと思われる。
「日銀はまだ本気出してないだけ。政策金利マイナス1%時の日本株。
↓
(1)日銀が政策金利をマイナス1%まで引き下げても現在の日本のイールドカーブの形状が維持される場合には、
2年物国債利回りはマイナス1.08%となる。
金利差拡大とインフレ期待上昇から7%程度円安が進行すれば日本の企業業績は5%程度増加すると試算される。
(2)日銀が政策金利をマイナス1%まで引き下げれば、
リスクフリーレートの低下と株式リスクプレミアムの低下の両方からバリュエーションは上昇する可能性が高い。
日銀がマイナス金利を導入する前の1月28日の10年物国債利回りは0.2%。
株式リスクプレミマムは7.6%、PERは12.8倍であった。
もし10年物国債利回りがマイナス0.8%まで低下し株式リスクプレミアムが7%ポイントまで低下すれば
PERは16倍となり、マイナス金利導入前から25.8%上昇すると計算される。
(3)日銀が政策金利をマイナス1%まで引き下げ、企業の預金にマイナス金利が課され、
個人の銀行口座への手数料が強化されれば、企業による自社株買いが増加。
個人の預金が配当利回りの高い株式やREITに投資される可能性があろう。
東証一部上場企業(除く金融)と家計の現預金はそれぞれ122兆円、887兆円ある。
業績、バリュエーション、需要の変化を通じて政策金利マイナス1%は日本株にポジティブな影響をもたらそう。
週末に名古屋で頂戴したのが「おみくじチョコ」。
昨夜、今日の相場を占って引いてみたら「大吉」。
「ずっと欲しがっていた物が手に入るチャンス。
見逃さないように回りをしっかりチェック。
ラッキーアイテムは鏡。ラッキーナンバーは1」。
鏡の向こうに踏み込んだマイナス金利はラッキーなのだろうか。
おみくじ上は今日の相場展開はよさそうな気になる。