02月09日 相場展望(寄り付き前)
【オープニングコメント】
9日の東京株式市場は反落後、落ち着きどころを探る展開となりそう。
日経平均株価予想レンジは、1万6300円-1万6750円を想定。
寄り付きは米シカゴ市場日経平均先物の円建て清算値(1万6460円)にサヤ寄せする動きが先行するとみられる。
一方で、売り一巡後の底堅さが意識されるようだと、昨日同様、断続的なインデックス資金により、切り返す可能性はありそうだ。
為替相場は、ドル・円が1ドル=115円台の半ばと円高に傾いている。
円高の進行を嫌気して、輸出関連の主力株には売り圧力が強まるとみられ、株価指数の重しとなりそう。内需系の小型好業績株に物色の矛先が向かうことが想定される。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1950万株、買い800万株で、差し引き1150万株の大幅売り越し。売り越しは5営業日連続。金額も売り越し。
売りセクターに、電機、その他製品、証券、銀行、食品、金属、情報通信、建設、REIT、薬品など。
買いセクターに、機械、化学、サービス、食品、電機、海運、陸運など。
【注目の材料銘柄】
■GMO-AP <4784>
15年12月期の連結経常利益は前の期比40.2%減の3.8億円に落ち込んだが、従来予想の3.2億円を上回って着地。続く16年12月期は前期比2.0倍の7億8000万円にV字回復し、4期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。今期は前期に先行投資して開発したスマートフォン向け広告配信の自社製品などの販売が伸びる。
業績好調に伴い、今期の年間配当は10円で、2期ぶりに復配する方針とした。
■EMシステム <4820>
16年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比76.8%増の15.3億円に拡大して着地。14年10月に買収したコスモシステムズの業績上積みなどが寄与し、20.8%の大幅増収を達成。原価低減やコスト削減に取り組んだことも大幅増益に貢献した。
最繁忙期である1-3月期(第4四半期)を前に、通期計画の22.5億円に対する進捗率は68.0%に達しており、通期上振れが期待される。
同時に、3月末割当で1→2の株式分割を実施すると発表。流動性の向上や投資家層の拡大を好感する買いも期待される。
■Nフィールド <6077>
15年12月期の経常利益(非連結)は前の期比9.7%増の4.8億円に伸びて着地。続く16年12月期も前期比57.2%増の7.6億円に拡大し、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。今期は精神科に特化した訪問看護の拠点を60店開設する計画で、54.2%の大幅増収を見込む。
同時に、上限1.9%の自社株買いをすると発表。株主還元の拡充を好感する買いが期待される。
【予定】
■国内(9日)
1月マネーストック(8:50)
30年国債入札
《決算発表》
KDDI、ダイキン、アサヒ、シマノ、SMC、東レ、住友不、ルネサス、近鉄GHD、資生堂、大成建、ヤマハ発、大林組、大日印、清水建、鹿島、バンナムHD、島津製、クラレ、三菱マ、太平洋セメ、リゾートトラス、マクドナルド、沢井製薬、みらかHD、ロート、青山商、荏原、平和、ゼンショーHDなど
■海外(9日)
独12月貿易収支(16:00)
英12月貿易収支(18:30)
米12月卸売在庫(10日0:00)
米3年国債入札
《決算発表》
コカ・コーラ、ウォルト・ディズニー
休場:中国、香港、マレーシア、シンガポール、韓国、台湾、ベトナム、ブラジル
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります
NY概況

【NY概況】
8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅続落し、前週末比177ドル92セント安の1万6027ドル05セントで終えた。
原油相場が一時30ドルを下回る大幅下落となり、朝方から大幅安となった。
下げ幅は一時400ドルを超えた。欧州株式相場が軒並み大幅安となったほか、一部のエネルギー関連企業に対する信用不安が強まり、運用リスクを回避する動きが強まった。
石油・天然ガス開発大手のチェサピーク・エナジーが、債務再編へ向けて法律事務所を雇ったと朝方に伝わった。会社側が「破産を申請する計画はない」との声明を発表したものの投資家の不安は収まらずに急落。
石油メジャーを除くほかのエネルギー関連企業の売りを促して相場を下押しした。チェサピーク株は急落し下落率は33%となった。
エネルギー関連企業の不良債権が増加するとの懸念などからバンク・オブ・アメリカなど金融株にも売りが広がった。
セクター別では、家庭用品・パーソナル用品やエネルギーが上昇する一方で耐久消費財・アパレルや銀行が下落した。
ナスダック総合株価指数は大幅続落し、前週末比79.391ポイント安の4283.753で終えた。14年10月17日以来およそ1年4カ月ぶりの安値水準を付けた。
S&P500種株価指数は前週末比26.61ポイント安の1853.44で終え、14年4月15日以来およそ1年10カ月ぶりの安値を付けた。
金融株ではシティグループやゴールドマン・サックスへの売りが目立った。
一方で教育大手のアポロ・エデュケーションが急伸。玩具大手のハズブロも高い。15年10~12月期の決算を好感した買いが入った。
メディアの21世紀フォックス(FOX)はマーケット終了後に10-12月期決算を発表、一株利益は予想に一致したものの、売上高は下振れた。時間外取引で下落して推移している。
NYダウ工業株30種(ドル)
16,027.05 -177.92
S&P500種
1,853.44 -26.61
ナスダック
4,283.753 -79.391
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は6日続落した。3月物は前週末比100円安の1万6460円で引けた。8日の大取終値を540円下回った。原油や欧州株の下落を背景に世界景気の減速懸念が広がり、米株とともに売られた。円相場の大幅反発も弱材料になり、3月物は日中の取引で一時1万6205円まで下げた。引けにかけては米株とともに下げ渋った。この日の3月物高値は1万7085円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
16460 ( -540 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
16475 ( -525 )
( )は大阪取引所終値比