<兜町カタリスト>「スポーツイラストレイテッド」
FX業界が大好きな踊って騒ぐだけの雇用統計祭りは通過。
米非農業部門雇用者数は15.1万人増(市場予想は19万人増)。
11月、12月分は2000人の下方修正。
解釈は「異例の暖冬による追い風が弱まった」とある。
まあいまだに古典的な手紙での調査というのも奥ゆかしいが、それで踊るなら阿波踊りの方がよほど賢い。
因みに失業率は4.9%。
統計数字や経済指標というものの不透明感を払しょくするほどの権威はないような気がする。
コンピュータがどんどん進化して、国内の選挙では投票締め切りと同時に当選確実が出る。
理由は出口調査とサンプルによる類推。
結論は一緒であることが多いのだがそれこそ数本の木を見て森を図る世界。
「みそ汁の味見は少し飲んでみるだけで全部は飲まないでしょ」と言われれば確かにそうだが・・・。
金曜に町田近辺で起きた地震は夕刻に桜島の噴火につながり、その後台湾の地震も起こった。
地球はつながっているという感じがしないでもない。
そして勝手に動く北朝鮮がミサイルを発射。
国連安保理の制裁とアメリカ・中国の動向がクローズアップされるのだろう。
射程距離12000~13000キロというのは結構大きい。
しかし、より大きな問題と思われるのはイランが原油代金をユーロで決済する方向。
やさしいそぶりを見せたアメリカにとっては「え?」の話。
欧州はイラン最大の貿易相手地域の一つであり「請求書では、ユーロでの支払いを明記する」という。
ドル依存の低下が狙いというから世界というか地政学というのはわかりにくいもの。
中東が原油代金にユーロを持ち出してくると、再びユーロ危機が起こらないでもない。
ミサイルよりも何よりもこのマネーの地位の争奪戦こそ火種。
イランも何を考えているのかなかなか理解しにくい。
そして北朝鮮の行動黙認みたいな中国。
1月末時点の外貨準備高は3兆2300億ドルと、前月から995億ドル減少。
2012年5月以来の低水準となった。
昨年12月の1079億ドルに次ぐ規模の減少だったことになる。
外貨建て債務の返済や人民元安防御のためのドル売りなどが背景として継続している。
興味深いのは金の準備高の増加。
昨年末の601.9億ドル→635.7億ドル。
紙ではなくやはり実物こそ信用できるということなのかも知れない。
そんな事柄などほとんど頭の中から離れているのが東京市場が常に気にする海の向こうのアメリカ。
第50回スーパーボウルは東京市場の前場に行われる。
場所はカリフォルニア州サンタクララのリーバイス・スタジアム。
NFCのチームが勝てばその年の相場は上昇するというのがアノマリーだが最近はアノマリー離れしてきた。
とはいえAFCのデンバー・ブロンコスよりはNECのカロライナ・パンサーズに買って欲しいというのが市場関係者だろう。
それにしても・・・。
海のこちらで雇用統計をチマチマと論じている最中。
当のアメリカでは日曜の夕方からのフットボールに夢中という因果な世界。
所詮東京市場と言うのはそういう立ち位置にあるということは忘れられない。
今年のTVCMのスポンサーはコカ・コーラやペプシコ。
食料品や清掃用品など日常消費財を扱う企業の株価は、昨年のスーパーボウル時から他のセクターをアウトパフォームした。
だから今年もアメリカの内需系銘柄?
なんて声も聞こえないではない。
さらに登場するのがスポーツイラストレイテッドの水着特集号の表紙のモデルのアノマリー。
SI誌の表紙をアメリカ人が制すれば、その年にS&P500は上昇。
アメリカ人でなければ、下落する傾向が高く的中率は8割。
東京では話題にならない事柄が、ウォールストリートでは結構真剣に論じられている。
彼らは東京時間に騒ぎ遊んでアジア時間の株など蚊帳の外。
飲んでいてもよその国の為替や株価が気になる東京市場人とは一味違う。