<兜町カタリスト>
「ソジェン」
昨日の日経平均は大幅安となったがそれは前場の動き。
後場だけを見れば前場比3円安。
前場の範囲で終始動いたということ。
1月によく登場してきた昼休みから後場の売りは消えたのかも知れない。
気になるのは225先物のソジェンの連日の一方的売り。
何らかの理由があるのかも知れない。
一夜明けたNY株式は反発ながら為替の117円台が響いてシカゴ225先物は一時17000円割れ。
背景はダドリーNY連銀総裁のコメント。
「昨年12月の米利上げ以降、金融状況は著しくひっ迫している。
世界経済見通しの悪化やドル高の一段の進行は米経済に重大な影響を及ぼす恐れがある。
金融環境のひっ迫が3月のFOMCまで継続するなら、それを勘案する必要がある」。
つまり利上げ先延ばし方向のコメント。
加えて原油高による資源国通貨の上昇がドル安に拍車をかけたとの解釈も聞かれる。
原油はバレル32ドル台まで戻し、上海株は堅調。
それでも今度は為替の側面から日本株は下落。
泣きっ面にハチというか、四面楚歌というか。
解釈次第で方向感が左右される展開。
日経平均のPERは14.7倍でEPSは1169円と低下。
全体の40%が通過した第3四半期決算。
ようやく通期純利益見通しがわずか0.2%とはいえプラスになった。
「今期経常増益率は期初時点では前期比8.7%増。
その後下方修正が続き3日時点で4.1%増。
野村証券によると来期は21%の大幅なマイナスに進む。
EPS1169円で5%減益ならPER15倍で16658円。
16倍でも17768円」という試算の声もある。
小賢しい計算だけで市場を語ることはできるが、計算だけで済む筈はない。
ただ「鬼は外」とばかりに悪材料を外に求めがちな風潮には警鐘となろうか。
おのれを顧みずに他人の動向ばかりを気にするから自信が喪失する。
風に揺れる風鈴のような脇役ではなく主役としての演出を考える時間が来たのではなかろうか。
原油高、NY株高、上海株平穏。
それでも黒田マイナス金利効果が為替も株でも消されるならどこかおかしい。
鬼は怯え安い場所に出るし、震えていると柳もお化けに見えるもの。
「朝起きたときはちょっとクラクラしました」と市場関係者。
もっとも昨日日銀はETFを330億円買った。
先月は352億円だったが22億円の減額。
ETF買い入れ回数の増加を予感したとしたら、チトさびしい。
「大病院の実績開示義務」というのが日経朝刊トップの見出し。
受信内容を患者は比較しやすいようにとの方向と言う。
興味深いのは「今の診療報酬は一つ一つの病気の治療にかかるコストに合わせて決まるのが減速。
治療結果は関係しないため運営効率が悪くても報酬は同じだ」。
たしかに治癒した治療には多くの報酬を、治癒しない治療には少ない報酬をという姿勢はアリだろう。
成功報酬主義の医療というのはアリかも知れない。
というか、既得権益だけで生きている世界は成長しにくいもの。
報道であればスクープ。
株であれば利益。
それぞれ成功報酬制度というのがいいのかも知れない。
儲けても損しても売買手数料は一定という世界は少し変化してくるだろうか。
あるいは、現場が保険とか投信よりももう少し株式相場に興味を持つかも知れない。
厚労省が目指したことを金融庁が目指せない筈はなかろう。
売り方買い方の逆転を期待した松井証券信用評価損益率速報。
売り方マイナス8.346%。
買い方マイナス14.172%。
残念ながらワニの口になってしまった。
Quick調査の信用評価損率(1月29日現在)はマイナス12.80%。
実に4週ぶりの改善。
裁定買い残は509億円だけ増加し2兆1632億円。
こちらも4週ぶりの増加。
カラ売り比率は前日の37.9%→40.4%に拡大。
日経VIも32.97とまた30ポイント台。
REIT指数が1836ポイントまで逆行高してくれたのがせめてもの救いだろうか。
2月10日の雲の黒いねじれは見えないフリをしたいところ。
勝手雲は15日に白くねじれている。
75日線18639円とは言わないが25日線17537円回復みたいな立春大吉の声を聞きたいもの。
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MDV(3902)・・・動兆
メディカル・データ・ビジョンに注目する。
同社は医療機関、製薬向けデータ提供が中核。
データネットワークの分析パッケージ製品や製薬会社向け診断データ分析ツールに期待感。
データネットワーク、データ利用ともに拡大継続で業績は好調。
(兜町カタリスト櫻井)