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02月03日 個別銘柄情報 [7600]日本エム・ディ・エム

[02月03日更新]

日本エム・ディ・エムの16年3月期第3四半期累計は2桁増収増益、通期予想に再増額余地

 日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は整形外科分野の医療機器商社である。米国子会社製品の拡販を推進し、自社製品売上構成比が大幅に上昇して収益拡大基調だ。1月29日発表の16年3月期第3四半期累計は2桁増収増益だった。通期も大幅増益予想で、さらに再増額余地がありそうだ。株価はややネガティブ反応となったが、好業績を評価する流れに変化はなく、目先的な売りが一巡して15年11月の昨年来高値を目指す展開だろう。

■整形外科分野の医療機器商社、メーカー機能を強化して自社製品構成比上昇

 人工関節製品、骨接合材料、脊椎固定器具など整形外科分野を主力とする医療機器商社である。メーカー機能の強化によって高収益体質への転換を推進している。

 ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約が13年3月期に終了し、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販を推進している。自社製品比率上昇による売上原価率低下効果で収益拡大基調だ。米ODEV社製の人工膝関節製品は中国でも薬事承認を取得している。

 なおコーポレートガバナンスの充実に取り組むことを目的として15年12月1日付で組織変更を実施した。取締役の指名・報酬に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化することを目的に、取締役会の諮問機関として指名・報酬諮問委員会を設置した。また取締役会において決定した会社経営の基本方針・経営計画等に従い、会社経営の常務に関する重要な事項について必要な決議を行い、会社経営の円滑な遂行を図ることを目的として、業務執行取締役をもって構成する業務執行役員会を設置した。

■自社製品開発を中心に品揃え強化

 自社製新製品の動向としては、米国で14年1月に米ODEV社製の人工膝関節製品「BKS-Momentum」と「E-Vitalize」を販売開始した。日本では14年5月に人工膝関節製品「BKSオフセットティビアルトレイ」を販売開始した。

 14年9月には米ODEV社製の人工股関節大腿骨ステム「OVATION Tributeヒップシステム」と、ステムヘッド「ODEV BIOLOX deltaセラミックヘッド」を販売開始した。また米ODEV社は人口膝関節製品「KASM」の米国食品医薬品局(FDA)薬事承認を取得して販売開始している。

 15年5月には米ODEV社製の人工膝関節製品「バランスド・ニー・システム TriMax PS」の販売を開始した。より深い膝関節の屈曲を可能としたHigh-Flexタイプの人工膝関節である。現在販売中の「バランスド・ニー・システム」シリーズにHigh-Flexタイプの製品が加わることで人工膝関節製品の販売拡大が期待される。

 15年7月にはMaterialise社(ベルギー)と、3D技術を用いた人工股関節置換術に使用する患者毎の手術器械PMIに関して取引契約を締結した。17年から順次販売予定で、注力分野である人工股関節製品の販売拡大に寄与するとしている。

 15年8月には、オズール社(アイスランド)製造のハローベストシステム「ReSolveハローシステムCE」の販売開始を発表した。3.0T-MRI診断装置による撮影を行えることが特徴で15年9月から順次発売した。

 15年11月には米ODEV社製の人工股関節の新製品「Alpine ヒップシステム」の薬事承認取得を発表した。16年2月から順次販売を予定している。新製品は人工股関節市場において、当社が未だ参入しきれていないセグメントに対する人工股関節で、本製品の導入によって人工股関節市場における主要なセグメントを網羅することになる。

■下期の構成比が高い収益構造

 15年3月期の四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)26億32百万円、第2四半期(7月~9月)26億87百万円、第3四半期(10月~12月)31億59百万円、第4四半期(1月~3月)33億77百万円、営業利益は第1四半期2億39百万円、第2四半期2億53百万円、第3四半期5億38百万円、第4四半期2億65百万円だった。

 15年3月期は税制改正等に伴う繰延税金資産取崩が影響して最終赤字だったが、整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があるため、当社の業績も下期の構成比が高い傾向があるとしている。なお15年3月期の自社製品売上比率は14年3月期比5.6ポイント上昇して80.0%、売上総利益率は同0.7ポイント低下して69.9%、販管費比率は同4.6ポイント低下して59.0%だった。

■16年3月期第3四半期累計は2桁増収増益

 1月29日発表の今期(16年3月期)第3四半期累計(4月~12月)連結業績は売上高が前年同期比11.7%増の94億72百万円で、営業利益が同18.1%増の12億16百万円、経常利益が同23.1%増の10億83百万円、純利益が同27.5%増の6億49百万円だった。米ODEV社製の人工関節製品の売上が好調に推移した。

 地域別売上高(連結調整前)を見ると、日本は同7.6%増の62億71百万円だった。償還価格引き下げで厳しい事業環境だったが、米ODEV社製の人工関節製品および脊椎固定器具製品が伸長した。米国は同38.0%増の60億76百万円(うち外部顧客への売上高は同20.8%増の32億01百万円)だった。米ODEV社製の人工関節製品が伸長し、ドル高・円安に伴う換算額増加も寄与した。なお自社製品売上比率は85.1%で同5.6ポイント上昇した。

 売上総利益率はドル高・円安進行や償還価格引き下げの影響で同0.8ポイント低下して71.0%となったが、自社製品の増収などで売上総利益が同10.5%増加した。販管費は米ODEV社の販売拡大に伴う支払手数料(コミッションなど)の増加、ドル高・円安進行の影響などで同8.9%増加したが、販管費比率は同1.5ポイント低下して58.2%となった。営業外費用では為替差損が減少(前期は22百万円計上、今期は9百万円計上)した。特別損失では固定資産除却損が増加(前期は70百万円計上、今期は1億22百万円計上)した。

 品目別売上高を見ると、人工関節は米ODEV社製人工股間接製品「オベーションヒップシステム」が好調で同13.1%増の59億36百万円(日本が同4.8%増収、米国が同22.2%増収)、骨接合材料(日本)は「MDMプリマヒップスクリューシステム」が堅調で同0.7%増の20億85百万円、脊椎固定器具は米ODEV社製「Pagodaスパイナルシステム」および14年12月発売「IBISスパイナルシステム」が好調で同48.4%増の11億16百万円(日本が同61.3%増収、米国が同2.2%減収)だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)30億46百万円、第2四半期(7月~9月)31億26百万円、第3四半期(10月~12月)33億円、営業利益は第1四半期3億29百万円、第2四半期3億62百万円、第3四半期5億25百万円だった。

■16年3月期大幅増益予想で再増額余地

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想は前回予想(10月13日に増額修正)を据え置いて、売上高が前期比12.6%増の133億50百万円で、営業利益が同23.5%増の16億円、経常利益が同28.8%増の14億円、純利益が7億30百万円(前期は3億91百万円の赤字)としている。配当予想(4月30日公表)は同1円増配の年間6円(期末一括)で予想配当性向は21.8%となる。

 米ODEV社製の人工股間接製品「オベーションヒップシステム」や脊椎固定器具「Pagodaスパイナルシステム」、当社と米ODEV社が共同開発した骨接合材料製品「MODE」シリーズなど、主力製品の販売が日本および米国において好調に推移する。14年12月発売の脊椎固定器具「IBISスパイナルシステム」や15年5月発売の人工膝関節製品「バランスド・ニー・システム TriMax PS」も寄与する。

 地域別・品目別売上高の計画については、日本国内が同9.2%増の89億円(人工関節が同6.6%増の40億90百万円、骨接合材料が同1.6%増の29億10百万円、脊椎固定器具が同69.8%増の14億70百万円、その他が同26.4%減の4億30百万円)、米国販売が同20.2%増の44億50百万円(人工関節が同20.9%増の42億30百万円、脊椎固定器具が同7.8%増の2億20百万円)としている。自社製品売上高は同21.0%増の114億80百万円、自社製品売上比率は同6.0ポイント上昇の86.0%としている。

 想定為替レートは1ドル=120円(15年3月期実績1ドル=110円03銭)で、ドルベースの米国販売は同10.2%増収の計画だ。売上総利益率は同0.9ポイント上昇の70.8%、販管費比率は同0.2ポイント低下の58.8%を想定している。自社製品比率上昇も寄与して大幅増益予想だ。純利益は繰延税金資産取崩の影響一巡も寄与する。なお6月末に米国ArthroCare Corporationとの日本国内販売代理店契約を終了したが業績への影響は軽微としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が71.0%、営業利益が76.0%、経常利益が77.4%、純利益が88.9%である。下期の構成比が高い収益構造であることも考慮すれば、通期会社予想に再増額余地があるだろう。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.0%目指す

 15年4月に発表した新中期経営計画「MODE2017」では、経営目標数値として18年3月期の売上高160億円、営業利益20億円、経常利益18億円、ROE8.0%を掲げている。

 中期の経営指針を「成長領域への積極投資を通じ新たなステージへ成長を加速させる」として、顧客ニーズに対応した自社新製品の開発強化、10品目以上の自社開発新製品群の継続的市場投入、整形外科領域周辺・隣接分野での調達力強化、製品ラインナップの強化、北米市場での販売拡大、自社製造能力(米ODEV社)の拡大と製造コストのさらなる低減、品質管理の強化、製造から販売・市販後まで一貫した安全管理体制の整備、などの施策を推進する。

 高齢化社会到来も背景として、利益率の高い自社製品の拡販が牽引して中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は目先的な売り一巡して反発展開

 株価の動きを見ると、戻り高値圏で堅調だったが、16年3月期第3四半期累計に対してややネガティブな反応となり、2月1日には前日比70円(9.73%)安の650円まで急落する場面があった。ただし2日には下げ渋る動きとなった。目先的な売りが一巡したようだ。

 2月2日の終値655円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円58銭で算出)は23~24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は0.9%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS409円70銭で算出)は1.6倍近辺である。時価総額は約173億円である。

 週足チャートで見ると、一気に26週移動平均線を割り込む形となったが、自律調整の範囲だろう。好業績を評価する流れに変化はなく、目先的な売りが一巡して15年11月の昨年来高値759円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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櫻井英明

Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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