
【前引け概況】
3日午前の日経平均株価は大幅に続落した。午前の終値は前日比556円51銭安の1万7194円17銭だった。一時は下げ幅を670円ほどに広げ、1万7080円まで下げた。
前日の欧米株市場が軒並み大幅安となった流れを引き継ぎ、朝方からリスク回避ムードに包まれた。原油市況が再び下落歩調を強めたことが、投資家の不安心理を増幅させている。外国為替市場でも安全資産とされる円が買われる流れとなり、一時1ドル=119円台前半まで円高が進行、これも主力株中心に買いを手控えさせる背景となった。
NYの原油先物相場が1バレル30ドルを再び下回り、前日の米株安や円高・ドル安を受け、主力の輸出株を中心に幅広い銘柄に売りが出た
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はそれぞれ続落した。
日経平均は、株価指数先物の下げに連れ安して一段安となる場面がみられた。海外勢が短期的な利益確定売りを出したほか、個人投資家による上場投資信託(ETF)の売りを指摘する声もあった。
日本時間午前に発表された1月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)は前の月から大幅に上昇した。中国・上海株は軟調に推移しており、日本株の反応も鈍かった。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆5135億円、売買高は15億5871万株。東証1部の値上がり銘柄数は89、変わらずは16だった。
個別ではIHIは16年3月期に7年ぶりの最終赤字に転落するとの見通しを発表し、3年2カ月ぶり安値に急落した。ソフトバンクグループ、トヨタや三菱UFJ、日立など主力銘柄が軒並み大幅に下げた。神戸鋼や野村は前引け時点で下げ幅が10%を大きく超えた。一方、レンゴーが急伸、ニチレイや中外薬は堅調。GSユアサは9%高だった。ITホールディングスも全体相場に逆行して大幅高となった。
東証2部株価指数は続落した。前引けの2部指数は、前日比85.38ポイント安の4479.08となった。個別銘柄では高木証、サイバーコム、青山財、日精機、技研製が下落。一方、システクアイがストップ高。日本パワーファス、アゼアス、象印やフマキラー、ケイアイ不は上昇した。

【新興株前引け】
日経ジャスダック平均株価は大幅続落した。前引けは前日比44円24銭安の2471円81銭だった。
新興市場にも波及し、主力株を中心に幅広い銘柄が売られた。
市場では「全体的に買いが入っていない」との声が聞かれ、日銀が前週末に導入を決めたマイナス金利後の相場上昇に一服感がみられた。好決算だったノジマ(7419)も大幅安となり、相場全体の地合いの悪さを映した。
ジャスダック市場の売買代金は概算で263億円、売買高は7240万株だった。
時価総額の首位のマクドナルドやクルーズ、セプテニHDFVC、シノケンG、エン・ジャパンが売られた。
半面、ジェイテックがストップ高。2015年7~12月期の連結営業益が黒字転換したアクモスやドーン、T&CHD、ミナトHD、セリアが買われた。
東証マザーズ指数は6営業日ぶりに大幅反落した。前引けは前日比21.76ポイント安い844.03だった。
減収減益だったガンホーの決算を受け、ミクシィやAimingなどゲーム関連が軒並み下落。下げ幅はジャスダック市場よりきつかった。イードがストップ安。ビーロット、フルスピード、そーせいやサイバダインが下げ、アンジェスやアプリックス、ジーンテクノ、カイオム、ALBERT、が上げた。