「鬼は外」
世界に先駆けての3日続伸の願いは叶わなかった。
昨日前場の日経平均は53銭安の高値引け。
後場への期待も空しく結局はマイナス。
日中の罫線を見れば前場上昇、後場下落。
1日の動きが昼休みをはさんで真逆だったことがよくわかる。
上海のプラス展開など目に入らなかったということだろうか。
あるいは昨夜のNY安を見越した動きだったとしたら市場は意外と賢明な場所とも言える。
課題は25日移動平均。
17600円で昨日は上まわっていたが今日のシカゴ225の終値は17400円台。
そして週足の一目均衡の雲の下限は17740円。
12月第3週に雲の上限を割れ込んでから久々に雲に突入しスタートラインに立ったばかり。
病み上がりだけに傷は痛む感じだろうか。
日足の雲が10日に黒くねじれているのが気にかかるが気のせいと思いたい。
せめて3日続いた日足陽線が今日も続いてくれればというのがささやかな願い。
英国がEUを離脱するかん知れないという環境下で欧州やユーロに目が行かない市場。
昨年の今頃はギリシャばかりがクローズアップされていたがきっと飽きたのだろう。
依然として台頭しているのは米・中・原油の3本柱。
原油はバレル30ドル割れで悪材料。
中国は経済指標は悪化しているが上海株式は反騰基調。
所詮来週は春節なので蚊帳の外なのだろうか。
今週末の米雇用統計は市場予想が19万人増で良くはない。
しかも大統領選所詮のアイオワ州党員集会の結果は共和党・民主党ともに混沌。
市場からは「アイオワ州での候補指名争いについて、はっきりした勝者がおらず、不透明感が残った。
投資家は大統領選かエネルギー市場のいずれかでもう少し確実性が高まることを望んでいる」の声。
それこそ節分だけに「鬼は外」があからさまになってきた。
続けて「福は内」と言いたいところだが日経平均採用銘柄のPERは15.15倍。
EPSは1171円まで低下した(前日は1169円)。
12月8日の1270円が懐かしいところ。
全体の35.9%gが通過した第3四半期決算。
売上高1.7%増、経常利益5.5%増、純利益6%増。
従来より半減した格好。
しかも通期は売上高1.0%増、経常利益1.1%増、純利益はマイナス2.9%。
月曜段階で純利益はマイナス1%だったから昨日さらに悪化。
この純利益のマイナスが痛いし効いているのかも知れない。
まだ逆転しないのが松井証券信用評価損益率速報の値。
売り方はマイナス9.843%(月曜マイナス10.735%)。
買い方はマイナス11.313%(月曜マイナス10.422%)。
市場ではいろいろなことがあと一歩で届かないことが多いが、ココでもそれはあらわれた格好になっている。
株式で大切なのは連想。
ワシントンのさくらでさくらインターネットもありだし、北朝鮮の核実験でドーンもアリだろう。
雪の日の雪印だって悪くはない。
ジニ熱はパンデミック症候群だからカイオムバイオだっていい。
スマホ販売覆面調査ならメディアフラッグだってある。
あるいはトランプ候補敗北でダメな任天堂という思考法もある。
グーグルの親会社のアルファベットの時価総額がアップルを抜いたのなら、時代はハードでなくソフト。
当たり前のことだが、アメリカで起きたことは日本でも起きる。
コンピュータやスマホの個体が話題になる時代ではなくソフトこそテーマということを時価総額が表現している。
わからないのはドバイにイチゴ工場を事業化するシャープ。
やぶれかぶれなのか、まじめな方向性なのかよくわからない。
巨額の赤字をこれで消せる訳はないだろう。
福は外にはいない。
朝方のドル円は119.68円まで下落。
日銀のマイナス金利導入発表後の上げ幅の3分の2を返上した。
「円高株安」を喜ぶ人たちにとっては朗報なのかも知れないが・・・。