【10時の概況】
日経平均株価は前日比61円27銭安の1万7803円96銭で推移。
原油価格の下落が投資家心理の重荷となったが、世界の中央銀行による緩和政策が続くとの見方が支えとなった。
日銀のマイナス金利導入に伴う悪影響が懸念されている銀行株にも押し目買いが入り、上昇する場面がみられた。市場では「投資家が落ち着きを取り戻している」との声も聞かれる。原油価格の下落で鉄鋼や鉱業、石油石炭製品などの資源株の下げが目立つ。
JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)もともに下げ幅を縮めた。
■日経平均株価 17,803.96(-61.27)
■日経平均先物 17,790(-80)
■TOPIX先物 1,456.50(-3.50)
■騰落 上昇657/下落1,151
■日経JQ 2,517.51(+1.26)
■マザーズ指数 871.03(+6.56)
10時現在の東証1部の売買代金は概算で7617億円、売買高は7億8497万株。東証1部の値下がり銘柄数は1151、値上がりは657、変わらずは124だった。
業種別では33業種中10業種が値上がり。1位は水産・農林で、以下、医薬品、空運、精密機器と続く。値下がり上位には鉄鋼、鉱業、石油・石炭が並んでいる。
日経平均マイナス寄与度は17.42円の押し下げでソフトバンクがトップ。以下、ファストリが14.12円、ダイキンが5.49円、信越化が4.08円と続いている。
プラス寄与度トップはファナックで、日経平均を10.40円押し上げている。次いでエーザイが9.53円、日ハムが5.30円、京セラが5.02円と続く。
個別では、主力株ではトヨタやマツダ、富士重など自動車株の一角が安い。前日に株価水準を大きく切り上げていたNTTドコモは売りに押された。ソフトバンクも安い。半面、ファナックが引き続き日経平均を押し上げている。三越伊勢丹やセブン&アイも高い。
東証2部指数は5日続伸。ラオックスや象印、アートSHDが上昇し、アルチザ、SFJが下げた。

■イーレックス<9517>
25日移動平均線(1692円)を上抜いている。1日の取引終了後に発表した第3四半期累計(15年4~12月)連結決算は、売上高166億800万円(前年同期比34.2%増)、営業利益10億1000万円(同7.0%減)、最終利益6億6700万円(同15.1%増)となり、営業利益は減益に終わったが、10~12月では営業利益は5億3600万円と6割強の増益となっており、足もとの業績回復ぶりを評価している。
■フュトレック<2468> -
16年3月期の通期業績予想を上方修正している。営業損益見通しは従来の1.10億円の赤字から4.50億円の黒字(前期は1.92億円の赤字)へと引き上げた。
■カイオム・バイオサイエンス<4583>
ストップ高の573円まで買われている。1日の取引終了後、開発中のTrop-2抗体に関する特許について、ニュージーランドにおける特許付与の決定通知を受領したと発表した。

【寄り付き概況】
2日寄り付きの日経平均株価は反落して始まった。
一時は前日比180円安の1万7684円まで下げる場面があった。1日の米原油相場が急落し、投資家心理を弱気に傾けた。日経平均は前日までの2営業日で800円超水準を切り上げたため、原油安などを材料に目先の利益を確定する売りに押された。
JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)もそれぞれ3日ぶりに反落して始まり、下落率は1%を超える場面があった。
外国為替市場で円相場が1ドル=120円台後半にまで反発。円安基調が一服したことも上値追いに慎重な見方が広がった。