【大引け概況】
28日の日経平均株価は反落した。前日比122円47銭安の1万7041円45銭で終えた。
前日に米金融政策の現状維持が決定され米株安につながり、東京株式市場でも投資家心理が悪化し、売りが先行した。
朝安後に切り返したが、その後は終始方向感が定まらない動きとなり、プラス圏とマイナス圏を往来する展開となったが結局引けにかけて売り直された。
あすの日銀の金融政策決定会合の発表を控えて様子見姿勢も広がった。一方で、円相場はやや円安方向に進行して輸出関連に見直し買いが入り相場を下支えした。
米アップルは26日に2016年1~3月期の売上高の見通しを前年同期と比較して1割近く下回ると発表、成長鈍化が嫌気されてアップル株は27日に約6%下落した。これを受けてTDKや太陽誘電などアップル関連とされる銘柄にも連想売りが波及して相場の重荷となった。
JPX日経インデックス400も反落した。終値は前日比81.98ポイント安の1万2547.22だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、8.60ポイント安の1392.10で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3772億円だった。売買高は21億4539万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1095と全体の56.5%を占めた。値上がりは753、変わらずは87銘柄だった。
個別では、アップル関連の村田製や航空電子が下落した。前日に16年3月期の業績見通しの下方修正を発表したアルプスが大幅安だった。15年12月の建設機械出荷額が18.6%減と伝わり、コマツや日立建機に連想売りが広がった。28日昼に16年3月期の業績見通しの下方修正を発表した川重が下げた。ソニーも軟調。日本航空電子工業、ソフトバンクグループも冴えない。ユアテック、大京も売られた。
一方、トヨタやスズキが上げた。きのうストップ高を付けたダイハツは連日で上昇した。前日に16年12月期の連結業績の見通しを増収増益と発表したキヤノンが上げた。15年4~12月期の純利益が89%増だった日立化、高水準の受注を公表したアドテストがそれぞれ大幅高だった。サイバネットシステム、スターティア、オルトプラス、enish、ベリサーブなどストップ高銘柄が続出している。
東証2部株価指数は続伸した。2部指数は、前日比7.15ポイント高の4407.26となった。個別銘柄ではサイバーコム、アルチザ、PALTEKがストップ高。理経や朝日インテクが上げた。一方、大阪工機、東自機、富士通コン、ラオックスや阿波製紙が下げた。

日経ジャスダック平均株価は続伸した。大引けは前日比7円44銭高の2471円58銭だった。
東証1部の主力銘柄が方向感を欠く動きとなったなか、新興企業株に関心が向かった。金融とIT(情報技術)を融合させた「フィンテック」の関連銘柄などテーマ物色が盛り上がり、相場を支えた。下げて始まったジャスダック平均は午前の中ごろに上昇に転じ、午後はプラス圏での推移が続いた。
ジャスダック市場の売買代金は概算で603億円、売買高は1億5051万株。
個別銘柄ではネクストジェン、構造計画、インテリW、テクノホライゾン、サン電子がストップ高。白鳩、シンクレイヤ、倉元、DACが上昇した。一方でレイ、コーセーRE、イリソ電子、ソフトウェアSやドーン、セリアが下落した。
東証マザーズ指数は続伸。大引けは前日比13.25ポイント高の823.85だった。
27日に欧州製薬最大手のノバルティス(スイス)が発表した2015年12月期通期決算を手掛かりにそーせいが大幅高となった。
マザーズ市場で時価総額が上位であるそーせいの上昇がマザーズ指数を押し上げた。サイバーS、ダブルスタンダードがストップ高。フィンテック関連のテーマ物色でインフォテリがストップ高まで買われた。ファーストロジ、サイバダインも高い。半面、ミクシィやジグソー、アークン、ITM、NTTDIM、メディビは下げた。
【指標一覧】
終値 |
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|
日経平均株価 |
17,041.45 |
-122.47 |
日経平均先物 |
17,060.00 |
-110.00 |
TOPIX |
1,392.10 |
-8.60 |
TOPIX先物 |
1,392.00 |
-8.00 |
東証2部指数 |
4,407.26 |
7.15 |
JASDAQ |
2,471.58 |
7.44 |
マザーズ |
823.85 |
13.25 |
出来高 |
|
|
東証1部 |
2145390 |
2377267 |
東証2部 |
81230 |
16901 |